在仙放送局の決算・人事など 2021

5月27日付の河北新報では「拡大・移動支局 気仙沼・南三陸ウイーク」の一環として「おかえりモネ」に関わった元東日本放送アナウンサー・佐藤千晶さんの特集記事(15面)、文化面には「震災10年 表現者のことば」と題したシンガーソングライター・萌江さんのインタビュー記事(19面)があり、経済面には東北放送株式会社の人事と決算の記事(9面)が出ています。
拙blog6月の年中行事の季節になったのですね。在仙民放各社に於かれましては今年も5月中に決算が出そろいました。
今年も河北新報朝刊経済面から抜き書きしておきます。ちなみに、去年の分はこちら

常務に平山氏 仙台放送 (5月26日付河北)

 仙台放送仙台市)は25日の取締役会で、平山準一取締役が常務に昇格し、非常勤取締役に新たに犬竹紳晃フジテレビジョン執行役員が就く役員人事を内定した。松村一敏非常勤取締役は退任する。6月30日の株主総会と取締役会で正式決定する。

日本経済新聞のwebでは監査役の異動も掲載されています。

2021年5月25日 16:59
(6月30日)常務(取締役)平山準一▽取締役、犬竹紳晃▽監査役、小川晋一▽退任(取締役)松村一敏▽同(監査役)和賀井隆
※そういえば、去年の記事で日経のwebのコピペに『編成業務局・営業局・東京支社・関西支社・ニュービジネス開発局担当(放送本部長)取締役平山準一』と書いてありました。平山氏以外の4氏はフジテレビの人間で、フジテレビの都合による異動なのでしょう。

取締役に木村氏 エフエム仙台 (26日付河北)

 エフエム仙台仙台市)は24日の取締役会で、木村祐二営業局長が取締役に、土屋正巳エフエム東京執行役員と藤田和昭読売テレビ放送報道局参事が非常勤取締役にそれぞれ就く役員人事を内定した。剣持文仁取締役相談役と、小林哲、高田紀明の両非常勤取締役は退任する。6月25日に開催する株主総会と取締役会で正式決定する。
※剣持氏は元社長。小林氏はエフエム東京、高田氏は読売テレビの人。

公平、井上両氏取締役就任へ 東北放送 (27日付河北)

 東北放送仙台市)は26日の取締役会で、公平正浩技術局長と井上浩二東京支社長が取締役に、田畑卓治七十七銀行常務が非常勤取締役にそれぞれ就く役員人事を内定した。非常勤取締役の藤沢智子、植村裕、永山勝教の3氏は退任する。6月22日の株主総会、取締役会で正式に決定する。
(※公平、井上両氏の略歴が掲載されていますが書き写しません。二人とも宮城県出身の生え抜きの方のようです。)
日本経済新聞のwebでは監査役の異動も掲載されています。

2021年5月26日 15:08
(6月22日)取締役、技術局長公平正浩▽同、東京支社長井上浩二▽同、田畑卓治▽監査役、佐々木裕司▽退任(取締役)藤沢智子▽同(同)植村裕▽同(同)永山勝教▽同(監査役)山本俊二
※佐々木氏は東北電力の常務執行役員だそうで、山本氏は東北電力の取締役副社長です。永山氏は七十七銀行の取締役監査等委員、一般企業でいう監査役に相当する役職みたいです。
※藤沢氏はtbc Azの社長、植村氏は河北ランドの社長にそれぞれ就きました。そういえば「ぼんやり~ぬTV」で伊達ちゃんが藤沢さんは東北放送を3月に退社されたって話してなかったか?

取締役に佐藤氏 宮城テレビ (27日付河北)

 宮城テレビ放送仙台市)は26日の取締役会で、佐藤公俊東京支社長兼業務部長が取締役に、早坂浩仁日本テレビメディア戦略局長が非常勤取締役に就く役員人事を内定した。高野昌明取締役は退任し、ミヤギテレビサービス代表取締役会長に就任予定。呉文彦非常勤取締役は退任する。6月24日の株主総会と取締役会で正式決定する。
(※佐藤氏の略歴が掲載されていますが書き写しません。宮城県出身の生え抜きの方のようです。2016年から東京勤務なのかな。)
※退任する呉氏は日本テレビの人。BS日テレでおなじみ「BS日本」社の副社長になっているようです。
※日刊合同通信マスコミ研究会のヘッドラインによると

  • ミヤギ、只野コンテンツ審査室長・庄子東京支社次長(6月2日付)
  • 佐藤・早坂新取・後藤新監・高野サービス会長(5月28日付)

とのことです。監査役の後藤さんて誰だろう。ミヤギテレビサービスの現在の会長さんが後藤さんというらしいが。読売新聞のwebで検索しようとすると会員限定で読めない。宮城県図書館にでも読みに行けばよいのか…。

非常勤取締役に小野瀬氏ら3人 東日本放送 (28日付河北)

 東日本放送仙台市)は27日の取締役会で、非常勤取締役に新たにテレビ朝日役員待遇の小野瀬雅久氏、朝日新聞社常務執行役員の堀江隆氏、日本経済新聞社東京本社映像戦略本部部長の大場俊介氏が就く役員人事を内定した。赤坂正弘常務と非常勤取締役の浜島聡、大滝敏之、発田真人の3氏は退任する。6月18日の株主総会、取締役会で正式に決定する。
 常勤監査役には新たに浜尾芳朗氏が就き、三沢信一氏は退任する。
※退任する浜島氏はテレビ朝日、大滝氏は朝日新聞社、発田氏は日本経済新聞社の人。
※浜尾氏は朝日新聞デジタル朝日新聞のweb版)に掲載されている東日本放送人事の記事によれば(元経営戦略室長)とのことです。

決算東北 21年3月期(増減は前期比)

(※日付は発表日。翌日付の河北新報経済面に掲載されたものです。)

(25日)
◆売上高20%減
 仙台放送仙台市) 売上高20.0%減の67億79百万円▽経常利益82.4%減の72百万円▽純利益9.76倍の24億7百万円
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるスポット収入の落ち込みや、イベントの中止・延期で大幅に減収。NTTドコモ株の売却益などで純利益は過去最高となった。

◆売上高27%減
 エフエム仙台仙台市) 売上高27.1%減の6億64百万円▽経常損益84百万円の黒字から35百万円の赤字▽純利益64.1%減の18百万円
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響による広告収入の減少や大型催事の中止で減収。

(26日)
◆売上高14%減
 東北放送仙台市) 売上高14.7%減の65億5百万円▽経常損益1億25百万円の黒字から5億23百万円の赤字▽純利益1.92倍の1億5百万円
 新型コロナウイルス感染拡大の影響によるラジオ・テレビの広告収入減少が響き、減収。株式売却益などで純黒字となった。

◆売上高13%減
 宮城テレビ放送仙台市) 売上高13.6%減の73億74百万円▽経常利益48.0%減の3億54百万円▽純利益51.7%減の2億5百万円
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、スポットCM収入の大幅な減少や、イベントの中止・延期で減収減益となった。

(27日)
◆売上高16%減
 東日本放送仙台市) 売上高16.7%減の57億60百万円▽経常利益26.5%減の2億74百万円▽純利益81.0%減の52百万円
 新型コロナウイルス感染拡大の影響によるCMの減少や、大型イベントの中止などで減収減益。
 
※もう判で押したような見事なコロナのせい。驚いたのはこれを株の売却でリカバーしたということです。仙台放送がNTTDoCoMoの株を持っていたとは知りませんでした。東北放送株式会社の有価証券報告書が公表されたら保有株式の欄をじっくり鑑賞しましょうね。ラジオ単営のエフエム仙台を除いて売上高が最も減ったのが仙台放送です。「東北・みやぎ復興マラソン2020」が中止なので12800円(税込)×12000人=1億5360万円の収入が入ってこなかったことになります。減収幅は各局10億円超ですからそんな単純な話ではないのでしょうけど。ラジオを抱える東北放送エフエム仙台が経常赤字を記録したのは偶然なのかラジオは儲からないということなのか。この決算が今春のラジオの改編にストレートに表れたと言ったらデマだ、フェイクニュースだ、と抗議を受けるかな? でも赤字幅がねぇ。
※忘れてた!この段落だけ付け足し。東北放送は昨年6月に旧社屋(A-site)から新社屋(C-site)に引っ越したんだった。日刊合同通信マスコミ研究会のヘッドライン(6月2日付)によると引越しを経験した北海道放送が『HBC決算、社屋移転費など響き営損8億・経損7億・純損5億』と書かれている。引っ越しに伴う臨時の出費が億単位で出るものなのかもしれない。

最後に昨年との比較を表にまとめておきましょう。(金額の単位は百万円)

  売上高 経常損益 純利益
東北放送 7623→6506(14.7%減) 125→▲523(赤字化) 55→ 105(1.92倍)
仙台放送 8469→6779(20.0%減) 411→ 72(82.4%減) 246→2407(9.76倍)
ミヤギテレビ 8531→7374(13.6%減) 680→ 354(48.0%減) 426→ 205(51.7%減)
東日本放送 6911→5760(16.7%減) 373→ 274(26.5%減) 274→ 52(81.0%減)
エフエム仙台 912→ 664(27.1%減) 84→▲35(赤字化) 51→ 18(64.1%減)