ただいまネモ

やっと「ただいまネモ」第1週を見終えました。
えっ、番組名が違う? それは富澤さんのボケ?
何言ってるんだかよくわかんないですね。ここでこのドラマの企画が発表になったときの拙blogのエントリ(来春のNHK朝ドラ、気仙沼舞台に - みむめもーど)に書き込まれたtozu02さんのコメントをここに移動させておきます。(※原文ママ

tozu02 2021-05-15 19:30:21
EPGスマホ番組表で今更知りましたが土曜のチコちゃん前(生活笑百科後) サンドの2人だそうです。日村さん(二階堂ふみさん)→吉弥相談員(杉咲花ちゃん)ときてサンドですか プロモミニ特番ではNHK女性職員がナレーターしていましたけど
清原果那ちゃんの御婆ちゃん役 竹下景子ちゃん(クイズダービー世代はそう言ってしまう)よりも岡江久美子さんの方があっていたのでは?

働き方改革とかでNHK連続テレビ小説は土曜日の放送が月曜から金曜の分の振り返りとなり、バナナマンの日村さんが担当することになったと聞いていたのですが、作品ごとに担当者が変わるのですね。で5月17日にスタートした「おかえりモネ」で振り返りを担当されるのがサンドウィッチマンのお二人。その最初の振り返りの放送の冒頭で富澤さんが番組タイトルを間違えるボケをしまして、それが「ただいまネモ」です。いまやこんなことすらもネットニュースになってるのね。
「おかえりモネ」富澤たけし「ただいまネモ?」早速ボケ炸裂 土曜MCサンドウィッチマンが話題― スポニチ Sponichi Annex 芸能
彼らが振り返るためにNHKのスタジオに二人がM-1グランプリを取った頃まで10年ほど共同生活していた部屋を再現したというのだから、NHKは金の掛け方がすごい。

ドラマは湯婆婆が営む湯屋でこき使われる千、じゃなかった登米市の架空の町にある森林組合で楽しそうに働いているモネさんという女の子のお話。東京から石ノ森章太郎ふるさと記念館に遊びに来た気象予報士が天気の変化をズバズバ当ててみせるのを目の当たりにし、気象予報士に興味を持つことになる。モネさんは気仙沼市の大島がモデルと思われる島の出身で家族はそこに住んでいるのだけど、何かわだかまり的なものがある様子。それが青年期ならではのものなのかそれとも震災に由来するものなのかは第1週を見ただけではまだ判然としません。
本編のナレーターはモネさんの亡くなったおばあちゃん役の竹下景子さん。鼎が浦の海中に養殖されている牡蠣に転生しているかのような説明がされていたような気がしますがそれは聞かなかったことにします。tozu02さんにマジレスをすると、本作の発表があった時点で岡江久美子さんは亡くなられているのですよね。だったら誰なら良かったんだと聞かれても私にはno ideaです。
1週間の振り返りのナレーターは柘植恵水アナでしたね。東京勤務になってたんだ。
「プロモミニ特番」は見ていないので誰が担当されたかわからないのですが、仙台局で放送された事前特番のナレーションを担当されたのは気仙沼市出身のフリーアナウンサー佐藤千晶さんでした。東北6県ネットで再放送されたはずなので盛岡局でも放送されたことと思います。5月27日になってからそのことが河北新報に載りましたので紹介します。
温かい気仙沼弁、誇りに 「おかえりモネ」方言指導のフリーアナ <気仙沼・南三陸ウイーク> | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
私にとっては突っ込みどころ満載の記事で、何より千晶さんの現住所の記載は要らないだろう。
冗談はさておき気になったのは方言について。記事より。

 例えば、宮城の方言では「海」や「登米(とめ)」といった単語は2音目が強くなる。人名の「サヤカ」などは、真ん中にアクセントがくる。「イントネーションだけで方言になる。私自身も奥深さを再認識した」と振り返る。

そうなんだ。
うみ、とめ、と発音してみるのだけど、名取市生まれ名取市育ちの私には2音目が強くなるという発音にはどうしてもならない。私がおかしいのかもしれないのだけど、県南と県北でアクセントが違うのかもしれない。そういえば名取から南、福島にかけて特殊なアクセントの形態を持つという話を聞いた覚えがあるし(Wikipediaの「仙台弁」にも『崩壊型アクセント』という名前で載っている)。
TBCラジオ「あっぺとっぺファーマシー」でパーソナリティの佐々木真奈美さん(登米市津山町出身)は番組名の「あっぺとっぺ」のことを『宮城弁、仙台弁共通の方言で』と紹介していて、宮城弁と仙台弁という2種類の方言があるのかと疑問に思い続けています。気仙沼市の北隣になる岩手県陸前高田市・大船渡市などの気仙地方の言葉をケセン語と呼びますが、仙台城下町で使われていた言葉を仙台弁と呼ぶのであれば、気仙沼登米では独自の発音、イントネーションを持っているに違いない(それを宮城弁と呼ぶかどうかはさておき)という想像はできます。Wikipediaには岩手県南の旧伊達領内の言葉として「伊達弁」なる項目があることを知って驚きました。
余談ですが、驚きの表現で「あまちゃん」で「じぇじぇじぇ」が流行しましたが、佐藤千晶さんや熊谷育美さん(この二人は気仙沼市生まれで同学年です)は「じぇじぇじぇ」ではなく「ばばば」と表現します。

再び新聞記事より。

 当初、控えめにしたつもりの方言も「きつすぎて意味が通じない」とスタッフに突っ込まれた。「私、そんなになまってる?と戸惑ったけど、気仙沼弁が染み付いている誇らしさもあった」と笑う。
 視聴者が抵抗なくドラマを楽しめるよう、方言の「濃度」を制作陣が調節したという。一つのせりふの中でなまって濁らせる言葉の数や、「だっちゃ」など語尾変化の有無を加減し、方言の雰囲気を残しつつ内容も伝わりやすくした。
 愛着が強い分、気仙沼弁を完全に再現できないジレンマもあった。しかし放送開始後、宮城以外の人から「言葉の優しさが感じられ、物語の内容もすっと入った」と反響があり「全国の人に受け入れられ、ほっとしている」と喜ぶ。

この記事についていた「はてなブックマーク」のコメントに気仙沼登米の言葉の違いが上手く出ていないというものがありました。たぶん地元の方なのでしょうね。
[B! TV] 温かい気仙沼弁、誇りに 「おかえりモネ」方言指導のフリーアナ <気仙沼・南三陸ウイーク> | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
私だって県北出身の知り合いはいないわけではありませんが、方言で喋るわけでもないので違いが判るかどうか自信がありません。それはお前がみむめもだからだろう。あっ、そうか。それと私には浜の人たちは言葉も荒く気も荒いという先入観がありますが、モネさんの実家の人たちの言葉が荒いかと言えば穏やかに思えます。森の人たちはどうだろう、知り合いいないしなぁ。
「じぇじぇじぇ」と「ばばば」のように、厳密なことを言えば三陸沿岸は浜ごとに方言が異なるのだから、北上山地を挟む気仙沼登米では方言が異なるのは当然のことです。主人公は海の町に育ち森の町に暮らしているという設定なのだから、海と森のニュアンスの違いが出せればリアリティが増すのでしょうが、東京の人であろうスタッフにそれは難しいことなのかもしれません。まさか東北はみんなズーズー弁だというひと昔ふた昔前の認識は持っていないとは思いますが、ながら聞きをする可能性が高い朝ドラでは本格的な地元の言葉を使われるより標準語に訛りが混じった程度のほうが耳に入りやすいと考えているのかもしれません。

記事の冒頭にもあるのですが

 方言指導スタッフは2人いて、サブという位置付けでドラマ序盤を担当した。台本のせりふを方言に書き換え、俳優の手本となる発音を録音。撮影現場での指導も一部サポートした。

ドラマの本編で「宮城ことば指導」のスタッフとしてクレジットされているのは鹿野浩明さんというお名前。
調べると東松島市出身の俳優さんで、宮城県を舞台にした映画『生きる街』(’18 榊英雄監督)、『凪待ち』(’19 白石和彌監督)、『護られなかった者たちへ』(’21 瀬々敬久監督)に出演されているそうです。
『護られなかった者たちへ』は河北新報に掲載されていた新聞小説(中山七里・作)でしたね。この秋公開予定で清原果耶さんも出演されるそうです(主演は佐藤健くんと阿部寛さん)。『凪待ち』は石巻市が舞台で香取慎吾くんが主演の映画でした。慎吾ちゃんの彼女の娘という役で恒松祐里さんが出演しているそうです。
『生きる街』は夏木マリさんが津波に夫を持って行かれた女性の役で主演された作品だそうで、こちらも舞台は石巻市だそうです。知らんかった。いや『生きる街』は榊英雄監督だそうだから私が常にチェックしている某個人Twitterアカウントで当然紹介されていたはずだ。検索したら案の定出てきた。ごめんなさい。せっかくなのでその方のツイートを読んでいたら・・・


ばばば!