在仙放送局の決算・人事など 2022

拙blog6月の年中行事です。河北新報朝刊の経済面に掲載される在仙民放各社の決算と役員人事を書き写しています。
ちなみに、去年の分はこちら

社長に藤ノ木氏 東日本放送 (5月24日付より)

 東日本放送仙台市)は23日の取締役会で、社長に藤ノ木正哉テレビ朝日副社長が就任する役員人事を内定した。佐藤吉雄社長は特別顧問に就く。6月22日の株主総会と取締役会で正式決定する。
 非常勤取締役に今野俊宏河北新報社取締役が就任する。非常勤取締役の加藤伊佐雄、小野瀬雅久の両氏は退任する。
(※藤ノ木氏の顔写真と略歴が載っている。テレビ朝日の生え抜きで、専務などを経て21年6月副社長。今回の異動でテレビ朝日とホールディングスの取締役を退任しテレビ朝日の顧問になる予定。また岩手朝日テレビの非常勤取締役にも就く予定。)
 ◇東日本放送人事(6月22日)退任 上席執行役員赤坂正弘
(※記事の最後になぜかこの1行だけ。赤坂氏は2013年から取締役にあった方。なお、退任される加藤氏は河北新報の方、小野瀬氏はテレビ朝日の方で21年6月より取締役。)

取締役に明石氏 東北放送 (5月26日付より)

 東北放送仙台市)は25日の取締役会で、明石茂テレビ局長がが取締役に就く役員人事を内定した。6月21日の株主総会と取締役会で正式決定する。
 非常勤取締役に林慎太郎TBSテレビ執行役員が就任。氏家悟、武田信二の両非常勤取締役は退任する。
(※明石氏の略歴が掲載されていますが書き写しません。ひょっとして私より若いのかな。)
(※林氏はアイビーシー岩手放送有価証券報告書によると、TBSテレビの営業局長、BS-TBSの常務取締役を経て20年6月TBSテレビ執行役員青森テレビ常務取締役と岩手放送社外取締役にいっぺんに就任。岩手放送では取締役、青森テレビでは常務取締役としてそれぞれの社のホームページに名前が載っている。)
※退任する非常勤取締役の2名については拙blogエイプリルフール、もしくは2022年3月で辞めるアナウンサーについて - みむめもーどのコメント欄でちょっと話が盛り上がっていました。氏家氏は藤沢智子アナが社長を務める東北放送の子会社tbc Azの代表取締役になりました。武田氏はTBSホールディングスの会長でJNN系列の基幹局で役付きになっています。4月の人事異動についても触れておきます。

氏家氏 非常勤に 東北放送 (2月25日付より)

 東北放送は24日の取締役会で、氏家悟常務を非常勤取締役・参与とし、報道制作局・労務・関連事業担当を解く4月1日付の役員人事を決めた。
 同日付の組織改編では、総務局総務部と社屋管理部を統合し、総務部とする。
 ◇東北放送人事(4月1日)報道制作局担当 取締役ラジオ局・テレビ局・番組審議会担当岩城彰▽関連事業担当 取締役総務局・営業局・事業局担当本郷浩尚▽労務担当 取締役技術局担当技術局長委嘱公平正浩
(※要するに氏家氏の3つの担務を3人の取締役に割り振ったということです。このあとは取締役ではない局長の人事、部長や専任部長の人事が掲載されていますが、書き写しません。かいつまんで取り上げるとtbc気象台長に佐藤正則さん、松尾武アナがアナウンス部専任部長、報道部専任部長に横山義則さん、テレビ制作部専任部長に尾崎尚之さん、といったおなじみの名前があります。この春から天気予報にまさくん(佐藤正則予報士)が戻ってきて気象台長だった尾崎さんがいなくなったのはこの異動のためだと分かります。アナウンス部専任部長と言えばぢゅんごさんが就いていた役職ですが、今回の人事に佐々木淳吾という文字はありません。たぶん現在も専任部長なのではないでしょうか。専任部長が二人いたとしてもラジオのリスナーには何の関係も無いことです。)

取締役に嶋田氏 エフエム仙台 (5月27日付より)

 エフエム仙台仙台市)は24日の取締役会で、嶋田幸生読売新聞社メディア局専門委員が非常勤取締役に就く役員人事を内定した。児玉聡専務、松崎靖子取締役総務局長、藤田和昭非常勤取締役はそれぞれ退任する。6月24日の株主総会と取締役会で正式に決定する。
(※なぜか決算短信は5月26日付、人事の記事は5月27日付と分けて掲載されました。児玉氏は河北新報出身らしい、ググったら文化通信.comで『FM仙台役員人事/新取に河北新報児玉氏』(2015年05月21日)と出てきました。松崎氏はググってもわからなかったのでプロパーなんじゃないかな。藤田氏は着任当時は読売テレビの人だったはずなのだけど、秋田テレビ取締役に就くという人事短信で肩書が読売新聞東京本社メディア局ネットワーク戦略委員会事務局次長となっていました。)

宮城テレビの社長に玉井氏 (5月28日付より。5月31日付紙面に訂正記事あり)

 宮城テレビ放送仙台市)は27日の取締役会で、社長に玉井忠幸日本テレビホールディングス上席執行役員が就任する役員人事を内定した。大沼裕之社長は取締役会長に昇任する。6月23日の株主総会と取締役会で正式決定する。
 取締役に大沢陽一郎読売新聞西部本社執行役員編集局長、浦山靖博総務局長、昆野俊行編成業務局長が就任する。佐藤久朋、佐藤みえ子の両常務は退任し、それぞれ非常勤の監査役と顧問に就く。尾崎和典常務は6月20日に辞任し、福島中央テレビ副社長に選任される予定。
 非常勤取締役に杉山美邦日本テレビ放送網社長執行役員、亀井昭男カメイ副社長が就く。非常勤取締役の大久保好男、高橋啓之、早坂浩仁の3氏は退任する。監査役の後藤吉郎氏は退任する。
(※玉井氏の顔写真と略歴が掲載されていますが書き写しません。読売新聞出身で19年日本テレビホールディングス常務とのことですが、2018年に読売新聞東京本社取締役メディア局長から日本テレビ放送網に取締役執行役員として入ったようです。)
(※退任する方のうち、大久保氏は言わずと知れた日本テレビホールディングス会長かつ日本民間放送連盟会長ですがいずれも6月で退任予定。日本テレビホールディングスは巨人軍オーナーでもある山口寿一読売新聞グループ本社・東京本社社長が取締役会議長(非常勤)、杉山社長が会長執行役員という体制になる予定。高橋氏はカメイ専務執行役員、早坂氏は日本テレビの人。後藤氏はたぶんプロパーだと思う。福島中央テレビに異動になる尾崎氏はもともとは読売新聞の人。)
(※読売新聞社は2002年7月に読売新聞グループを再編。持ち株会社読売新聞グループ本社」の下に、読売新聞東京、大阪、西部の3本社と読売巨人軍中央公論新社の計5社を配する基幹6社体制、2021年3月によみうりランドを加えた7社体制となっている。訂正記事は大沢氏の所属で西部本社の文字が欠けていたというもの。これに倣えば前出のエフエム仙台の嶋田氏の肩書は正しくは読売新聞東京本社メディア局と思われます。)

特別顧問に竹内氏就任 仙台放送 (6月1日付より)

 仙台放送仙台市)は31日の取締役会で、竹内次也取締役相談役が退任して常勤の特別顧問に就く役員人事を内定した。6月30日の株主総会と取締役会で正式決定する。
 竹内氏はフジテレビジョン出身で2006年から仙台放送社長、17~19年に会長を務めた。
 高荒治朗仙台放送エンタープライズ社長が取締役に、塚越裕爾フジテレビジョン執行役員が非常勤取締役にそれぞれ就任。平山準一常務が非常勤取締役となり、仙台放送エンタープライズ社長に就く。

日本経済新聞のwebではひとり多く掲載されています。

2022年5月31日 17:07
(6月30日)取締役兼仙台放送エンタープライズ社長(常務)平山準一▽編成業務局・営業局・東京支社・関西支社・ニュービジネス開発局・デジタルメディア推進局担当(報道制作局担当兼報道制作局長)取締役氏家裕介▽取締役報道制作局担当兼報道制作局長(執行役員仙台放送エンタープライズ社長)高荒治朗▽取締役、塚越裕爾▽特別顧問(取締役相談役)竹内次也
(※平山氏の担務が氏家氏に移るということでよいのかな。)
(※塚越氏はフジテレビジョンでも取締役に就任予定。昨年非常勤取締役に就いた犬竹紳晃氏は昨年フジテレビジョンでも取締役に就いており、常務取締役に昇任予定。フジテレビジョン港浩一社長に大多亮専務って、馴染みの名前にワクワク感があります。)

おまけ。

40代の放送局長青森など8人に NHK管理職人事 (6月2日付の4面(総合面)より)

 NHKは1日、7月1日付などの管理職人事を発表した。若手管理職の主要ポストへの積極的な登用を進め、40代の地域の放送局長は過去最多の8人となる。
 NHKでは年功序列によらずに人材を抜てきする「基幹職選抜プログラム」を2021年度に導入し、その合格者を中心に若手を主要ポストに配置。40代の放送局長が新たに就任するのは青森、大分の2局。既に発表があった、さいたま放送局長(4月25日付)は現在42歳で最年少という。
 本部の経理局とメディア総局クリエイターセンターでは、34歳の職員2人が管理職となる。
 社会部長に女性が初めて起用されるなど、管理職に占める女性の割合も向上。21年7月から約0.6ポイント上昇の12.1%になる。
 ◇NHK人事(15日)福島放送局長(報道局専任局長)細田修二▽広島放送局付(福島放送局長)半沢治久▽(20日仙台放送局長(報道局スポーツセンター長)辻村和人▽青森放送局長(仙台放送局副局長)中村円香▽名古屋放送局付(青森放送局長)戸沢冬樹▽(7月1日)地域改革支援局長(仙台放送局長)神田真介
(※このところNHKは職制を積極的にいじっていて、これまでの放送総局が4月からメディア総局に変更され、総局長は正籬副会長の兼務だったのが4月25日付で林理恵専務理事が担当することになりました。新任の理事である熊埜御堂朋子、山内昌彦の各氏がそれぞれメディア戦略本部長、副部長として林氏と共にコンテンツ力の強化を図るのだそうです。地域改革というのは拠点放送局(この名称は4月以降使うのをやめにしたらしいが)の下にあるそのほかの局(地域放送局)の組織改正を図ることという理解でいいのかな、東北ブロックが先行実施されているのでその成果を他ブロックに生かすために仙台放送局長が地域改革支援局長に異動になるということなのだろうと邪推します。)

決算東北 22年3月期(増減は前期比)

(※日付は発表日。基本的に翌日付の河北新報経済面に掲載されます。)

(23日)
◆売上高9.9%増
 東日本放送仙台市) 売上高9.9%増の63億32百万円▽経常利益88.8%減の30百万円▽純損益52百万円の黒字から8億80百万円の赤字
 CM、イベント収入が前年より回復し増収を確保。新社屋移転に伴う減価償却費計上などで経常減益。旧社屋売却に伴い純損失を計上した。

(25日)
◆売上高6.0%増
 東北放送仙台市) 売上高6.0%増の68億99百万円▽経常損失5億23百万円から91百万円に赤字縮小▽純損益1億5百万円の黒字から28百万円の赤字
 東京五輪パラリンピックの追い風を受けてCMが伸びて増収。新型コロナウイルス感染問題の影響が残り純赤字を計上。

(24日)(※掲載は5月26日)
◆売上高4.4%増
 エフエム仙台仙台市) 売上高4.4%増の6億94百万円▽経常損益35百万円の赤字から1百万円の黒字▽純利益97.4%減の48万円
 事業、広告収入が持ち直し増収を確保した。

(27日)(※掲載は5月28日、5月31日付紙面に訂正記事あり)
◆純利益2.2倍
 宮城テレビ放送仙台市) 売上高4.3%増の76億90百万円▽経常利益91.1%増の6億76百万円▽純利益2.2倍の4億58百万円
 新型コロナウイルス禍で落ち込んだCM収入が回復した。

(31日)
◆売上高6.4%増
 仙台放送仙台市) 売上高6.4%増の72億9百万円▽経常利益7.9倍の5億73百万円▽純利益80.2%減の4億77百万円
 新型コロナウイルス禍で落ち込んでいたスポットCM、事業収入が回復。純利益は前期にあったNTTドコモ株売却益の反動などで減。

 
※昨年も書きましたが注意喚起のために再び。東北放送仙台放送が昨年NTTDoCoMoの株を売ったのは決してコロナで収入が減ったのを補うためではなく、NTT本体がドコモを完全子会社化したことによるNTT側の都合です。お間違え無きよう。
東日本放送旧社屋の土地・建物は隣接する東北生活文化大学を経営する学校法人三島学園が購入し、東北生活文化大学双葉ケ丘キャンパスとなりました。
双葉ヶ丘キャンパス誕生! - 東北生活文化大学・短期大学部
余談ですが、三島学園が泉区虹の丘*1に引っ越す前に建っていたのは若林区清水小路(1913-1974)。そこはつい最近まで仙台市立病院があり(1980-2014)、東北学院大学の泉キャンパス・多賀城キャンパスを統合する新キャンパスが建設中です(2023-)。で仙台市立病院も東日本放送太白区あすと長町に移転しました。偶然です。

最後に昨年との比較を表にまとめておきましょう。(金額の単位は百万円)

  売上高 経常損益 純損益
東北放送 6506→6899(6.0%増) ▲523→▲91(赤字縮小) 105→▲28(赤字化)
仙台放送 6779→7209(6.4%増) 72→573(7.9倍増) 2407→477(80.2%減)
ミヤギテレビ 7374→7690(4.3%増) 354→676(91.1%増) 205→458(2.2倍増)
東日本放送 5760→6332(9.9%増) 274→ 30(88.8%減) 52→▲880(赤字化)
エフエム仙台 664→694(4.4%増) ▲35→1(黒字化) 18→0.48(97.4%減)

*1:当時の地名は泉市上谷刈