在仙放送局の貸借対照表など 2023

今年も宮城テレビ放送東日本放送エフエム仙台の決算公告が官報に掲載されたようです。
こんなことに興味をもったのは、東日本放送が新社屋を建て旧社屋の土地建物を売却したこと、宮城テレビ放送が将来の移転先かもしれない土地を買ったこと、それが貸借対照表の資産の欄に現れるであろうという点にありました。
この1年にそんな大きなトピックは無かったはずなので別にもう読まなくてもいいのですが、一度手を付けてしまうと毎年やらないのが悪いような気がしてきて、今年もやります。
決算公告から貸借対照表の要旨を書き写し、前期、前々期と比較したものです(エフエム仙台は前々期が見つからないので前期のみ)。なお、仙台放送は自社webサイトに当期を含め過去5年分の貸借対照表を公開しているので官報には公告を出していません。東北放送はより深い内容の有価証券報告書財務省に提出し公開されています。

宮城テレビ放送

令和5年6月26日(号外 第133号)87ページに6月23日付で載っています。

資産の部 第52期(前々期) 第53期(前期) 第54期(当期)
流動資産 6,625,994 6,482,770 6,967,099
固定資産 11,887,042 12,424,962 12,268,368
 有形固定資産 3,370,132 5,603,935 5,460,392
 無形固定資産 95,394 96,224 78,404
 投資その他の資産 8,421,516 6,724,803 6,729,572
資産合計 18,513,036 18,907,732 19,235,467
負債及び純資産の部 第52期(前々期) 第53期(前期) 第54期(当期)
流動負債 1,107,678 1,163,020 1,263,917
固定負債 210,372 210,269 213,404
負債合計 1,318,050 1,373,289 1,477,321
株主資本 17,050,245 17,449,212 17,715,742
資本金 300,000 300,000 300,000
利益剰余金 16,750,245 17,149,212 17,415,742
 利益準備金 75,000 75,000 75,000
 その他利益剰余金 16,675,245 17,074,212 17,340,742
 (うち当期純利益 205,936 458,967 326,531
評価・換算差額等 144,741 85,231 42,403
純資産合計 17,194,986 17,534,443 17,758,145
負債・純資産合計 18,513,036 18,907,732 19,235,467

※金額の単位は千円です。(うち当期純利益)は金額も括弧書きで表されています。

東日本放送

令和5年6月22日(号外 第131号)64ページに6月22日付で載っています。

資産の部 第47期(前々期) 第48期(前期) 第49期(当期)
流動資産 4,930 5,255 5,397
固定資産 8,008 8,481 8,060
資産合計 12,938 13,736 13,458
負債及び純資産の部 第47期(前々期) 第48期(前期) 第49期(当期)
流動負債 3,063 1,163 1,240
固定負債 377 4,037 3,772
負債合計 3,441 5,201 5,012
株主資本 9,422 8,502 8,414
資本金 1,000 1,000 1,000
利益剰余金 8,422 7,502 7,414
 利益準備金 250 250 250
 その他利益剰余金 8,172 7,252 7,164
評価・換算差額等 74 32 31
 その他有価証券評価差額金 74 32 31
純資産合計 9,497 8,535 8,445
負債・純資産合計 12,938 13,736 13,458

※金額の単位は百万円です。東日本放送損益計算書の要旨も載っていますので、貸借対照表の中に当期純利益の項目がありません。

第47期(前々期) 第48期(前期) 第49期(当期)
売上高 5,760 6,332 6,408
売上原価 2,678 3,116 3,448
売上総利益 3,081 3,215 2,959
販売費および一般管理費 2,823 3,151 3,004
営業利益 258 63 45
営業外収益 26 15 14
営業外費用 10 48 35
経常利益 274 30 66
特別利益 - 13 16
特別損失 5 922 14
税引前当期純損益 268 ▲879 ▲64
法人税・住人税及び事業税 61 1 1
法人税等調整額 154 0 △16
当期純損益 52 ▲880 ▲48

※単位は百万円。「-」は該当項目の記載がなかった。▲はマイナス。本稿では純損益と書いている欄ですが、プラスであれば当期純利益となるべき項目です。前期、当期はマイナスのため当期純損失と表記が異なっています。
また、今期は法人税等調整額が△表記になっており、平たく言えば還付を受けその分だけ収入が増えたということのようです。

エフエム仙台

令和5年6月27日(号外 第134号)93ページに6月26日付で載っています。
当期(第42期)と前期(第41期)の比較です。

科目 前期(第41期) 当期(第42期)
流動資産 1,811,111 1,165,931
固定資産 321,021 984,577
繰延資産 1,710 1,350
資産の部 合計 2,133,843 2,151,859
流動負債 82,584 82,245
固定負債 70,725 62,982
株主資本 1,967,321 1,995,111
 資本金 480,000 480,000
 資本剰余金 20,000 20,000
 利益剰余金 1,467,321 1,495,111
  利益準備金 58,000 58,500
  (うち当期純利益 480 32,789
評価・換算差額等 13,211 11,520
負債及び純資産の部 合計 2,133,843 2,151,859

※枠が小さくて、資産と負債・純資産を左右に並べるのではなく本稿のように上下に並べています。余計なお世話ですが、東日本放送のような貸借対照表損益計算書の要旨をを載せるタイプの公告と比べて、エフエム仙台のような貸借対照表の要旨の資産と負債・純資産を左右でなく上下に並べるタイプの公告は掲載料金がおよそ半額で済みます。宮城テレビ放送のような貸借対照表の要旨の資産と負債・純資産を左右に並べる一般的なタイプの公告は前二者の中間くらいの掲載料金となっています。
※金額の単位は千円です。
在仙放送局の決算・人事など 2023 - みむめもーどで紹介した新聞発表の数字では経常利益1→ 35(23.2倍)純利益0.48→32(68.3倍)ってどういうこと? となるのですが、金額の単位が百万円から千円に細かくなると純利益の0.48→32は480→32789なのだとわかります。経常利益は貸借対照表からは分からないんですけどね。固定資産の額が大きく増えていて、新聞発表にあった『中継に使う送信機の更新の減価償却費が減少し』がここに現れているのかなと思います。


このあとひとつ余計な話をしようと思っています。
利益剰余金が増えればそれは純利益ではないのかということから株を持っていると配当はいくらもらえるのかという話なのですが、書いていたらホントに余計な話になったので稿を分けます。