宮城テレビ放送と東日本放送の2021年度の決算公告が官報に掲載されているのを先日取り上げました。
帝釈天 - みむめもーど
私の興味は、東日本放送が新社屋を建て旧社屋の土地建物を売却したこと、宮城テレビ放送が将来の移転先かもしれない土地を買ったこと、それが貸借対照表のの資産の欄に現れるであろうという点にありました。そのため貸借対照表そのものをまるまる取り上げるということはしませんでした。
そのせいで正しい推論ができずコメント欄に書いたコメントが正しいものでなくなってしまったという意見が寄せられました。
仕方がないので貸借対照表を書き写します。
なお、調べている過程で偶然にも当期のエフエム仙台の決算公告を見つけてしまいましたので、ついでに書き写します。こちらは決算公告を取り上げている一般のサイトでは見つけられないので(過去の官報を検索する公式サービスは有料会員制です)前年との比較はできません。
宮城テレビ放送
資産の部 | 第51期(前々期) | 第52期(前期) | 第53期(当期) |
流動資産 | 6,472,874 | 6,625,994 | 6,482,770 |
固定資産 | 11,694,333 | 11,887,042 | 12,424,962 |
有形固定資産 | 3,820,532 | 3,370,132 | 5,603,935 |
無形固定資産 | 60,100 | 95,394 | 96,224 |
投資その他の資産 | 7,813,701 | 8,421,516 | 6,724,803 |
資産合計 | 18,167,207 | 18,513,036 | 18,907,732 |
---|---|---|---|
負債及び純資産の部 | 第51期(前々期) | 第52期(前期) | 第53期(当期) |
流動負債 | 969,796 | 1,107,678 | 1,163,020 |
固定負債 | 229,496 | 210,372 | 210,269 |
負債合計 | 1,199,292 | 1,318,050 | 1,373,289 |
株主資本 | 16,904,310 | 17,050,245 | 17,449,212 |
資本金 | 300,000 | 300,000 | 300,000 |
利益剰余金 | 16,604,310 | 16,750,245 | 17,149,212 |
利益準備金 | 75,000 | 75,000 | 75,000 |
その他利益剰余金 | 16,529,310 | 16,675,245 | 17,074,212 |
(うち当期純利益) | 426,776 | 205,936 | 458,967 |
評価・換算差額等 | 63,605 | 144,741 | 85,231 |
純資産合計 | 16,967,915 | 17,194,986 | 17,534,443 |
負債・純資産合計 | 18,167,207 | 18,513,036 | 18,907,732 |
※金額の単位は千円です。(うち当期純利益)は金額も括弧書きで表されています。
また、その他利益剰余金の前年度との差分とうち当期純利益の額は一致しません。宮城テレビ放送ではその差額はおよそ60,000千円となりますが、その額は主に株主配当の原資となります。在仙他局より額が大きいので、別の支出があるのかもしれませんが、それは私にはわかりません。
東日本放送
資産の部 | 第46期(前々期) | 第47期(前期) | 第48期(当期) |
流動資産 | 5,854 | 4,930 | 5,255 |
固定資産 | 5,072 | 8,008 | 8,481 |
資産合計 | 10,927 | 12,938 | 13,736 |
---|---|---|---|
負債及び純資産の部 | 第46期(前々期) | 第47期(前期) | 第48期(当期) |
流動負債 | 1,047 | 3,063 | 1,163 |
固定負債 | 429 | 377 | 4,037 |
負債合計 | 1,476 | 3,441 | 5,201 |
株主資本 | 9,410 | 9,422 | 8,502 |
資本金 | 1,000 | 1,000 | 1,000 |
利益剰余金 | 8,410 | 8,422 | 7,502 |
利益準備金 | 250 | 250 | 250 |
その他利益剰余金 | 8,160 | 8,172 | 7,252 |
評価・換算差額等 | 40 | 74 | 32 |
その他有価証券評価差額金 | 40 | 74 | 32 |
純資産合計 | 9,450 | 9,497 | 8,535 |
負債・純資産合計 | 10,927 | 12,938 | 13,736 |
※金額の単位は百万円です。東日本放送は損益計算書の要旨も載っていますので、貸借対照表の中に当期純利益の項目がありません。えっ、無いならお前が書け? めんどくさいなぁ。前回掲載したものをコピペ。
第46期(前々期) | 第47期(前期) | 第48期(当期) | |
売上高 | 6,911 | 5,760 | 6,332 |
売上原価 | 3,135 | 2,678 | 3,116 |
売上総利益 | 3,776 | 3,081 | 3,215 |
---|---|---|---|
販売費および一般管理費 | 3,425 | 2,823 | 3,151 |
営業利益 | 351 | 258 | 63 |
営業外収益 | 26 | 26 | 15 |
営業外費用 | 4 | 10 | 48 |
経常利益 | 373 | 274 | 30 |
特別利益 | 41 | - | 13 |
特別損失 | 2 | 5 | 922 |
税引前当期純損益 | 412 | 268 | ▲879 |
法人税・住人税及び事業税 | 121 | 61 | 1 |
法人税等調整額 | 16 | 154 | 0 |
当期純損益 | 274 | 52 | ▲880 |
※単位は百万円。「-」は該当項目の記載がなかった。▲はマイナス。本稿では純損益と書いている欄ですが、プラスであれば当期純利益となるべき項目です。当期はマイナスのため当期純損失と表記が異なっています。
また、その他利益剰余金の前年度との差分と当期純利益・純損失の額は一致しません。東日本放送ではその差額は40百万円となりますが、その額は株主配当の原資となります。
エフエム仙台
当期(第41期)のみです。6月24日付ですが、官報では6月27日(号外第137号)97ページにあります。枠が小さくて、資産と負債・純資産を左右に並べるのではなく本稿のように上下に並べています。
科目 | 金額(千円) |
流動資産 | 1,811,111 |
固定資産 | 321,021 |
繰延資産 | 1,710 |
資産の部 合計 | 2,133,843 |
---|---|
流動負債 | 82,584 |
固定負債 | 70,725 |
株主資本 | 1,967,321 |
資本金 | 480,000 |
資本剰余金 | 20,000 |
利益剰余金 | 1,467,321 |
利益準備金 | 58,000 |
(うち当期純利益) | 480 |
評価・換算差額等 | 13,211 |
負債及び純資産の部 合計 | 2,133,843 |
資産の部に「繰延資産」という項目があります。ググると、とあるサイトでは『繰延資産とは、本来は費用として計上されるべきものを少しずつ費用化する資産』と解説しています。だったらわずかばかりでも黒字が出たことにしたくて費用の計上を繰り延べた、本来なら1710-480=1230千円の赤字決算になっていたかもしれなかったのだろうか、と考えては人聞きが悪いかな。