「ラジオマニア2021」レビュー

10月28日は例の本の発売日ですが、まだ読んでいないので8月17日に発売された「ラジオマニア2021」について紹介しておこうと思います。

三才ブックスのサイトに紹介されている紹介文はこんな感じ。

ソフトからハードまでコアな情報が満載!

AM、FMを中心に「ラジオ」について広く情報を扱う。ラジオリスナーが普段から思っているような疑問を氷解させるような記事が中心。「放送局の裏側」「ラジオ界全体の話題」「受信テクニック」「ラジオ受信機の話題」がおもなテーマ。

そういえば去年は受信機の話題が多かったような気が。
今年の表紙はいにしえの名機SONYスカイセンサー5900。杜せきのしたのハードオフで2万5千円くらいで売ってたのを見たことがあるけどググってみたら別の店舗で26500円(税込み)で売ってるらしい。別に今号にスカイセンサーの特集があるわけでは無いのだけど。文字で埋め尽くされた表紙にピンクの太い文字で『とびきりのラジオ体験!』と書いてあるので、その象徴としてのスカイセンサーなのかな。

扉のページに改めて表紙と同じスカイセンサーのグラビア。どこかの池でボートの上に置いてみたという感じの構図。そんでもって目次があってその次は「ラジオマニアニュース」(真面目なラジオ業界の話題)に「ラジオ局超ローカルニュース」(B級ニュース的な話題)。東北放送からは「GoGoはみみこい」の「蔵出しアナログセレクション」で取り上げたことで盛り上がった松居直美さんの話題が、Date fmからは「RAD」のワタナベ智之さんの話題が取り上げられています。ガチャガチャコレクターとして知られるワッキー貝山さんの話題が宮城県ではなくワイド番組を持っているFM山形から取り上げられています。
お次は巻頭インタビュー。オテンキのりさんが10ページ1万字。「レコメン!」を担当して10周年!(予定)だそうで、もうそんなに経つのかと驚かされます。生い立ちから学生時代のことから「深掘りインタビュー」と銘打っているだけのことはあります。
巻頭カラーページはこの後、「Malahit DSP SDR」という謎のハイテクラジオの6ページレビュー、「トイラジオ」と称される一見おもちゃのようにも思える3000円で買える小型ラジオ11機種のレビュー6ページ。聞いたことないメーカーばかりだけど、こういうのを見つけてくるのがマニアだなぁと思います。

モノクロページになって第1章「ラジオ番組をもっと楽しもう!」。
で、初めに取り上げられるのがTBSラジオの新コロ対策について。そう言われればアクリル板を最初に導入したのはTBSラジオだったかな。今や定番だもんな。これに限らず様々な対策について担当者のインタビューがあります。
お次は「ジャパネットたかた」ラジオショッピングを担当されている方々へのインタビュー。臨機応変というか当意即妙というかそういう裏側が垣間見れます。
その次はAM局がAMを棄ててFM局になろうとする、いわゆる2028年問題に関する考察。楽しい話題ではないですけどね。最後は気分を変えて「radikoで聴きたい各局イチ押しプログラム!」。東北放送からは「ロジャー大葉の愛してJ-POP天国」、Date fmからは「SESSION!」が紹介されています。今や全民放ラジオ局がradikoに加盟していますから、radikoプレミアムに課金すれば他県の番組を自由に聴くことができるので面白いものを探したい人は試してみると良いと思います。そういえばこの秋、岡山県佐々木真奈美さんの「あっぺとっぺファーマシー」が評判になっているようです。RSK山陽放送のワイド番組で他県の番組を紹介するコーナーがあるらしくて取り上げられたみたいです。

中面のカラーページ、まずは恒例の「1局集中ガイド」。
今年はオーナーが代わってFM局を名乗りだした「LuckyFM茨城放送」。オーナー変更やFM補完放送といった歴史面やスタジオの設備面の紹介はもちろん、元局アナである阿部重典社長をはじめ番組を持っているパーソナリティたちのインタビューが多数あります。お笑いコンビ・オズワルドのお二人が5月からヒットチャート番組を始めたりしているのですね。本誌では触れられていないのですが『吟詠百選』とか『ラテンフォルクローレをご一緒に』とか他のラジオ局には無いような音楽の長寿番組があるのも特色だったりします。
カラーページのもうひとつは「食券ボタンで選局する券売機型FMラジオの製作」。あたおか、もといユニークなラジオで。ガチャガチャに食券のボタンのシリーズがあるんですって? それをラズベリーパイPicoというコンピュータ、DSPのFMラジオモジュールをつなぐとできるんだそうです。興味のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。私は電気工作はまるっきしの素人なのでちょっと無理かな。

またモノクロページに戻って第2章「受信機材使用レポート」。
まずは「高性能FMチューナー入門」。FMラジオというよりはオーディオ機器という趣のVHSビデオデッキみたいな形状のやつです。radikoより音質の高い地上波の放送を楽しむため、どうやって中古のFMチューナーを入手するかといったところから始まって、主な機種のレビュー、録音機器とのつなぎ方まで紹介しています。
お次は「SDR事始め」。SDRというのはパソコンのソフトウェアを使って受信するラジオと言いますか、専用の受信機をパソコンにつないでパソコンで聴きたい電波の信号だけ取り出して聞くと言いますか…。ある専用受信機とSDRソフトを使っての受信例が紹介されています。
そのあとは、中国のメーカーTECSUNの短波ラジオ「PL-330」輸出版の詳細なレビュー、同じくTECSUNのテレビのリモコンのような見た目のラジオ「PL-368」のレビュー、米国製のループアンテナ「MFJ-1886」のレビュー、台湾のメーカーSANGEANのハイエンド機「ATS-909X2」のレビュー、揚げ句はTECSUNのハイエンド機「H-501x」、同じく「PL-990」、米国Etonの「Elite Traveler」、これも米国なのかなCountyCommの「GP5/SSB GEN3」(見た目「PL-368」ぽい)の4機種とAIWA「AR-MDS25」との比較と続きます。

第3章「受信に役立つテク&情報」。
まずは「FM送信所の地理的大研究」。都道府県別に計上しその多寡を論じたりNHKのFM補完放送についてまとめたり。
次に「2021年版短波BCLの最新動向」。短波放送も流行らなくなってきているのだけど、中国だけは動きが活発化しているのだそうです。
その次は「お手軽スペアナで電波を見てみよう」。スペアナ、スペクトラムアナライザーというのは音波でいうところのオシロスコープのように電波の分布をグラフ化して見られるようにしたものという説明で合ってるだろうか。1万円で買えるお手軽なスペアナを使ってみようというもの。使い方や機能の説明がされています。
最後に巻頭にもあった「ラジオ局超ローカルニュース」のB面。ここでもDate fm「RAD」のワタナベ智之さんの話題が出ています。

第4章「ラジオハイパーマニアックス」。
「車中ラジオ充実化計画」はクルマの中でFM補完放送やradikoを聴くための工夫が紹介されています。
「英国のラジオ事情を探ってみた!」ではイギリスのラジオ雑誌の紹介やラジオ放送に使われる電波の種類(デジタルラジオや長波もある)、BBCのラジオチャンネルが13もあることなど、タイトルの通りラジオ事情について。日本と違うところも多いようです。
ラジオ番組表アーカイブ」は88年春号より東名阪のAM局のうち7局だけ。TBSラジオの土曜がガラッと変わり、土曜ワイドのパーソナリティが吉田照美さんになったときです。ちなみに真裏の文化放送の土曜ワイドは伊東四朗さん。まだ二人の親父が熱愛になる前でした。
なんだか最後はあっさりしたものになったような気が…。

別冊付録「RADIO-MANIA handbook 2021-2022」もいつもどおりあります。先日ここ最近の予備免許についてあれこれ調べている過程で『受信・聴取に役立つ ラジオパーフェクト手帖2021』という電子書籍が出ていることを知りました。無料サンプル試し読みをクリックしてみたら、これが「RADIO-MANIA handbook」そのもの。分売されていたとは知らなかった。別冊付録だけが欲しい人は探してみてください。ちなみに本誌は別冊付録込みで1650円(税込み)、別冊付録の電子書籍は330円(税込み)です。