いまさら「ラジオ番組表」レビュー 2020秋

例年通り10月27日に発売された三才ブックス刊「ラジオ番組表」の2020秋号のレビューを書かないまま12月になってしまいました。
この秋は地方AM局の秋改編は9月28日にスタートし、大阪MBSラジオの秋改編は12月1日スタートと2か月の幅ができてしまいました。しかし、なんということでしょう、「ラジオ番組表」2020秋号には10月27日発売にもかかわらず12月からのMBSラジオのタイムテーブルが掲載されているのです。
(そうは言ってもさすがに木曜夜に「(調整中)」という2時間の枠があります。MBSラジオのサイトではこの枠に読売テレビを定年退職された森たけしさんの1時間番組に今流行りの山之内すずちゃんの30分番組、橋本愛ちゃんの30分番組ができることが発表されました。また、土曜夜のハロプロの番組、さんまさんの「MBSヤングタウン」の直後に上泉アナの番組が入っていたのが日曜最終番組の後ろに異動になり、元ハロプロ鞘師里保さんの番組がスタートすることになりました。この上泉アナの番組の異動のためか、日曜夜にあったSTU48薮下楓さんの番組が11月で終了したようです。8月にスタートしたばっかしだったようですが。MBSラジオの正式なタイムテーブルはMBSラジオのサイトからダウンロードできますのでご入用の方はそちらからどうぞ。)
では改めまして、「ラジオ番組表」2020秋号を見ていきます。

ラジオ番組表2020年秋号 (三才ムック)

ラジオ番組表2020年秋号 (三才ムック)

  • 発売日: 2020/10/27
  • メディア: ムック
表紙の顔はモーニング娘。’20の佐藤優樹さん。秋号は「読者が選ぶ好きなDJランキング」の発表がありますので、表紙の顔になっているということはそういうことです。その話は巻末で。
表紙をめくると恒例のMBSラジオの広告とMBSラジオ出演者のインタビュー。今回は「アキナの週刊ヤングフライデー」を担当されているお笑いコンビのアキナのお二人。番組の魅力について語られています。
「番組改編トピックス」は基本的にキー局の全国ネットの新番組について触れる場所。今回はニッポン放送ナイターオフ枠、NHK第一の土曜デーゲーム枠、FM東京JFNTBSラジオそれぞれの秋の新番組、文化放送ナイターオフ枠、ラジオ日経の秋の新番組の計7枠があります。文化放送だけはローカル番組なんですけどね。
ローカル番組の改編情報は「AM改編NEWS」にて。東北放送からはスポーツアナが担当する夕方の新番組「シロクジTUNE」(シロクジチューン)が紹介されています。今回気になったのは茨城放送の新しいオーナーになった方の番組、南海放送代表取締役会長の番組、ラジオ沖縄前社長(取締役相談役)の番組と経営者がDJを務める番組が増えていること。南海放送の会長さんは元局アナで人気DJだった方ですから何の問題もありませんが、ラジオ沖縄の相談役さんは初めてのラジオ番組だそうで。ラジオ沖縄は技術スタッフがDJを務める番組を作ったり(IBC岩手放送がこの秋から類似の番組を始めたようです)新しいアイデアをいろいろ考えているようです。
この次の見開き2ページには特別企画「radiko全盛の今だからこそ…時には電波でラジオを聴こう!」。私もradikoで聴くことのほうが多くなってるな。radikoより電波で聴くほうが音質がいいはずなんだけどね。電波ってなに? AMとFMって何が違うの、って思う人は読んでみてほしいです。
巻頭カラーページの最後は「三才ブックスオンラインショップ」の広告。優待クーポンのお知らせもあるのだけど、有効期限が11月27日まで。もう過ぎてしまった。

目次のページからモノクロームになります。データの見方の凡例でサイマル放送の部分がradikoプレミアムだけになってしまいました。JFN系列のドコデモFMもといWIZ RADIOが9月30日で終了したのかな。JFN系列全局がradikoプレミアムで聴けるようになったので意義が薄れた部分はあるでしょうね。で、JFNのJ.Y.Parkがauに、えっ、違う、お前のダジャレはつまらん。ごめんなさい、正しくはJFNのサイトJFN PARKがAuDee(オーディー)に模様替えしてJFNFM東京の一部の番組はポッドキャスト感覚で聴けるようになったのかな? でもそれはサイマル放送とは違いますからね。NBCラジオ佐賀だけが空欄でFM徳島もきちんとradikoプレミアムと表示されています。NHKらじる★らじるをやっててそれは記載されています。
番組表は6月末にFM局が2局亡くなったため前号より2局減の103局掲載。プロ野球シーズンが延びて10月現在でプロ野球中継をしているはずの局でもナイターオフの番組を載せているところが多くて、その極端な例は本稿冒頭に述べた12月スタートのMBSラジオですが、ナイター中継のままになっているのは文化放送ニッポン放送ABCラジオぐらいなことに驚きました。
TBCラジオはナイター枠の場所に「11月5日までTBC POWERFUL BASEBALL」と一行入れていますがナイターオフの番組が書かれています。RCCラジオも同じ方式です。
ニッポン放送ABCラジオナイターオフの番組表を局のサイトからダウンロード可能ですが、文化放送はダウンロードできないのです。金曜朝ワイド「なな→きゅう」パーソナリティの鈴木あきえちゃんが産休で高橋みなみさんに代わったこととか、火曜夜の「近藤真彦 くるくるマッチ箱」が大人の事情で放送休止になり、この秋からアシスタントについていた契約アナウンサーの松井佐祐里さんが独りで「松井佐祐里“new normal”の小部屋」という番組を始めることになったことは当然本誌の発売に間に合わなかったわけで、文化放送の番組表もダウンロードできればいいのになと思うのです。まぁそれができるようになれば「ラジオ番組表」誌を購入する意味は何? と言われかねないのですが。
それと、9月にJFN系列の特別会員になったInterFM897が11月からJFN系列の月ー木の午後ワイド「Seasoning」のネットを開始するなど、JFN系列の番組のネットを増やしています。これも本誌には間に合わなかったのでInterFMのサイトから番組表をダウンロードして確認することになります。
NHKは第一、第二、FMすべて2ページずつという大展開。隔世の感があります。FMでは「ゆうがたパラダイス」月曜に出演するグループ名は新しくなっていますが、水曜パーソナリティは元のまま…。改編から本誌発売までの間にこんなことになるとは思いもよらないことですからね。現在らじる★らじるのサイトからダウンロードできる「顔写真入り番組時刻表」は「ゆうがたパラダイス」の部分が番組ロゴのみとなってしまい、水曜はもちろんのこと月・火・木も顔写真が無くなっています。番組公式ブログを見ると水曜は音楽ジャーナリストの鹿野淳さんとラジオDJ藤田琢己さんが週替わりで担当されるそうです。
ラジオNIKKEIのあとはAFN東京の番組表、海外日本語放送スケジュール、全国336局コミュニティFMリスト、最新版全国放送局周波数リスト全国AM番組ネット局一覧表、50音別タレントINDEX、と続きます。
コミュニティFMについて。埼玉県川越市の局の予備免許には間に合っています(「2021年2月開局予定」とあります)が埼玉県深谷市の局の予備免許には間に合いませんでした(載っていません)。一方、岡山県津山市に2局あった内の1局の閉局発表に間に合わず掲載されています。公式発表の無いまま閉局したと思われる長崎市に2局あった内の1局は掲載されたまま。このページのデータは中継局の出力など公式発表がないと以前のものそのままというものが少なくないので、来春号にもそのまま載っていたりして? 9月に閉局した埼玉県志木市の局は「2020年11月以降に再開」と書かれてあり、実態がいまいち明らかではない後継会社ではなく従前のクローバーメディアのままになっています。本書発売時点で予備免許は下りているものの開局していない局のうち栃木県真岡市の局は予定通り11月15日に開局しましたが、「2020年11月開局予定」とある秋田県大館市の局と「2020年秋開局予定」とある千葉市の局はまだ開局していないはずです。そういう事情で336局となっています。
かつて拙blogのメインコンテンツ(笑)だった「全国AM番組ネット局一覧表」正誤表の作成は令和になったこともあって止めにしたのですが、誤りは少なくなっているのでしょうかね。今号では前号もそうでしたが50番組が取り上げられています。
「50音別タレントINDEX」は前号では2ページだったのですが今号では4ページに戻りました。前号までは行間をぎちぎちに詰めて細かくびっしりという印象だったのですが今号では行間が広がってパラッとした感じに見えます(決して内容が薄まったのではありません)。
モノクロームのページの最後は奥付のページ。読者投稿のページでもあります。ラジオの聴取率調査では首都圏の各ラジオ局の聴取率の合計が順調に減っている世の中ですが、ラジオ放送を愛している人は確かにいるのだということがわかります。

巻末カラーページはまず「FM改編ニュース」。Date fmからは「定禅寺ブギー」の水曜日の放送がTHE ARNOLDSという在仙のガールズバンドの担当になったことが紹介されています。FM山形からは吹奏楽部を紹介する新番組が紹介されているのですが、パーソナリティがかつてTBCラジオで日曜の午後ワイドを担当していらした伊藤こず恵さんという名前に懐かしさを覚えます。
そして本誌秋号恒例の「読者が選ぶ好きなDJランキング」の結果発表とインタビュー記事。もう第13回になるのね。表紙を飾っていたモー娘。佐藤優樹さんはAM部門の1位ということで2ページのインタビュー記事になっています。そのほかAM部門の2位、3位、FM部門の1位、2位、コミュニティ部門の1位、2位の方々のインタビューが載っています。
通常ならFM部門の3位までインタビューが載るのですが、今回3位の矢島舞美さんの番組は放送していたFM PORTの閉局に伴い6月で終了してしまいました。インタビューがないのはそのせいかと思われます。ちなみにFM部門の4位は春号の中間発表の時点では2位に着けていたふくしまFMの加藤漢太さんでした。
票数を見るとコミュニティ部門の上位の方々の票数が結構多かったようです。AM部門では投票された人数はかなり多いのですがその分票数は分散したようで、佐藤さんの票数は全部門を通じてもトップなのですが2位以下の方々はコミュニティ部門だと下位になってしまう票数です。
投票券(本書1冊につき10枚)は奥付のページにありますので適宜切り取ってはがきに貼り付けて送れば誰でも誰にでも投票できます。投票されたものをその担当番組がAM、FM、コミュニティFMのどれで放送されているかによって編集スタッフが手作業で分類して各部門の順位を集計しています。なので、AM局とFM局で別々に番組を持っている方だと票が分散することがあります。
裏表紙裏は三才ブックスの「ラジオマニア2020」と「ラジオ受信バイブル2020」の広告。裏表紙は前号久しぶりについた一般企業広告、音響芸術専門学校という専門学校の広告が前号に引き続き掲載されています。ありがとうございます。

付録。前号、24年ぶり! についた別冊付録、女性ラジオパーソナリティに特化した「ラジオ局別 女性パーソナリティ名鑑2020」の男性版「ラジオ局別 男性パーソナリティ名鑑2020」が今号には付いています。このため今号も通常より高い¥1,200(+税)となっております。
前号の女性版は64ページありましたが、今号の男性版は48ページ。男性パーソナリティって少ないんですかね。
東北放送は他局と比べると比較的多め。50音順に飯野アナ、石川太郎さん、伊藤アナ、黒田アナ、佐々木アナ、菅生アナ、松尾アナ、守屋アナ、根本アナ…あれっ50音順じゃないや、根本アナのフリガナが「のもと」になってるし。気を取り直して林田アナ、福井弘文さん、古野アナ、ロジャー大葉さん、渡邉敏之さんの全14名掲載。前号が男性版だったら安田立和さんも載ったのに「Radio倶楽部」が続いてたらなぁ。と思ってから、あれっ後藤アナが載ってないと気付くのでした。後藤アナは水曜のラジオカーに乗ってレギュラー出演しています。一方、菅生アナはテレビの夕方のニュースが主でラジオは野球実況とたまに定時ニュースぐらいでラジオのレギュラーはありません。
じゃ他局も野球実況のアナウンサーを載せてくれてるのかと思うと文化放送ニッポン放送、ラジオ日本の野球実況専門職のアナウンサーたちは載っていません(一般番組も担当しているアナウンサーは載っています)。野球中継がない前提の秋号だからなのかな、春号だったら実況アナウンサーたちも載ったのだろうか。ここは残念なところです。
このさじ加減は各放送局の裁量なのでね、bayfmFM東京なんてあなたたちラジオパーソナリティというよりミュージシャンだよねお笑い芸人だよね声優だよねと突っ込みたくなるのですが、ラジオ番組を担当していればラジオパーソナリティに違いありません。複数の局で担当されていると複数回載ることがあります。しもぐち☆雅充さんはABCラジオα-StationFM大阪の3回、伊藤政則さんはbayfmFM FUJIFM802の3回出てきます。
ところでDate fmは…は? 聴いたことないので知らないいんだけど、こういう名前でラジオに出てるの? 「ワタナベ智之a.k.aDJあげまんじゅう」さんと「中村マサトシa.k.aDJサラー・Me」さん。それぞれ趣味・特技の欄にワタナベさんはバンドマン、中村さんはミュージシャンって、それ本職じゃないの? それでいて局アナだったはずの浅野彰信さんや井上崇さんは載ってない。パーソナリティ名鑑だから局アナは適さないと勘違いしたのかな。ちなみにDate fmのwebサイトのパーソナリティのページにはワタナベさんや本間秋彦さんなど7名の男性が載っていますが中村さんは載っていません。まだ謹慎させられているようです。

来春号は何か別冊付録が付くのかな、アイデアのある人は投稿すると採用されるかもしれません。新コロの混乱を今春経験したので来春は何かあっても予定通り4月27日に発売されることかと思います。