「ラジオ番組表」2022秋号レビュー

プロ野球シーズンが終わり、本格的なラジオのシーズンになりました。そんなラジオのお供に三才ブックス刊「ラジオ番組表」、2022秋号は10月27日に発売されました。

表紙の顔は、首都圏のFM局を名乗っている「LuckyFM茨城放送」、そこのアナウンサー菊地真衣さんです。局アナが表紙を飾るのは2020春号の森谷佳奈さん(山陰放送)以来2度目ですが、その2020春号の女性アナウンサー特集で菊地さんは取り上げられており、業界内で注目度が高いアナウンサーのひとりではあります。
表紙の裏は恒例の「ポチっとMラジ」、MBSラジオの番組バナーが散りばめられた広告。おとなりはMBSラジオの注目番組インタビュー。今回は『メッセンジャー黒田のチラシダス』を担当される3人。メッセンジャー黒田さんが新聞の折り込みチラシをテーマにあれやこれやと雑談を繰り広げる番組を企画し、昨秋のナイターオフ番組として放送したらギャラクシー賞を受賞したのだそうです。MBSラジオ阪神タイガースの成績に係わらずプロ野球日本シリーズを中継するので今秋のナイターオフは11月からスタートすることになります。
その昔東北放送のワイド番組で似たようなコンセプトのコーナーがあったような気がするのですが、彼も大阪出身でした。だから大阪らしい企画だなぁと思って読んだのですが、ありそうでなかった番組なんですね。放送局に届けられる新聞にはチラシが折り込まれていない、おじさんはチラシを読まない、日々チラシをチェックしているであろう奥様方はおっちゃんよりラジオを聴いている人が少ないらしい。『おばちゃん魂』を持った芸人、女性フリーアナウンサー、男性局アナという異なる立場の3人が集まることで話題が広がっていくようです。いろいろと気づきのあるインタビュー記事でした。
巻頭カラーの番組情報はまず「番組改編トピックス」。この枠は主に在京キー局の全国ネットの番組が紹介されるページなのですが、今回はちょっと並びが異なります。トップがニッポン放送ナイターオフ全国ネット枠の紹介なのは恒例のことですが、JFNの新番組紹介が左下と定位置の右上の2枠を占めています。文化放送TBSラジオラジオNIKKEIの新番組情報もありますが、それより大きく紹介されているのが別冊付録の紹介!

そう、今号も別冊付録が付いて1320円(税込み)なり。今回は『ラジオ番組表+α』。
題字と「普段紹介できていない局の最新タイムテーブルを一挙掲載!」とだけ書かれた殺風景な表紙をめくると、なんと「超!A&G+」のタイムテーブル。あったんだ。局のサイトにもフリーペーパー『fukumimi』にも「超!A&G+」のタイムテーブルを見たことが無かったので驚きでした。紙のど真ん中、水曜16時30分には「ラジラブ!」って書いてあります。えっ、急に打ち切られるおそ松な終わり方をした番組がある? 知らん、本誌は10月の基本番組表を扱う雑誌だ、10月27日発売なのに10月24日に打ち切られたなんて情報が間に合うわけがないだろ。
次のページはミュージックバードのコミュニティチャンネルのタイムテーブル。これはミュージックバードのサイトでダウンロードできるものです。なとらじ801やエフエムいわぬま、エフエムたいはくといった地方のコミュニティFM局は基本的にこの時間割に従って配信を受けています(もちろん全時間帯自社制作だったりJ-WAVEの配信を受けている局はその限りではありません)。
お次のページは「FMいるか」! 函館にあるコミュニティFM局第1号、この冬開局30周年を迎える日本で一番古い局の番組表です。ラジオ石巻など(中国地方と沖縄を除く)各地のコミュニティFM局の番組表が29局分掲載されています。来年3月で閉局する尼崎市のFM aiaiの番組表を入れたのはグッジョブです。
最後のページにはコミュニティFMのインターネットサイマル放送について説明されています。radikoとは歴史も種類も大きく異なるのでややこしいのですが、まずは紹介されている大手のプラットフォームのサイトや各局のサイトにアクセスしてみると良いと思います。
この企画は今回限りなのかな。コミュニティFMって本誌巻末のコミュニティFMリストによれば全国で340局あるのだけど順繰りに紹介しようとしたら340÷29≒11.7なので6年かかる計算になる。

本誌のレビューに戻ります。
「AM改編NEWS」は全国37局と少なめ。それもこれもFM局化しようとほぼすべてのワイド番組を横文字の番組に変更した東海ラジオが1ページの3分の2というかつてない紙幅を占めているせい。こんな時はページ数を増やしてもいいんじゃないのかなと思ったり紹介されない局は本当に改編情報が無いのかなと思ったり。東北放送からは新番組(?)『ミスDJリクエストパレードTOHOKU』が紹介されています。
目次の前の読みものは「ラジオ番組投稿テクニック」。ラジオを聴きながらいつも同じ奴のメールばっかし読みやがってと気を悪くして愚痴を書き込んでいるような輩はこれを読んでメールやはがきを送ってみればいいんじゃないですか。『01.読みやすさは正義である』。ううぅ、耳が痛い。

三才ブックス刊行物のご案内で巻頭カラーページが終わり、目次のページから白黒になります。
民放AM47局にNHK(ラジオ第1、第2、FMで3局と数えます)に民放FM51局、それとラジオNIKKEIで計102局の今秋期のタイムテーブルが掲載されています。MBSラジオは前述の通り日本シリーズが終わってからナイターオフ編成がスタートするので、本誌掲載のものは簡易的なものになっています。コーナー名やスポンサー名、出演者の顔写真が入ったちゃんとした番組表は局のサイトからダウンロードできます。
そういえば東北放送は今期からラジオタイムテーブルのpdfをアップするのをやめたようです。本誌ではじめてナイターオフ改編の全貌を知ることができました。と言ったそばから11月改編があるわけですが、5ちゃんねるで「みむめもの駄文はよ」とせっついている人もいるようなので、改編の感想は後日書くつもりです。
NHKラジオ第一の番組表で平日朝の「マイあさ!」の出演者の名前が一名間違っているような気がしますが、本誌編集時点ではそうだったのです。10月27日に「体調不良」になったんでしたっけ、10月31日に降板が発表され、現在「らじる★らじる」のサイトからダウンロードできる番組表では彼の名前も顔写真も削除されています。

ラジオNIKKEIまで102枚のタイムテーブルが終わると、AFN東京の大まかな番組表に続いて各種データのページに移ります。海外日本語放送スケジュール、全国340局コミュニティFMリスト、最新版全国放送局周波数リスト、全国AM番組ネット局一覧表、50音別タレントINDEX。
かつて拙blogのメインコンテンツだった「全国AM番組ネット局一覧表」の粗探しは令和になって止めたのですが、とりあえず眺めはじめると早速2局しかネットしていない番組が目に入って、何で2局ネットの番組を載せてるんだ、もっと多くの局でネットしている番組を載せればいいのに、例えば『宮本笑里のクラッシータイム』(水18:20~18:30、7局ネット)とか、とぶつぶつ言いながらその番組名に目をやると『アンジュルムステーション1422』・・・あっ、これTBCラジオでネットしてるじゃないか(金20:00~20:30)。これはイカンと東北放送の欄を見てみると、すぐ隣『上柳昌彦あさぼらけ』(火~金4:30~5:00)が無い。そして『キョートリアル!』(月22:30~23:00)が抜けています。『キョートリアル!』は春号に続いて2期連続です。実はもうネットしていないのかな。
白黒ページの最後は読者投稿「リスナーの主張」やプレゼントのお知らせ、「イチ推し番組・DJランキング」の応募券8枚などがあります。プレゼントと言えば、本誌のプレゼントではSONYのSRS-XB13というBluetoothスピーカーが1名様に当たるのですが、本誌のweb版ともいえるサイト「ラジオマニア.net」の公式TwitterでもSONYサウンドバー HT-S100FとBOSEのSoundLink Color Bluetooth speakerという機種が各1名様に当たるキャンペーンを実施中です。11月7日正午締め切りなのでTwitterをやってる方は応募してみてはいかがでしょうか。
Twitterプレゼント企画もチェック!!「ラジオ番組表2022年秋号」は10月27日発売!│ラジオマニア.net

巻末カラーページはまず「FM改編NEWS」。全国38局のローカル番組の情報が詰め込まれています。Date fmからは新番組ではなく、仙台フィルハーモニーオーケストラのコンサートマスター、西本幸弘さんの「TOHKnet Sound Pizz.」と月-木の午後ワイド「RAD~Radio All Day」が紹介されています。両番組のロゴと西本さんの顔写真も出ています。しかし何でこの2番組を選んだのかな。
その隣には栃木県のRADIO BERRYの番組紹介で『ラップ兄弟が仙台に見参!』という見出しが出ているのだけど、どぼぢで栃木県の番組で仙台に見参なんだろう。P.O.Pというラップグループのメンバーで上鈴木兄弟という宇都宮市出身のお二人の番組なんですけどね。

最後は第2回「イチ推し番組DJランキング」結果発表。前回から好きなDJの投票を1年間かけて募集するのではなく毎号テーマを設けて次号で結果発表する形式に変更されました。今春号で設定されたテーマは地方番組部門と名アシスタント(パートナー)部門の2つ。
そのうち地方番組部門で1位に輝いたのがLuckyFM茨城放送の火曜夜の番組『菊地真衣のこんなんで、いいのかYO!?』でした。菊地真衣アナウンサーのもう一つの番組である土曜ワイド『4ME』も地方番組部門6位。自分がメインの番組でなくても金曜の午前ワイド『HAPPYパンチ!』(メインパーソナリティは、たかとりじゅんさん)のアシスタントを務めていて名アシスタント(パートナー)部門で2位と、八面六臂の大活躍をされています。というわけで2ページのインタビュー記事が掲載されています。
地方番組部門からは2位のFM大阪の金曜深夜の番組『おふらじ!EX』を担当されているお二人のインタビューが1ページ、3位4位5位7位の4番組の紹介などが1ページ。名アシスタント(パートナー)部門からは1位となったモーニング娘。'22の横山玲奈さん(MBSラジオ明石家さんまMBSヤングタウン」のレギュラーパートナー)のインタビューが1ページ、3位から6位の4名の紹介や談話などが1ページという構成になっています。
名アシスタント(パートナー)部門の投票結果のまとめに「地方番組部門」投票結果と書かれているのは編集スタッフにとって痛恨だったと思われます。またかつては1票のものであってもノミネートされたものはすべて掲載していたのが今号では少数意見は割愛となりました。これも本来の語義の通りやむを得ず惜しみながら省いたものと思います。次号からモノクロページでもいいからページ数増やしたらどうですか?
今回募集する新しいテーマは「声優パーソナリティ部門」と「ワイド番組部門」。ただし条件があって、「声優パーソナリティ部門」は県域放送局と「超!A&G+」が対象(「超!A&G+」以外のネットラジオや動画・音声配信サイトとコミュニティFMは対象外)、複数名はNG(と言うことは声優ユニットもダメなのでしょう)。「ワイド番組部門」は90分以上の枠がある朝、昼、夕方の番組。だからJUNKとかオールナイトニッポンとかはダメ。鶴光さんが夕方ワイドか夜ワイドかどっちなのってのは意見が分かれるところかもしれません。

裏表紙裏は「三才ブックスオンラインショップ」の宣伝。11月26日まで有効の500円オフクーポンが発行されるコードが書いてあります。裏表紙は今号も「音響芸術専門学校」の広告が出ています。出稿ありがとうございます。