プロ野球開幕のTBCラジオを振り返る

プロ野球が戻ってきました。
開幕翌日、6月20日付の日刊スポーツには開幕6試合のテレビ実況をされたアナウンサーの第1球の実況を書き起こし記事にしています。
日テレ田辺アナ「15秒の沈黙」無言で語る覚悟 - プロ野球 : 日刊スポーツ
横浜ベイスターズに関しては何故かTBSテレビの初田啓介アナとtvkテレビの吉井祥博アナのインタビューが載っています。吉井さんってIBC岩手放送にいらした方ですよね。
TBS初田アナ、実況できることに「感謝」 - プロ野球 : 日刊スポーツ
テレビ神奈川吉井アナ、ベイ党の心に寄り添う - プロ野球 : 日刊スポーツ
楽天イーグルスに関してはビジターゲームになった開幕戦も翌週の本拠地開幕戦もいずれもNHK仙台の塚本貴之アナが実況したはずなのですが、開幕戦は仙台ローカルで総合テレビのサブチャンネルだったので東京でテレビを見ながら記事を書いているのであろう記者は知るはずもなかったのでしょう、契約さえしていれば全国で見られるJ SPORTSの実況が採用されたようです。
そんなわけで、どうやら8年ぶりらしいですが今季の楽天の開幕戦のテレビ中継はNHK仙台ミヤギテレビは巨人戦を楽天戦に差し替える暴挙をせず、巨人の開幕戦を見ることができました(今年のミヤギテレビは本拠地開幕戦で巨人戦を楽天戦に差し替えました)。
しかしながら、記事にある田辺研一郎アナの15秒の沈黙に私は気が付かなかったのでした。その時私はTBCラジオ「TBC POWERFUL BASEBALL」のオープニングを聴いていたからです。
じゃあTBCラジオ楽天の開幕戦の第一球をどんなふうに伝えたか。第一球投げました、ストライク! って程度なもので、特筆すべき何かがあったというわけではありませんでした。
今年の開幕戦の実況を担当したのはABCラジオ(テレビ)の伊藤史隆アナ。マー君ハンカチ王子高校野球の決勝と再試合のテレ朝系列の実況を始め大きな試合を何度も経験しているベテランのアナウンサーです。史隆さんといえば、震災直後に楽天が主催ゲームとして甲子園で対オリックス3連戦をやったことがあって金曜、土曜はABCラジオの制作でTBCラジオ向けに放送する裏送りだったのだけど、日曜はラジオ関西の企画でラジオ関西TBCラジオの2局ネットとなりABCラジオの実況は流れませんでした。その日曜日(2011年4月17日)の実況予定だったのが史隆さんです。それから9年の時を経てTBCラジオ向けオリックス戦実況をやっと担当することができました(2018年8月2日にABCローカルで担当しているがこの日はネットワークの違いからかTBCラジオは中継しなかった)。
もしかしてTBCラジオではなくRakuten.FM TOHOKU(楽天野球団が運営するコミュニティFM局)の実況を聴いていれば何かドラマチックなことを言ったりしていたのかもしれませんが、そちらは球場のある仙台市宮城野区周辺以外ではインターネット配信で聴くこととなり、それにはradikoタイムフリーのような機能はありませんので、今から調べようとしても遅いのです。
開幕戦の中継で特筆すべきことがあったとすれば、中継開始前と終了後にTBCラジオのスタジオとの掛け合いがあったことでしょう。
中継開始前は夕方ワイド「NEW NEWS」の終盤の枠でパーソナリティのお笑いコンビ、ニードルの二人に飯野雅人アナが加わった3人で大阪ドームとつなぎ、史隆さんと福本さんと今シーズン開幕についてちょっとしたトーク宮城球場からのホームゲームだとTBCラジオの実況アナウンサー、解説者とつないでの時間があるのですが、ビジターゲームでは珍しいことだと思います。中継するのがTBCラジオ1局だけであること、開幕戦であることがあったのかもしれません。
そして中継終了後、TBCラジオから飯野アナが大阪ドームに呼びかけ。史隆さんと福本さんと試合を振り返った後大阪ドームから中継を引き取り、TBCラジオのスタジオから改めて飯野アナが試合を振り返り。まるでHBCラジオ。ナイタークッションの自社番組を止めてしまったTBCラジオでこのような応対は初めてのはずです。
土曜日は昨年までだとデーゲームクッションとなる「あっつあつ☆らじお」を13:58ぐらいまで3分程度やって宮城球場へ渡していたのだけど、今年の第2戦はそれがなく、13:55から大阪ドーム。15時台は競馬中継で函館、阪神、東京の3場のメインレースが出走する都度野球は中断。競馬が終わるごとに競馬の間の試合経過を北條アナが伝えます。16:56頃に中締めのような提供スポンサーのアナウンス。radikoタイムフリーの番組表は17時を境に2つに割ってあります。試合は延長戦となって放送終了は18:31。「Radio倶楽部」はプロ野球開始初週から短縮放送となったのでした。この番組は楽天の応援はしますが実況との掛け合いは日頃からやっていません。
日曜日。第3戦は競馬中継による中断は無し。G3競走があった日なのに。しかし試合終了は15:34。もし競馬中継があれば中継の真っ最中だったわけで、よくぞ競馬中継を入れなかったものだと感心します。楽天が負けたのでヒーローインタビューは放送されず大阪ドームからの中継終了は15:41、番組も15:44で終了し16時まで今季初の「ベースボールストーリー」発動となりました。いつもは16時から55分番組の「吉田照美神羅万SHOW」を16:25開始の短縮バージョンにして「ベストミュージックコレクションジャパン」を用意しておく念の入れようだったのに。
「ベストミュージックコレクションジャパン」は火曜から金曜のナイタークッション枠「TBCナイタージャンクション」の21:30-21:49の部分に放送されていて、5分単位で放送時間をどうにでも調整できる造りの番組のはずです。「ベースボールストーリー」だって野球中継後の穴埋めに5分単位で放送時間をどうにでも調整できる造りになっています。もし野球中継が16時から16:24の間に終了していたら「ベストミュージックコレクションジャパン」と「ベースボールストーリー」のどちらを放送するつもりだったのでしょう。興味があります。
さて、日曜日の中継の最後に特筆しておいた方がいい発言がありました。
「またチャンスありましたら、TBCパワフルベースボール大阪からもお届けします。」
まぁ社交辞令なんでしょうけどね。また次の機会にって言って次の機会があったためしなんてないですからね。
オリックス主催ゲームの楽天戦は9月、10月、11月にそれぞれ3連戦がひとつずつ用意されています。9月、10月は巨人と阪神ソフトバンク日本ハムの試合が同時に行われるので、このどちらかが放送されそうな気がします。11月は順調に日程が消化されれば今季最終戦となるカードですが優勝争いをしていなければ中継されることなく今季の野球放送が終了するかもしれません。次の機会は来るのでしょうか。


気を取り直して本拠地開幕戦にも触れておきましょう。
TBCラジオの実況は飯野雅人アナ。18時の時報直後の第一声は
プロ野球に一喜一憂する、そんな日常が帰ってきました。イーグルスは今日がホーム開幕戦です。」
(番組名とスタッフの紹介があって)
「スタンドにはファンの姿がありません。そして試合開始前のセレモニーも国歌斉唱もなければ始球式もなしということでまぁいつもとは違うんですけども、上岡さん、まずは第一歩踏み出せましたね。」
と解説の上岡良一さんに話しかけ番組が動き出していきました。試合は18:02頃スタートしましたが、第一球については第一球投げました、ストライク! って程度なものです。
もし「熱血スタジアム イーグルスナイト」が再び放送されることがあれば飯野アナのこのアナウンスが流れることになるのでしょう。そういう事がもう無いように、新コロなんてことがもう起こらないことを願います。
ラジオはradikoタイムフリーがあるので後日聴くことができます。テレビ(ミヤギテレビBS1)の実況は見ていないので分かりません。


いちおうデータ的なことを5ちゃんねるやWikipediaなどから簡単にまとめておきます。
「TBC POWERFUL BASEBALL」は基本的にオリックスとロッテのビジターゲームは中継しません。開幕戦は特別なのでやりますが、大阪だと・・・調べてみると2010年3月20-21日は朝日放送のアナウンサーによる実況、2017年3月31日-4月2日はTBCスポーツアナウンサー乗り込みでABCラジオの解説者と組んでの実況だったようです。
今回もラジオはABCラジオの制作。スタッフはいずれもABCラジオの野球解説者、アナウンサー*1でした。
6月19日(17:59-21:29)解説:福本 豊 実況:伊藤史隆 リポーター:北條瑛祐
6月20日(13:55-18:31)解説:中西清起 実況:北條瑛祐 リポーター:福井治人
6月21日(13:00-15:44)解説:有田修三 実況:中邨雄二 リポーター:小西陸斗
ちなみにRakuten.FM TOHOKUの「EAGLES BASEBALL GAME SHOW」は
6月19日(ナイター) 解説:川岸 強 実況:鈴木光裕
6月20日(デーゲーム)解説:聖澤 諒 実況:鈴木光裕
6月21日(デーゲーム)解説:森山 周 実況:鈴木光裕
こちらは現地から送られてくる映像を見ながら実況し解説を入れるオフチューブ方式だったはずなのでオリックス戦やロッテ戦も普通に放送できます。今回の解説者はいずれも楽天イーグルスアカデミーベースボールスクールのコーチ(つまり球団関係者)、鈴木アナは文化放送を定年退職後宮城県出身という縁もあって実況を担当し、現在は統括責任者という立場でもあるようです。
ヒーローインタビューは3試合ともなのかな、中島原野さんというフリーのスポーツアナウンサーらしき方が担当されたみたいです。(ググってもこの方の情報がほとんど出てこず、藤田原野さんという競輪実況をされていて既に亡くなられたフリーアナウンサーさんの情報が上位に出てくるのです。)
テレビ中継は
6月19日(NHK仙台) 解説:武田一浩 実況:塚本貴之 リポート:池野健
6月20日仙台放送) 解説:礒部公一  実況:下山由城
6月21日(TBCテレビ)解説:上岡良一 実況:守屋周
というスタッフだったようです。実際の番組を見ていないのでオフチューブだったのか現地乗り込みだったのかは分かりません。

*1:細かいことを言えばABCラジオのアナウンサーはABCテレビの所属。めんどくさいので今回は細かい事には触れない。