気分転換

blogだけの不調がとうとう実生活上の仕事にも差し支えるようになってきてしまいました。
できるはずの作業が満足にこなせずがっかりして帰宅し、食事も風呂もトイレもせずにほぼ丸1日眠り、ある程度疲れが取れたような気がしたので古川までお出掛けしてきました。
主目的は『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観ることです。わざわざ古川まで行かなくても仙台駅東の「チネ・ラヴィータ」でもやっているのですが「シネマリオーネ古川」では平日午前中の朝1回目の上映ということで割引料金で見られるので、名取から古川まで仙台市内の通勤ラッシュの真っ只中を突っ切って2時間のドライブ。カーナビが運転から2時間経過したので休憩しませんかと呼びかけるので、ちょっと足を延ばして古川市民病院の跡地にできた「道の駅おおさき」に寄る。開店前でトイレしか開いてなかった。昨年7月にできたばっかしということで、キレイ。

肝心の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』ですが・・・、前作からすずさんとリンさんとの関係の部分が書き足されるとは聞いていたので、あぁそういう事だったのかという種明かしを確認したという感じ。すずさんのオンナの部分を見てしまったような感覚。セックスシーンもあったし・・・ってすずさんをヤらしい目で見るな、みむめも! ごめんなさい。すずさんはロリってるというか実年齢としても幼いわけで、前作では若いのに知らない土地にお嫁に行って大変だわねという感じで観たのだけど、今作では夫の元カノ(?)への嫉妬心にモヤモヤしながら暮らしているわけでそれもそれで大変だわねという感じ。逆に前作から割愛されたカットもあるような気がする。前作は「チネ・ラヴィータ」で1回と日本映画専門チャンネルの初回放送で1回見ただけだから、単に気がするだけ。
3時間近い長丁場を最後までだれずに観られるか不安だったので日頃は買わないポップコーンを買って臨み、太極旗はためく頃には食べ終わったのだけどそんなに長い気はしなかった。ただ観終わって立ち上がろうとしたら膝が固まって立ち上がれなかった。歳か。しばし膝をマッサージしてガラガラの部屋を後にしました。

行きたかったお店その1「もちべえ」。「TBC夏まつり」とかの出店で見つけるとおだんごを美味しく頂いていたのですが、実際のお店に行って食べてみたかった。国道4号バイパス沿いにあります。お餅やお菓子などの販売スペースの脇にそれるとイートインスペースがあります。いきなり食べ放題に挑戦する勇気は無かったので、ずんだとあんこと雑煮のお膳をば。美味しく頂きました。次来るときは食べ放題に挑戦してみます。

街中に戻って、まだ行ったことのなかった吉野作造記念館に行ってみました。妙にだだっ広いスペースがありその向こうにコンクリートながらどこか大正時代ぽい感じもする建物があります。平日の昼下がりだからなのか常設展示の見学のお客さんは私一人だけ。展示物を誰にも邪魔されずにじっくり眺めることができました。
吉野作造と言えば民本主義であり大正デモクラシーなわけですが、その礎になったのはキリスト教だというのは知りませんでした。茶畑高校の前身も前身、宮城県尋常中学校に入るために古川から仙台に出るのですが、古川から勉学のために仙台に出る初めての少年だったのですね。仙台二高も古川高校もまだ無い時代の話です。で旧制二高でキリスト教に出合い奥さんに出合い、子育てしながら東大で勉強って聞くとただの偉い学者さんじゃないんだって驚きます。驚くと言えば大正デモクラシーの時代にも今でいうネトウヨみたいな人たちはいて、といっても当然ネットはありませんから右側の立場から民本主義を批判する人たちを相手に討論会を開いたりなんてしてるのね。たとえ天皇主権であったとしても人々のことを考えてというのが民本主義なのだけど、その人々とは日本人だけでなく朝鮮人であってもというのも驚くところ。三・一独立運動(昔は三・一暴動って呼んでなかったっけ?)では朝鮮人に好意的で、関東大震災でも朝鮮人を守れという立場だったそうな。キリスト教から来るのであろう平等の思想がこんなところにも及んでいたのでしょう。
吉野作造が亡くなった年に満州事変。1933年というのは時代の曲がり角だったのでしょうか。1937年に吉野作造の弟、吉野信次が近衛文麿内閣の商工大臣に就任したことを報じる新聞も飾ってありました。井上ひさしについての展示もあり、なぜ? と思うと生前この記念館の名誉館長だったそうで、作造、信次兄弟をテーマにした戯曲も書いていたのだそうです。もうひとつなぜ? と思ったのは吉野作造オリジナルコーヒーを売っていたこと。吉野作造かるただったらそりゃそういうものもあるだろうなと思うわけですが。
思ったよりも長居をしてしまい、次の行き先でちょっとつまづくことになります。

行きたかったお店その2「とり菊商店」。目の前を緒絶川が流れ藤棚が建ち、たぶん藤の咲く季節には綺麗なんだろうなと思います。車で行けなくはありませんが歩いて散策したい感じの場所にあるお肉屋さん。このブログで古川でお肉屋さん、皆まで言わなくても分かりますね。もちろん「ぼんやり~ぬTV」の足跡シールが貼ってあります。入ると意外とがら~んと・・・すでにキャベツメンチカツは売り切れてる。夕方4時ごろだったんですけどね。前もって電話していただければお取り置きしますという事でした。コロッケはまだあったのでコロッケを買いました。見た目何の変哲も無いのですが外はカリッと中はトロっと。美味しかったです。

最後は古川の東隣の田尻にある、加護坊山へ鉄塔を観に。レストハウスコミュニティFMの送信アンテナがあるらしいのだがよく分からない。駐車場には大崎市防災無線の鉄塔。そこから東に進むと道幅が狭くなったぐらいのところに宮城県の無線中継所があって、もっと進むともう一つ鉄塔があって(表札は無い)、さらに進むと地デジの涌谷中継局の鉄塔があります。カーナビを見るといつのまにか大崎市ではなく涌谷町になっています。ここからぬかるんだ分かれ道の向こうに牧場らしきものがあるのだけど、そこにも何やら鉄塔らしきものが建っていました。これはパラボラは無いのだけど、いったい何用のものなんだろう。たぶん私有地だから勝手に入るわけにはいかない。ただ鉄塔があるなぁということだけを見物して麓に下りました。2時間かけて帰宅です。