河北新報「2022新春トップインタビュー」より

河北新報では今年も1月3日から6日の4日間の朝刊に、地元企業のトップや大手企業の仙台支社長のインタビュー240人分が掲載されました。
その中から在仙民放テレビ4社の社長とJ:COM仙台の局長のインタビューのうち私が興味を持ったところをかいつまんで取り上げます。
なお、インタビューの全文は2月28日まで河北新報のニュースサイトから読むことができます。
例年拙blogに問い合わせがあるので先に書いておきますが、NHK仙台放送局エフエム仙台、仙台CAT-Vのトップはインタビュー対象になっていません。


(50音順)

昨年7月より名取市仙台市青葉区の一部3万世帯にサービスエリアを拡大した。コロナ禍でインターネットサービスの重要性がより高まる中、当社のサービスは高評価をいただいている。ケーブルテレビやインターネットだけでなくモバイルや電力、保険などの暮らしに寄り添うサービスの提供に力を注いでいく。
(※私の家にも昨年J:COMが「名取市」と「栗生・愛子」にサービスエリアを拡大したというチラシが届きました。てっきり名取市はCAT-Vのエリアだと思っていたのですがCAT-Vのサイトを見ると、なとりりんくうタウン(杜せきのした、美田園)、高舘の一部(ゆりが丘、相互台、相互台東)、愛島の一部(愛島台、愛の杜、愛島郷)だけだそうで、J:COM閖上(高柳、大曲、小塚原、牛野を含む広義の閖上)、美田園、岩沼市に近い堀内を除いたほとんどをエリアとしているようです。)

宮城スタジアムでの五輪サッカーの国際映像を担当できたことはスタッフの技術向上につながったし、やり切ったことは誇り。
震災報道について、これからは提案型の報道も必要になってくるのでは、第一次産業の振興とか。
生活情報は番組をそのまま流すだけでいいのか。デジタルの強みを生かし個々の視聴者に合う情報を配信するサービスの導入を考えている。新しい試みをやりたいときにいつでもできるよう体制を整えていきたい。
(※今年の稲木社長の写真はニューススタジオかな、傍らの縦長のモニターには夕方のニュース「イット」の文字。)

国連「SDGメディアコンパクト」に東北の報道機関で最初に加盟した。震災の伝承、事業を通じた地域振興、本社や荒井ラジオ送信所の太陽光発電をはじめ環境に配慮した企業活動が三本柱。
(※インタビューでは「経営資源と創造的才能をSDGs達成に生かす報道・エンターテインメント企業向けの制度」と紹介されています。のちにエフエム仙台も加盟し、JFN系列で初めてと自社CMで宣伝しています。)
八木山のタワー(テレビ鉄塔)脇の旧社屋(Aサイト)跡地は緑地化しイベント広場の機能を持たせる。一帯を「towerエリア」といい、地デジ化対応で2004年に完成したbサイト、2020年に完成した新社屋cサイトで「tbc」。
(※新社屋について特集されていた「放送技術」2021年1月号を取り寄せて読んだら鉄塔がtサイト、社屋のbサイト、cサイトでtbcだという記述があり、ずっこけました。)
今年はラジオ開局から70年。劇団四季公演を皮切りに多彩な記念事業を展開していく。これからも視聴者・リスナーに信頼していただけるよう、放送を通じ、素晴らしい宮城を次世代へ伝える使命を果たしていく。
(※記事の見出しとしては「宮城の魅力伝える」となっている。)

(新社屋について)社業のすべてをグランドデザインし地域の人が「行ってみたい」と思う局舎を目指した。社屋見学会で人垣ができるほど大勢の人が来てくれて涙が出るほどうれしかった。社屋はお客さまとの交流の場。局全体を前向きに変えるステップにしたい。
2020年4月にニュース速報のネット配信を始めた。ネット社会でテレビ局が生き残るにはこれまでと同じではだめ。速報デスクを置き放送時間に関係なく速報を流すようにしたら年間1億ページビューに。人々の地域情報への渇望感を感じた。結果的にニュース視聴者も増えた。
(今後の展望について)週末のローカルニュース番組や、単発のバラエティ番組をレギュラー化できないか検討している。今年は番組とネット、イベントを連動させて巡航速度に乗せたい。社員には新しいことをやろうと話している。新社屋を舞台に社員の一体感をより高めたい。
(※ほとんどを引用してしまったけど、新社屋移転の高揚感をありありと感じます。そういえばミヤギテレビ以外の3局はネットニュースに力を入れ始めているなと思います。ミヤギテレビは…私はあまり見てないのでよくわからないんですよね。局のwebサイトを見てもそんなにニュースに力を入れているように見えないし。でもevery.は夕方のローカルニュースで視聴率トップらしいし。)

9年連続で年間視聴率3冠。10年連続へ向けて、さらに信頼を得られるよう、より良い放送をしていきたい。
ミヤギテレビダンロップ女子オープンが2年ぶりに開催できた。
現社屋は50年経つものもあり2019年の台風19号で一部浸水した。報道機関の役割を果たすために移転を検討していたが、縁あって泉中央駅に隣接した土地を取得できた。移転時期は未定、どんな形で地元の皆さんに貢献できるのか考えていきたい。


以上です。括弧書き米印の部分は私の感想や補足です。
余談ですが、東日本放送が移転した跡地に関して、「東北生活文化大学短期大学部」の佐藤一郎学長のインタビューの中で『隣接する東日本放送の旧本社の土地と建物を取得するための協議を進めています』という記述がありました。マルチメディアやデザインを学ぶ拠点にする構想を持っているようです。拙blogコメント欄でたびたび指摘されていますが、まだ築30年の建物ですから壊すのはもったいないです。再利用できるのならそれは良いことだと思います。

*1:※見出しは「tbc東北放送」だが、「IBC岩手放送」みたいにアルファベットが社名に入っているわけでは無い。