AM放送やめられるよう民放連が要請へ

三陸鉄道リアス線が開通するというめでたい日の河北新報朝刊の1面に出ていた残念な記事に関してぶつくさ。
これが新聞社によって見出しが違う。表題に掲げたのは朝日新聞デジタルの見出しです。これがまだ救いがある。止めたいところだけが止めると読めるから。

これが毎日新聞のサイトでは有料記事が『AMラジオ 大幅縮小へ ワイドFMに集約』、無料記事が『民放ラジオ縮小へ ワイドFM統合前提』と縮まっていき、産経新聞では『AMラジオ局をFM転換』となり、そして、読売新聞は『「AMを廃止、FMに一本化」…制度改正を要望 』、河北新報も『ラジオのAM放送廃止を要請へ FM一本化』と、AM放送が無くなってしまいます。

見出しの一部を切り取るとこんなことになってしまうわけですが、要望とか要請と付いているわけで決定したわけではありません。したわけでは無いだけど、FM補完放送が始まったときからの既定路線ですからね、FM補完放送を始める→AMとFMの2つをやるのは負担→AMを止めよう→FM局になる、というのは。地デジを始める→従来のアナログテレビ放送と2つやるのが負担→アナログ放送終了というのと似た流れですが、地デジがテレビ局から周波数帯を召し上げるための国策だったのと異なるのは、AM放送を止めたいのは設備更新する金がない経済的事情だということです。
27日に開かれる総務省有識者会議「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」で民放連が表明するのだそうです。
その時に再び記事になるかとは思いますが、FM放送の設備更新の時期になったらその費用が無いから何とかしてと言ったら笑う。
毎日(無料版)の記事には『電波の送出コストや電波利用料の負担が2波分となるため、当初からワイドFMへの一本化を希望する声が多かった。 』という、地デジの時にも聞いた関係者の声が載っています。電波利用料は電波オークションのような周波数を確保するための代金ではなく、職員の事務費(そんなの一般財源から出せよ)や不法電波の監視費用やFM補完放送の補助金の原資という建前なので、総務省もみだりに値上げできないことになっているし放送局にとっても自分たちに戻ってくる部分はあるはずなので負担だと言うのはどうかと思います。それすら経営を圧迫するのであれば経営権を他の人に明け渡すべきです。
産経の記事には『FMはAMよりも電波の到達範囲が狭いため、多くの中継所が必要となる北海道や九州の離島などではFMへの転換が難しい。』と書かれています。北海道は既存の民放FM局でも道内全域をカバーできていないのでその通りかと思いますが、九州の離島はそもそもAM中継局が無いところが大半じゃなかったっけ? NHKについてはFM補完放送と呼ばないことになっていますが、鹿児島県の離島に続々とFM波の中継局を建てています。NHKはせっせと訴訟を起こして勝訴して受信料収入を増やしているからできるのであって、民放にはAMだろうとFMだろうと中継局設置は難しいのでしょう。電波利用料収入の使途のうちFM補完放送の割合を増やしてもらいましょう。そうだ、それがいい。
なお、記事に出ているのは民放の話であって、NHKのAM放送が無くなるわけではありません。
そのNHKradikoで現在行っている実証実験を4月1日から正式なサービスとして配信をスタートすると、3月22日にradiko社から発表がありました。ラジオ第一は現在と同じ8ブロック別の放送、FMは全国どこでも東京の放送。ラジオ第二は3月29日で配信終了、タイムフリー、エリアフリーはこれまで通り非実施。
だったらFMも8ブロック別に選べてラジオ第二もある現状の「らじる★らじる」のほうがよくないか?