NHKの2019年4月番組改編が発表されました

ネット上にNHKの新年度番組キャスター発表があったという記事が出ていたので、仕事前にさらっとNHKのサイトの「放送番組編成計画」を眺めてみたのですが、ラジオが予想以上に大変なことになっていたので、とりあえず仕事に遅刻しない程度にキーボードを叩きつけようと思います。
(正式発表はこちら。NHK INFORMATION「放送番組編成計画」

ラジオ第一(音声基幹波)

ワイド番組の時間枠が大きく動きます。
平日では

  • マイあさラジオ(月-金版)5:00-8:00→「マイあさ!」(5:00-6:30)と「三宅民夫のマイあさ!」(6:40-8:30)の2部構成
  • すっぴん!(8:00-11:50)→30分縮小(8:30-11:50)
  • ごごラジ!(13:05-15:55)→MCが神門光太朗アナから武内陶子アナに交代し30分拡大(12:30-15:55)(※12時台はFMとサイマル放送。「旅ラジ!」が番組表から消えている。)
  • 20時台・21時台の隔週2時間番組(月・火・水)、プロ野球中継(木・金)→20時台、21時台に曜日別1時間番組(※後述しますが、隔週、2時間体制は終了。そして・・・)

土曜だと

  • 石丸謙二郎の山カフェ(9:00-9:55)→1時間拡大(8:05-9:55)(※きこえタマゴは終了?)
  • かんさい土曜ほっとタイム(13:00-15:55)→プロ野球中継(14:05-17:00)(※かんさい土曜ほっとタイムは終了?)

日曜だと

  • 歌の日曜散歩(10:05-11:50)→子ども科学電話相談(10:05-11:50)(※歌の日曜散歩は終了? 土曜の文芸選評は継続)
  • 日曜バラエティー(13:05-15:30)→うたことば(13:05-14:55)(日曜バラエティーは終了?)

(ちきゅうラジオ、らじらー!は継続)

ついに、ついにNHK第一からもナイター中継が無くなります!!
あ、いかん。時間が無い。このモヤモヤは明日帰宅後にぶつけます。では他の2波について。

ラジオ第二(生涯学習波)

東京2020”に向けた英語番組の充実、アジア言語によるニュースゾーンの整備、という2つのポイントを掲げています。
英語番組は昨年新設されているのでそれを継続する形になります。
アジア言語のニュースは具体的にはベトナム語インドネシア語です。これにより月曜から金曜のラジオ第二は中国語(13:00-13:15)、ハングル(13:15-13:30)、ベトナム語(13:30-13:40)、インドネシア語(13:40-13:50)、スペイン語(13.50-14:00)、英語(14:00-14:15)と外国語によるニュース番組が75分間連続することになります。

FM放送(総合音楽波。ただし災害時は地域情報波)

平日夜間帯の“ポップスゾーン”を強化、1年限定で放送する番組を開発、という2つのポイントを掲げています。
1年限定の番組とはマイケル・ジャクソン没後10年に合わせて「ディスカバー・マイケル」(日曜21時台)という番組を作るそうです。これにより「クラシックの迷宮」は土曜に異動し、そこにあった「ヒャダインのガルポプ!」/「AKB48私たちの物語」(隔週放送)は終了するようです。
そのせいか、「miwaのミューズノート」(木曜23時台)は『洋楽女性アーティストにとどまらず幅広い音楽ジャンルを紹介』しますと説明されています。そして、“母と子”をターゲットにした番組として「岸谷香 Unlock the heart」(金曜23時台)を立ち上げるそうです。「きこえタマゴ!」の後継をこのような形で? 土曜朝より金曜夜のほうが訴求力があると判断したのかもしれません。これにより金曜23時台の週替わり番組は一掃されるようです。月-金23時台の番組がラジオ第一16時台に再放送される状態は継続されるようです。
細かいところでは、ラジオ第一から「民謡をたずねて」が「浪曲十八番」の再放送枠だった金曜朝5時台に引越してきます。民謡番組が増えるためか「吉木りさのタミウタ」の月曜朝5時台の再放送が無くなります(替わりはラジオ第一のクラシック音楽番組「音楽の泉」の再放送)。というわけで朝5時台が午前11時台の完全再放送だった状態に変化が生じます。

ふたたび、ラジオ第一について

夜勤から帰宅したので気を取り直して、改めて「国内放送番組 編成計画」のラジオ第一のページを読んでみましょう。
15ページ。総花的なもとい全体的な説明が書いてあるのですが、『幅広い世代の期待に応えるため、番組・時間帯ごとのターゲットを明確にし』だなんて、いまごろ「オーディエンス・セグメンテーション」に気が付いたんですかとツッコみたくなります。たぶんこれまでは「みなさまのNHK」として全世代に向けて幅広く番組を作っていたのだと思います。まさに「全ての日本国民に問います」状態でした。それがこの時間はこんな人に聴いてほしいというターゲットを明確に定めることにしたのですね。ちなみに、「オーディエンス・セグメンテーション」を提唱したニッポン放送Wikipediaページを読むと、『この理論は長らく民放中波ラジオ編成の基本とされてきたが、近年では聴取者の高年齢化や若年層のラジオ離れ、働き方の多様さなどの要素が作用し、理論が当てはまらなくなりつつある。 』と解説されています。
それで、編集のポイントは3点。

  • 平日早朝帯のニュース・情報番組をリニューアル

早朝のワイド番組「マイあさラジオ」を「マイあさ!」に四文字言葉化するのだそうで、その内容は28ページに説明があるのですが、これだけでは現状とどう変わるのかよく分かりません。キャスター発表の資料のpdfを見てすぐに気が付くのは、2人のアナウンサーが隔週で担当するのを止めるんだなということです。男性アナとコンビとなる女性キャスターの名前がありません。これは後から添えるものだから今発表しなくてもよいと考えているのか、まさか男性キャスター1人でやるのか、それは現時点では分かりません。
で、6:30までを担当することになる田中孝宜さんって? pdfには現所属が(文研)と書かれています。NHK放送文化研究所のことです。Wikipediaを見ると国際開発学者と説明されています。博士号を取っているそうです。いや最初はアナウンサーだったようなのですが、国際報道に携わっていたらそういうことになったみたいです。報道色が増すのかな。6:40以降は三宅民夫さんがメインで田中さんはサブとあります。「三宅民夫の」とキャスター名を前面に押し出すのはNHK初かな? 現在7時のニュースを担当している小見誠広アナが引き続きニュース担当。これとは別にスポーツ担当として吉松欣史アナの名前があります。サッカー中継で目にする名前ですが、Wikipediaを見たら仙台局に勤務経験があるそうで。知らんかった。
番組表で気になるのは、朝7時台のローカル枠が7:50-8:00の10分間になっているところ。ただ、7:40にも謎の太線が引いてあるので、地域によっては7:40で飛び降りができたりするのだろうか。

  • 平日夜間帯エンターテインメントゾーンの刷新

『多彩なジャンルの番組をそろえ、若い世代や現役世代の獲得を目指します』って書いてあるんですけどね、「マイあさ!」の説明にも『現役世代』というキーワードが出てくるんです。現役世代ってどんな世代なんでしょうね。ググる国民年金の保険料を払っている20歳から60歳を指すというのですが、大雑把に過ぎませんかね。
それともう一点、興味深いのは『インターネットラジオの「聴き逃し」サービスへの展開を意識した50分サイズのラインナップとし』という点。2018年度は20時台と21時台の2時間で1番組(実際には全国の交通情報や9時のニュースなどで10分間中断するので50分×2の構成になるのだが)ということでやってきたのですが、それを改めるというわけです。具体的には

    • あにげっちゅ(月曜20時台):「パワーボイスA」は隔週火曜の2時間番組だった。タイトルが替わるが出演者も代わるのかどうかは知らない。
    • 又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間(月曜21時台):隔週月曜の2時間番組だった
    • サンドウィッチマンの天使のつくり笑い(火曜20時台):隔週月曜の2時間番組だった
    • A.B.C-Z 今夜はJ's倶楽部(火曜21時台):隔週火曜の2時間番組だった
    • イチ押し歌のパラダイス(水曜20時台):「きらめき歌謡ライブ」は毎週水曜の2時間番組だった
    • 古家正亨のPOP★A(水曜21時台):『アジアの最新音楽をテーマにした、若い世代向けの音楽トーク番組』だそうです。
    • 東京03の好きにさせるかッ(木曜20時台):『サラリーマンの日常をコントにしてお届けする番組』ってそれは「サラリーマンNEO」では無いのか? この番組の説明にも『現役世代』というキーワードが出てきます。現役世代=サラリーマンなんだな。
    • 中山秀征のクイズ イマジネーター(木曜21時台):『家族みんなで楽しめるネット連動クイズバラエティー』。言葉をテーマにしたクイズ番組で、スマホを使って幅広い世代が一緒に盛り上がれる番組を目指すそうです。これ総合テレビでやったこと無かったっけ? 気のせいかな。ラジオ向きかもしれませんね。
    • 増田明美のキキスギ(金曜20時台):ナイターオフの金曜の2時間番組だと思ってたのに・・・好評だったのか。
    • こやぶのとりしらベイビー(金曜21時台):ネットで話題の人物に『生電話で突撃し、取り調べを行う』形式の番組。てことは生放送か? この取り調べのために吉本新喜劇の座長を勇退するのか? 「ダウンタウンなう」の「本音でハシゴ酒」は事前収録だから差別化ができてよいかもしれませんね。

というわけで「かれんスタイル」(ナイターオフの木曜20-21時台)と「プロ野球中継」(ナイターシーズンの木・金曜18:05-18:50、19:30-21:30)が終わることになるのだと思われます。
とうとうNHKからもナイター中継が無くなります。ただし土曜の午後にデーゲーム中継枠ができます。ただ、東日本放送じゃないほうの5ちゃんねるを眺めていてハッとしたのは、大相撲中継と重なったらどうするんだ? そりゃ相撲が優先だよね。デーゲームが終わらなくて相撲中継が潰れましたは無いよね。まさか、野球が終わらないので大相撲中継はFM放送でお伝えします、とか言われたら、逆に大相撲放送の時間なのでデーゲームの続きはFM放送で、とか言われたら。「ラジオマンジャック」リスナーが暴動を起こすかもしれない。また、予算の都合でロッテ、西武、オリックスの主催試合を中継しないTBCラジオにとって、野球中継中に競馬中継で中断したりするTBCラジオにとって、コミュニティFMでは無いAMラジオ局であるNHK楽天戦を中継されるとTBCラジオは大変悶絶することになるのだと思われます。その時は苦しんでいる姿を見て笑ってあげましょう。そんな妄想は面白くない? そうかもしれませんね。

  • 土日の日中帯に家族で楽しめる番組を拡充

ここで出てくるのが「石丸謙二郎の山カフェ」の2時間化と「夏休み子ども科学電話相談」の定時番組化です。どちらも面白い番組だと思いますけどね、はてさて枠が伸びるとどうなりますか。
かつてのTBSラジオの平日夕方の番組「全国子ども電話相談室」は末期は日曜朝の番組になりました。だから日曜の午前中、しかもテレ朝やフジの特撮・アニメ番組が終わる午前10時から(あっテレ東は11時までアニメ枠か)というのはNHKなりに考えてのことなのでしょうね。
歌の日曜散歩」が終わるのは固定客を失うことになるわけですが。「日曜バラエティー」もそうですね。

土曜13時台と日曜15時台は「らじるセレクト」という名前の枠になっていて、たぶん再放送枠なんでしょう。
このために「日曜バラエティー」のあと15:30から放送されていた「上方演芸会」が土曜夜7時のニュースの後に異動。そこにあった「歌え!土曜日 Love Hits」が土曜の昼に異動(昼なのでFMと同時放送)、そこにあった「民謡をたずねて」がラジオ第一からFMのみの放送となって金曜早朝に異動となります。
さて、東北ローカルで現在金曜の昼に放送されている長寿番組「民謡をどうぞ」はどうなるのでしょう。「旅ラジ!」がなくなり「ごごラジ!」がその分早くなるので、差し替えが可能なのかどうか。
こういうことは日ごろからこまめに番組を聴いていないと分からないわけで、発表を見て慌ててもどうにもなりません。次に触れるのはたぶん4月になると思います。
テレビの改編についてはネットニュースにもなっているし早速コメント欄にも書かれていますが、特に言及するつもりはありません。