「ラジオ日本マリーンズナイター」ついにTBCラジオにネットされる

プロ野球オールスターゲームも終わり後半戦がスタートしました。
オールスターと言えば、その前日に行われるフレッシュオールスターは今年は弘前での開催。全国ネットのニッポン放送の中継での恒例、NRN系列局の若手スポーツアナのリレー実況に、今年はTBCラジオから黒田直樹アナが登場したそうです。このほかKBCラジオから居内陽平アナ、ニッポン放送から大泉健斗アナと新人の小永井一歩アナも登場したようです。早く聴かないとradikoタイムフリーの期限が来てしまう。このほか、ニッポン放送の実況をネットするわけにはいかないHBCラジオRKBラジオのためにTBCラジオの松尾武アナが実況する中継が存在したようです。こちらはTBCラジオでは放送されなかったしタイムフリーでもradikoプレミアムに入っている人しか聴けません。
公式戦に戻って、楽天は千葉に乗り込んでマリーンズと3連戦。テレビではBS12、BS12、BS-1の順で3試合とも中継されましたが、ラジオでは初戦は月曜日だし17時スタートだし中継したのはrakuten.FM TOHOKUのみ。問題は2戦目の火曜日です。
4月にもちょこっと書きましたが、今年の春のAMラジオの改編は、TBSラジオプロ野球放送をしないことに決めたために去年までなら考えられなかった事案が次々起こっています。
地方のラジオ局は火曜日にTBSラジオがキー局となるJRNのナイター中継をするのが基本です。しかし今年はTBSラジオがナイター中継をするのを止めたので地方のラジオ局の大半はTBSラジオが新しく作った番組を放送することになりました。それでもナイターを中継したい放送局はお互いに助け合い、ホームゲームを制作してネットし、ビジターゲームを制作してもらってネットさせてもらいます。北海道の試合ならHBCラジオ、九州の試合ならRKBラジオ西武ライオンズの試合なら文化放送オリックスの試合は関西(具体的にはMBSラジオABCラジオ)はタイガース一辺倒なので基本的に中継されません(阪神戦が雨で中止でほかにオリックス戦しか試合がないとかいうときにMBSはやることがあり、ABCはそれでもやらないっぽいですが絶対ではありません)。
ではロッテ戦は? 日頃ロッテのホームゲームを中継する放送局はありません。一時期文化放送が西武戦の無い日にロッテ戦があればやっていたことがあるようですが。しかし、「ラジオ日本ジャイアンツナイター」でおなじみのラジオ日本がまれにジャイアンツ戦ではなく千葉ロッテマリーンズ戦を放送することがあります。それが「ラジオ日本マリーンズナイター」です。
ラジオ日本は2016年にTBSラジオとナイター中継で協力体制を組むことになりました。TBSラジオはこの春ナイター中継を止めましたがJRN系列のラジオ局はそれを頼りにラジオ日本の中継をネットすることがあります。実は6月5日の火曜日にTBCラジオはセ・パ交流戦「巨人VS.楽天」を「ラジオ日本ジャイアンツナイター」のネットで中継しました。この試合はナイター中継におけるラジオ日本系列と言ってもよいであろう岐阜放送ラジオ関西、それに火曜日にRKBラジオ制作のナイター中継をネットする放送局群もネットし、全国放送と言ってもよい状況となりました。そのためかTBCラジオ楽天のベンチサイドレポーターのアナウンサーを送り出しています。
7月17日と18日は「ラジオ日本ジャイアンツナイター」で「阪神VS.巨人」をABCラジオからネットして放送するのが普通なような気がするのですが、何故かそうはせず「ラジオ日本マリーンズナイター」として「ロッテVS.楽天」を制作したのです。そして、7月17日のみTBCラジオは「ラジオ日本マリーンズナイター」をネットしたのです。たぶんこれは史上初のことです。
何の偶然か分かりませんが、6月5日も7月17日もラジオ日本の実況アナウンサーは同じ人でした。元東北放送アナウンサーの石黒新平さんです。石黒さんは東北放送を退社しフリーになってからニッポン放送やラジオ日本で野球実況を担当し、その後いろいろあって2016年から再びラジオ日本でプロ野球実況を担当しています。2016年以降に話を限れば、石黒さんの実況がTBCラジオに流れるのは6月5日が初めてだったと思います。ちなみに6月5日に楽天のベンチサイドレポーターを務めたのは東北放送の伊藤晋平アナ。石黒新平、伊藤晋平の“だぶるしんぺい”の放送が実現した瞬間でもありました。ただし二人に面識はないはずです。7月17日はラジオ日本とTBCラジオの2局ネットだったせいかTBCラジオからベンチサイドリポートのアナウンサーは出していません。
7月18日は水曜日。地方のラジオ局はニッポン放送がキー局となるNRNのナイター中継をするのが基本です。ラジオ日本はNRNとは協力体制にありませんので、TBCラジオが水曜日に「ラジオ日本マリーンズナイター」を放送することはありません。すればいいのに。というわけで月火水の3連戦のうちTBCラジオが中継したのは火曜日のみでした(Rakuten.FM TOHOKUでは3試合とも放送したはずです)。
実は「文化放送ライオンズナイター」と異なり「ラジオ日本マリーンズナイター」は取り立てて千葉ロッテマリーンズをひいきする番組ではありません。単に巨人戦を放送しない日にロッテ戦を中継できる機会があれば中継しているというだけです。
そんな「文化放送ライオンズナイター」も、去年までは文化放送のアナウンサーがビジターゲームでも現地に乗り込んでライオンズびいきでやって来たのですが、今年はTBSラジオというナイター中継上のキー局を失ったHBCラジオRKBラジオ文化放送と助け合うことになりました。TBCラジオもその末席に居ます。現に4月13日の金曜日、「文化放送ライオンズナイター」は解説が山村宏樹さん、実況が東北放送佐藤修アナという東北放送制作で中立実況に近い放送内容でした。これはこれで大変面白い中継でした。ただ、これは「TBCパワフルベースボール」とは別実況です。もちろんTBCラジオは自局向け実況であってもHBCラジオRKBラジオのような応援実況は日頃からしていませんが。
金曜日に地方のラジオ局はニッポン放送がキー局となるNRNのナイター中継をするのが基本です。言い方を変えれば金曜日にTBCラジオで放送している「TBCパワフルベースボール」はNRNのナイター中継です。文化放送はNRNのネットワークのキー局のひとつですが、ナイター中継に関しては文化放送がキー局なのは土日のみ(日曜のナイター中継は事実上消滅しているので実態としては土曜のみ)。月曜から金曜の「文化放送ライオンズナイター」はNRN系列とは関係のないローカル番組の扱いです。そのためTBCラジオで放送するNRNの実況と文化放送のために放送する非NRNの実況が存在するわけです。それにしてはTBCラジオは「西武VS.楽天」がある日の「文化放送ライオンズナイター」をNRNナイターの代わりにネットするわけですが。
HBCラジオRKBラジオのライバル局であるSTVラジオKBCラジオニッポン放送をキー局とするNRN系列局ですが、ここ数年西武の主催試合は「文化放送ライオンズナイター」をネットすることが一般的になっていました。それが今年からHBCラジオRKBラジオ文化放送と助け合うこととなったものだから、北海道や福岡では“裏表文化放送”と言う事態が発生することとなりました。このことはとっくの昔に本職の人が記事にしていました。リンクを貼っておきます。
ラジオ史における前代未聞の事件――TBSラジオ野球中継撤退で実現した「表裏文化放送」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#74】 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)
この記事を書かれた方は先日まで行われていたサッカーのFIFAワールドカップ2018でのジャパンコンソーシアムのラジオ実況についても“現地”で取材されていました。これもリンクを貼っておきます。
ラジオ中継の現場でセネガル戦を満喫する(えのきどいちろう寄稿)(gooニュース) - goo ニュース