ここ数日のラジオに関する話題から

QR、土曜夜アニメ10時間規模に拡大編成

「文化通信.com」の12月5日付けの記事の見出しで、会員登録していなければ本文は読めないのですが、この見出しを見た瞬間、これは特番か何かのことだとは考えませんでした。来春から土曜のナイター中継が無くなる。これはそういう意味です。
「日刊合同通信」の12月5日付のヘッドラインにはより具体的に書いてあります。
『日曜昼A&G「キミまち」土曜夜移行へ QR、ナイター提供方式提案などプレゼン 』
プレゼンというのは改編内容について放送局が広告代理店ら関係者に行うプレゼンテーションです。具体的なことは当然関係者しか目にできないのですが、文化放送でそういう部門を受け持つ「文化放送メディアナビ」のサイトには『代理店会議の資料をアップしました』と紹介されています。「文化通信.com」(文化通信社は文化放送とは関係の無い通信社です)の12月6日付の記事の見出しに『QR音声研究‐複雑な感情伝えたい場合はラジオ』とある、文化放送東京女子大学との共同研究の資料が先頭にあります。で下へスクロールしていくと

A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!

文化放送A&Gゾーンの番組として、初めて昼帯(日曜日お昼)に進出し、成功を収めた『キミまち!』
そんな「キミまち!」が、A&Gの本拠地ともいうべき土曜の夜に時間変更します。
基幹である“アニソンリクエスト”という番組コンセプトは変わりませんが、
一部コーナーをリニューアルして土曜夜の新しい「キミまち!」に生まれ変わります。

資料の表紙の写真には明確に
『2019年4月6日(土)から土曜日19時〜21時に時間移動!』
と書いてあります。間違いなくNRN系列の土曜ナイター中継「文化放送ホームランナイター」の枠です。来春から文化放送も土曜のナイター中継を行わないことがこれで確定しました。ナイターを聴きたければ「ニッポン放送ショウアップナイター」でも聴いてろってことですね。冗談ではなくて、文化放送の土曜ナイターではここ数年、twitterでナイター後のアニラジのリスナーが野球中継が長引くせいで番組が潰されることで荒れるというのが常態化しており、文化放送は土日のナイター中継のキー局であることよりも25年掛けて培ってきた文化放送A&Gゾーンのリスナーを取ったと考えてよいのでしょう。
文化放送は土日のナイター中継のキー局と書きましたが、日曜日はほぼ地元に球団がある地域の局が独自に中継する程度になっていてキー局としての機能は表からは見えなくなってしまいました。土曜日はナイター中継のネット局が減少し続け2018年は福井放送山口放送の2局だけになってしまいました。あっ東海ラジオもネットしてましたっけ。地方局向けの放送は継続するのかどうか現段階では分かりませんが、止めたほうが楽ですよね。
私の個人的な意見ですが、「ミスDJリクエストパレード」が土曜の午後から引っ越してきて「キミまち」とリクエスト番組2本重ねになっているのは曲のジャンルの違いはあるとしてもどうなんだろうと思っていたので、どちらかが引っ越すことはよいことなのだと思います。なんなら「キミまち」の跡地に「ミスDJ」を移してFM NACK5から日曜のライオンズ戦中継を返してもらえばいいのに。

福岡のラジオ競馬中継の担当がKBCラジオからRKBラジオに移動?

JRA日本中央競馬会は「参加者の有無を確認するため公募手続きに係る参加意思表明書の提出を求める公示」という文書を毎年出しているそうなのですが、12月3日に出た「日本中央競馬会ラジオ実況中継(毎日放送ラジオ他)の放送等の実施代理業務」に関する公示で、去年まで『九州朝日放送ラジオ』と書いてあった部分が『RKB毎日放送・LOVE-FM』と書いてあるということで、MBSラジオ発の西日本のラジオ局の土日競馬中継のネット局がKBCラジオからRKBラジオに移動するのか? という憶測を呼んでいます。年内の競馬中継はもうすぐ終わりますので、当該の時間帯のRKBラジオKBCラジオの番組を聴いていればお知らせが流れるのでしょう。ちなみに現在日曜15時台にRKBラジオはTBCパワフルベースボール(プロ野球三都物語)でもおなじみ鬼橋美智子さん、KBCラジオはあのおすぎさんがメインのワイド番組が放送されており、KBCラジオは野球シーズンになるとどこかのラジオ局みたいに午後3時になるとデーゲーム中継を中断して1時間競馬番組を放送しているそうです。
そのどこかのラジオ局は日曜日はRKBラジオと野球中継のネットワークを組むので、こっちが競馬で野球中継を中断している間RKBラジオだけがホークス戦の中継を続け、競馬が終わると「イーグルスは敗れました」で野球中継は無かったことになる。あっどこの局だか分ってしまう。
もし日曜の競馬中継のネット局がRKBラジオに移動するのであれば、KBCラジオはホークス戦を試合開始から試合終了まで完全中継ができるようになる。RKBラジオTBCラジオと一緒に午後3時からホークス戦の中継が1時間中断になる。TBCラジオのアナウンサーは自局に放送されずRKBラジオだけのために中継する必要がなくなる(←それは違うぞ、オンエアされるされないに関係なく実況アナウンサーは実況をしています)。
ラジオのネットワークはテレビのネットワークと違って結構複雑で、テレビ朝日朝日放送テレビ九州朝日放送、TBSテレビと毎日放送RKB毎日放送というのがテレビのネットワークですが、ラジオは野球中継だとその時の都合によってABCラジオKBCラジオMBSラジオRKBラジオになるときとABCラジオRKBラジオMBSラジオKBCラジオになるときがあるというカオス。競馬中継はMBSラジオKBCラジオ。ただ競馬中継にも西日本では土日ともMBSラジオが制作するのだけどMBSラジオが競馬を放送するのは日曜日だけで、土曜日はMBSラジオではなくラジオ関西から電波を出しているという別のカオスがあります。
WikipediaによるとかつてはABCラジオも競馬中継をしていてそのときはABCラジオKBCラジオのネットだったそうなのだけど、ABCラジオが競馬中継から撤退したのとKBCラジオMBSラジオからのネットに切り替えたのとどっちが先なのかは調べきれませんでした。しかし小倉競馬の中継はKBCラジオが担当しており、RKBラジオは競馬中継をたぶんやっていない。来年からRKBラジオMBSラジオの競馬中継をネットするのは自由だけど、RKBラジオのアナウンサーはこれから競馬中継の練習をするのだろうか。競馬実況には野球とは別の難しさがあるというから始めのうちは実況アナウンサーは苦労するんだろうな。
なお、競艇中継、今はボートレースライブと呼ばなければならないらしいですが、こちらは文化放送がキー局でラジオ大阪RKBラジオにネットされています。福岡県って競艇場が3場もあるのね。ただ、競馬中継と違って野球中継が潰れることは無く、野球中継と競艇中継がかち合った時はRKBラジオは野球中継を取り、競艇中継はLOVE-FMに回されるのだそうです。今回毎日放送制作の競馬中継の放送局としてRKB毎日放送とLOVE-FMが列記されているということは、ホークス戦が無い日はRKBラジオが競馬中継をしホークス戦がある日はLOVE-FMが競馬中継を放送するという可能性があります。すべては年が明ければわかります。

中日12球団初、地上波放送局とスポンサー契約

これは日刊スポーツのwebより。
中日12球団初、地上波放送局とスポンサー契約 - プロ野球 : 日刊スポーツ
開局60周年を2020年に控えてということだそうなのですが、記事によると『今回のオフィシャルスポンサー契約で東海ラジオは、ナゴヤドームでの社名掲出、「東海ラジオを聞くドアラ」の商標利用権などを得た』のだそうです。
東京新聞じゃなくて東京スポーツにはもう少し詳しく書いてあって
東海ラジオが中日とオフィシャルスポンサー契約「もっと熱く応援したい」社長のお話として『「来季からもっと強く熱くドラゴンズを応援したい。ドラゴンズのロゴやドアラ、選手の写真などを駆使していきたいが、そのためには(中日球団と)オフィシャルスポンサー契約を結ぶ必要があった」と説明』したそうで『オフィシャルスポンサーとなることで宣伝・広報物への球団商標の利用権や写真利用権を得たという』ことだそうです。
局や球団のサイトにはまだ載っていないようです。球団のサイトにあったスポンサーシッププログラムパンフレットによるとオフィシャルスポンサーの協賛金額は1500万円(消費税別)だそうです。
また東海ラジオは来年4月1日より「ガッツナイター」を内包する16時スタートのワイドの新番組「ドラゴンズステーション」をスタートさせるそうです。東海ラジオの来季の野球解説にはこれまでの権藤博氏、鈴木孝政氏、鹿島忠氏、山本昌氏、山崎武司氏、井上一樹氏の6氏に加えて、仁村徹氏、谷繁元信氏、井端弘和氏のOB3人が新たに加わるとのことです。
16時から野球モードになるのはRKBラジオよりも早いかな。さて、名古屋と言えば中日新聞とつながりが深いCBCラジオ東海ラジオが車の両輪のように中日ドラゴンズを支えているものだと思っていたのですが、そうでもないのかな?

TBSラ、調査期間「SPウィーク」呼称やめる

最後は「文化通信.com」11月22日の記事の見出しで、TBSラジオの社長さんが記者会見で宣言したらしいですが、これ自体はどうでもよいことです。聴取率調査週間のことをどう呼称しようがそれぞれの局の勝手です。だいたい聴取率調査週間だからと番組内容と通常からガラッと変えてしまうニッポン放送が異常なのであって、ビデオリサーチ社の調査員が聴取率を調べて歩くのを粛々と見守っていればよいはずのことです(ラジオはテレビと違って受信機に器械を取り付けてデータを自動送信することができないので1週間に聞いた番組を紙に書いてもらう昔ながらの方式を取っています)。いやそれは昔の話。今はradikoのデータを見れば済むようです。詳しいことは日刊スポーツのサイトのコラム「梅ちゃんねる」に書いてあります。
王者TBSラジオ「脱聴取率」の挑戦は業界変えるか - 梅ちゃんねる - 芸能コラム : 日刊スポーツ
ラジオで聴いている人よりradikoで聴いている人のことが優先されるのかというがっかり感はありますが、radikoだと本当にその番組を聴きたくてスマホなりパソコンなりを開いているわけだから広告のデータとしては有用性が高いのでしょう。広告を流すことが民放の本来の仕事なのだから仕方ありません。
来週が首都圏の聴取率調査週間だそうですが、この結果が前回までと変化するのかしないのかが楽しみです。