ニッカンスポーツ・コムにTBSラジオ澤田記者のインタビュー

日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの独自企画なのかな、<オトナのラジオ暮らし>という読み物がありまして、4月の第1回はプロ野球中継をテーマにニッポン放送松本秀夫アナ、文化放送鈴木敏夫・報道スポーツセンター部長のインタビューが上がっていました。
どうやら月イチ企画らしく第2回が今日5月3日にアップされたようなのですが、そのテーマがラジオニュースということで、“わきまえない記者”TBSラジオの澤田大樹記者のインタビューが掲載されていることに気が付きましたので報告します。全3ページの長い読み物で、初めの2ページが澤田記者へのインタビュー、3ページ目はメディア論が専門の砂川浩慶・立教大学教授へのインタビューとなっています。

“わきまえない記者”というのは私が勝手に付けたあだ名です。
わきまえない記者 - みむめもーど
これに関して業務連絡。
hiroさん。あなたが書いたコメントに対して私は質問をしました。たぶん読んでいないのでしょうけど、読んだら返事を書いてください。黙秘するならその旨書いてもらえると私もあきらめがつきます。よろしくお願いします。
業務連絡終わり。

www.nikkansports.com
気になったところを抜き書きします。
一番大事なことは

別に森さんのクビを取ってやろう、なんて意気込んでいたわけではありません。

ということだと思います。

私の質問に対して、森さんは「あなたはどう思うか」と質問を返してきた。だから私は「適任じゃないと思う」と答えた。

このやり取りが森さんにとっては命取りになってしまったわけです。たぶんわきまえた記者であれば森さんに逆質問されたときに口をつぐむものなのでしょう。ところが澤田記者は素直に思った通りのことを返事してしまった。『相棒』に例えるなら杉下右京さんのような本質を突いてはいるが周囲にとっては嫌がられるタイプの振る舞い。澤田記者にとっては愚直にすべき仕事をしていたらこんなことになってしまったというという感じなのかもしれません。
2ページ目の後半に『1人で取材しているのですか』という質問に対して次のように答えています。

政治部系は私、社会部系はベテランの崎山敏也記者とざっくり担当を分けています。私は与野党、官邸、国会とすべて1人で受け持っています。番記者の輪には入れません。でも自由に取材できるメリットがある。1人で取材しているということも含めてリスナーに支持されているところもありますしね。人員は限られていますが、これからもリスナー代表として、取材対象にきちんと質問し、放送に乗せるという基本を守って取材を続けます。

政治関係のニュースを一人で受け持っているということで、体が二つ無いから取材できないということもあれば人数制限のために取材できないこともあるようです。限られた範囲でラジオならではの取材をするということを信条としているようです。
3ページ目の砂川教授へのインタビューにも出てくるのですが、テレビニュースとラジオニュースではスタンスが違うというところがあるのでしょう。某TBCラジオのたとえば11:50のお昼の河北新報ニュースではテレビのJNNニュースの音声と思われるものが流れることが普通にあるのですが、代表取材と考えれば合理的なのでしょうが突き詰めればそれは違うやり方なのかもしれません。
私が面白いと思ったのは2ページ目の前半にあるエピソード。
『ラジオニュースの記者として心がけていることはありますか』という質問に『ラジオは音声だけなので、(中略)、カメラに映らない部分を伝えています。』と答えているのですが、

そこを意識するようになったのは、東日本大震災の取材でした。福島県いわき市からリポートした際、あまりの惨状に圧倒されて「言葉になりません」と言ったら、スタジオの外山惠里アナウンサーが「言葉にしてください。ラジオですから」と。

さすが、永六輔さんの薫陶を受けた外山さんらしいダメ出し。たぶんその取材のあと澤田記者は宮城に入り東北放送に詰めることになるわけで、このダメ出しのおかげで取材の質が上がったのだとするなら外山さんにも感謝しなければなりませんね。