例年4月27日、10月27日に発売されてきた三才ブックス刊「ラジオ番組表」ですが、2024春号は「2024年問題」のせいか連休に掛かったせいか、4月30日に発売になりました。2023秋号も昨年10月30日に発売となっています。
昨秋号のレビューを書かないまま今春号が発売になってしまいまして、今春号のレビューを書くことにします。
表紙の裏は恒例の「ポチっとMラジ」、MBSラジオの番組バナーが散りばめられた広告。土曜日の放送は存続しているはずの「ありがとう浜村淳です」のバナーが載っていないのは何故でしょう。バナーの数を少し絞ってひとつひとつをこれまでより一回り大きく表示しています。おとなりはMBSラジオの注目番組インタビュー。今回はもちろん50年ぶりの新番組『ヤマヒロのぴかッとモーニング』を担当する山本浩之さん。これから一歩一歩自分なりの番組を作り上げていくことになるのだと思います。
巻頭カラーの番組情報はまず「番組改編トピックス」。この枠は主に在京キー局の全国ネットの番組が紹介されるページなのですが、今回は冒頭に「オールナイトニッポン」レーベルの新顔についての情報(表紙の顔の松田さんのインタビューもこの中にある)に次いで2番目にAM局停波の実証実験について取り上げられています。実は巻末にもこの問題についての読物があります。
改めまして「番組改編トピックス」ではそのあと、TOKYO FM、JFNの新番組紹介、NHK第一の新午後ワイド「まんまる」、文化放送「レコメン!」リニューアルの紹介、TBSラジオ、ラジオNIKKEIの新番組情報と続きます。
その後は局別の「AM改編NEWS」。青森、秋田、和歌山、長崎、大分を除く42局のローカル番組をピックアップしています。東北放送からは「しゅーかん!ティーナ・カリーナ」と「けっぱって東北の好きっちゃ!ふるさとーく」が紹介されています。
このように新番組を取り上げ、終わった番組を取り上げることは基本的に無い本誌なのですが、今回は本誌と深い関係にあった「ラジオパラダイス」誌にとって切っても切れない関係にあったラジオパーソナリティ・小森まなみさんのマイクオフについて2ページのインタビューが掲載されました。マイクオフと言っても環境省の役人の意地悪ではなく要はラジオからの引退です。東北放送でも特別番組が放送されまして聴きましたが、休業に入ってから12年ほど経っているのでね、あぁ昔こんな番組やってたなぁっていう懐かしさはありました。ファンの方々にはさまざまに思うところがあったことでしょう。番組を持っていたラジオNIKKEI(当時はラジオたんぱ)、東海ラジオ、東北放送でそれぞれマイクオフ特番が制作されたのですが、本号発売後に東海ラジオで特別番組が作られたようですね。そのうち東北放送でもネットされるだろうか。
本誌のレビューに戻ります。
巻頭カラーページの最後は三才ブックス刊行物のご案内。「ラジオ受信バイブル2024」と「教養としてのラジオ用語辞典」が紹介されています。巻末にある読者プレゼントの告知でそれぞれ3名ずつにプレゼントとあります。これらの紹介はまた別の機会に。
白黒ページになって目次。以後、民放AM47局にNHK(ラジオ第1、第2、FMで3局と数えます)に民放FM51局、それとラジオNIKKEIで計102局の今春期のタイムテーブルが掲載されています。
今号でマイナーチェンジがあったのが2点。ひとつは「radikoプレミアム」に対応という表示がなくなったという点です。全民放が対応しているわけで書くまでも無くなったわけですね。そのとばっちりかNHKのページからも「らじる★らじる」の表示が無くなりました。もうひとつは中継局のデータで停波している、する予定の中継局に停波中、停波予定と表記された点です。夏以降に停波する予定の局についてはそのお断りもついています。
細かい事を言えば、この春ニッポン放送がベリカード(受信証明書)の発行を停止したので、ニッポン放送のページからベリカードの写真が消えました。山梨、北日本(富山)、北陸(石川)のAM局、群馬、富士(山梨)、愛知、大阪、熊本のFM局も同様です。これらの局では受信報告書の宛先の表示もなくなったのですが、エフエム熊本だけは「ベリカードの発行はなし」と明記してあります。
住所に関しては昨春指摘した、長崎放送が本社を移転したのに住所が旧社屋のもののままという状態が今号も継続されています。一方、今年4月1日に移転したエフエム宮崎は新住所が掲載されています。
ラジオNIKKEIまで102枚のタイムテーブルが終わると、AFN東京の大まかな番組表。そのあとは各種データのページに移ります。海外日本語放送スケジュール、全国342局コミュニティFMリスト、最新版全国放送局周波数リスト、全国AM番組ネット局一覧表、50音別タレントINDEX。コミュニティFMはこの春一気に5局減りましたが新規開局や開局予定の局も載っているので局数は342局でプラスマイナスゼロです。周波数リストでは停波中、停波予定のAM中継局には住所の欄に休止中、休止予定と書かれています。AMの周波数一覧なのにLuckyFMというFM局(?)が載っていたりします。
かつて拙blogのメインコンテンツだった「全国AM番組ネット局一覧表」の粗探しは令和になって止めました。でも東北放送の欄ぐらいは見ます。「加藤さんと山口くん」(土19:00-19:30)、正確には「(1・3・5土)19:00-19:30」。「キョートリアル」(日22:30-23:00)は誤り、正しくは「(月)22:30-23:00」。「週刊 MUSIC PUNCH!」ってのが載ってて全国6局ネットみたいなんですけど、これってサトケン(佐藤健一)さんが東北地方のFM局でやっている(Wikipediaによればエフエム岩手制作、ふくしまを除く5局ネット)「週刊 MUSIC PUNCH!」なんですね。番組ホームページを見てみたら2020年10月から福井、静岡、RSK(岡山)でスタートしていたんだそうで。知らんかった。
白黒ページの最後は読者投稿「リスナーの主張」やプレゼントのお知らせがあります。「イチ推し番組・DJランキング」の応募券はありません。「リスナーの主張」を読んでいるとradikoの時代なんだなぁ、AM停波で時代の曲がり角に差し掛かっているんだなという気がします。
巻末カラーページはまず「FM改編NEWS」。全国41局のローカル番組の情報が詰め込まれています。Date fmからは基本番組表には「SUNDAY SPECIAL」と書いてある日曜19時台の枠で第1日曜に放送されている「仙台フィルWave Symphony」が紹介されています。新年度のact IX(誌面では「第9幕」)を担当する高平響さんと解説役の山本純さんの写真が載っています。その横にはFM山形で夕方のワイド番組がリニューアルされたことが書かれています。ティーナ・カリーナさんやワッキー貝山さんの顔写真も載っています。基本的に北から南へ向かって書かれているのですがレイアウトの都合かふくしまFMは別のページに。こちらも夕方のワイド番組のリニューアル。余談ですが、その以前の夕方ワイドを担当していたことのある加藤漢太さんが、ふくしまFMを退社し郡山市議会議員に当選してしまっていたようです。知らんかった。
お次は第5回「イチ推し番組DJランキング」結果発表。
毎号テーマを設けて次号で結果発表する形式に変更されています。今回のテーマは「ひとり語り番組部門」と「コミュニティFM局部門」のふたつ。「ひとり語り番組部門」の1位から4位の方のインタビュー記事と「コミュニティFM局部門」1位の静岡県伊東市のFM伊東なぎさステーションの紹介記事で計6ページにわたって展開しています。
「ひとり語り番組部門」の1位はSTVラジオ「モーニング娘。'24山崎愛生のメイボンソワ」の山崎愛生さん*1。実は昨秋号の表紙の顔でした。
15期か、若手メンバーはあんまり記憶になくてねぇ。東北放送では「モー女」*2が打ち切られて久しく、石田亜佑美さんがハロプロからの卒業を発表したからもうネット再開は起こりえない(「アンジュルムステーション1422」も佐々木莉佳子さんのハロプロ卒業発表を受けてこの春打ち切られたし)。たまにはラジオ日本も聴いてみなけりゃです。私のことはどうでもいいか。
STVラジオでボンソワというタイトルと言えば、「KANのロックボンソワ」です。STVラジオの伝統の深夜番組枠「アタックヤング」の時代から(フランスに住んでいた時期を除いて)永くSTVラジオで番組を持ち続けていたKANさんは昨秋に亡くなられたのでした。Wikipediaのロックボンソワのページを読むと療養中の代演者の一覧が載っていて、初めのうちは局アナ(分社化されているから正確にはSTVのテレビのアナウンサー)とかミュージシャン(坂本サトルさんも出たことあるのね)が週替わりで担当していたのだけど、KANさんの出演は10月第1週が最後だったそうで、10月第2週からKANさんの事務所の仲間であるハロプロのメンバーが週替わりで担当するようになり、KANさんの死後も今年3月までは彼女たちが代演しているという形を取っていたようです。というわけで山崎さんの番組は形式的には今春スタートの新番組ですが実質的には昨年11月に始まっていたことになります。
最後のページは冒頭でもちらっと触れましたがAM放送のFM転換に関するコラムとなっています。
裏表紙裏は三才ブックスオンラインショップのおしらせ。期間限定の500円オフクーポンのコードが載っているのですが、今回これを利用して「ABCラジオ本」と「教養としてのラジオ用語辞典」を購入いたしました。書籍は500円オフなんだけど送料が700円なんだよなぁ・・・。配送業者も大事なので送料は必要なんだけど。2冊とも意外と厚いので読みごたえがありそうです。レビューは時間がかかりそうなのでアップしないかもしれませんが、何かの折に少しずつ触れていくつもりです。
裏表紙は今号も「音響芸術専門学校」の広告が出ています。出稿ありがとうございます。
別冊付録が今号も付いています。22秋号から4号目になる『ラジオ番組表+α』。
「超!A&G+」、ミュージックバードコミュニティチャンネル、そして29のコミュニティFM局のタイムテーブルが掲載されています。
「超!A&G+」は平日の放送開始が17時に繰り下がったんですね。ミュージックバードは今年2月29日をもってCSデジタルラジオ放送「SPACE DiVA」を終了し、コミュニティFMへの配信がメインの業務になったようです。
コミュニティFM局のタイムテーブルは北関東が多めな印象。せっかく「イチ推し番組DJランキング」で「コミュニティFM局部門」を設けたのだからランクインした局の番組表を載せればいいのに、3位のFM TARO(群馬県太田市)だけ。どういう基準で選局しているのだろう。
あっ、「イチ推し番組DJランキング」の票数の一覧の下に小さい字で
『※「イチ推し番組・DJランキング」企画は今回で一旦終了いたします。』
って書いてある。秋号はどんな新企画をやるのだろう?
おまけ。
以前、NHKラジオ2024年4月改編薄口批評 - みむめもーどでこんなクイズを出しました。
「吹奏楽のひびき」は数年前から毎月最終週は指揮者の下野竜也さんが担当するようになっていますが、それ以外の週は作曲家の中橋愛生さんが担当しています。では彼の名前はなかはし何と読むでしょうか。
1。あき
2。めい
3。まなお
4。よしお
この「あいなまちゃんクイズ」を思いついたのは23秋号の表紙の山崎愛生さんの名前が読めなかったからです。愛生ちゃんといえばアニメ「けいおん!」で知られる声優の豊崎愛生さんとか将棋の香川愛生女流四段が思い浮かぶのですが、豊崎さんは「あき」、香川さんは「まなお」と読みます。で、山崎愛生さんは「めい」なんですね。「めい」という名前も永野芽郁さんとか畑芽育さんとか副島萌生さんとか菅野愛郁さんとか何十通りも漢字の組み合わせがある名前ではあります。
よって、クイズの答えは「4。よしお」です。男性です。NHK-FM「吹奏楽のひびき」を聴いていて「なかはしよしお」という名前は知っていたのですが、番組ホームページを見て漢字で「中橋愛生」と書くと知り、男でもあいなまちゃんはアリなのかとびっくりしたのでした。※個人の感想です。