在仙放送局の決算・人事など 2024

河北新報朝刊の経済面に掲載される在仙民放各社の決算と役員人事を書き写している拙blogの年中行事です。今年は5月のうちに出揃いました。
ちなみに、去年の分はこちら

大沼会長が退任 宮城テレビ

(5月23日付より)
 宮城テレビ放送仙台市)は22日の取締役会で、大沼裕之会長が退任し、非常勤の相談役に就く人事を内定した。後任の会長は置かない。新たな非常勤取締役には日本テレビホールディングス代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏、日本テレビ放送網メディア戦略局長の中村知純氏が就く。6月24日の株主総会と取締役会で正式決定する。

※「マスコミ研究会 日刊合同通信」のサイトでは
5月23日付でミヤギテレビについて監査役についても触れています。
『社外新取中村・杉山日テレ会長・角川新監
 ミヤギ、大沼相談役化・売上71億・経常4億 』
また5月30日付でテレビ岩手について、杉山・中村コンビが非常勤取締役に就くと伝えています。
『榧野会長及畑山専務退任・栃沢・小杉執役昇格
 テレビ岩手、社外で日テレ杉山・中村氏・減収益』

社長に東海林氏 エフエム仙台

(5月25日付より)
 エフエム仙台仙台市)は24日の取締役会で、社長に社外取締役の東海林仁河北折込センター社長が就く役員人事を内定した。取締役には、エフエム東京から出向している坂口稔東京支社長が就任する。新たな非常勤取締役には氏家裕介仙台放送取締役、田中成明ニッポン放送常務が就く。
 小田桐和久社長のほか、村上正光、森谷和郎の両社外取締役は退任する。6月21日の株主総会と取締役会で正式決定する。
(※このあと東海林仁(しょうじ・ひとし)氏の経歴が載っていますが書き写しません。河北折込センターは河北新報の折り込み広告やポスティングを手掛ける河北新報のグループ会社(100%子会社ではない)、東北放送の主要株主のひとつでもある。東海林氏は河北新報出身で2019年4月から河北折込センター社長。)
(※小田桐氏は仙台放送、村上氏はエフエム東京、森谷氏はニッポン放送の出身。森谷氏は「ビートたけしオールナイトニッポン」のディレクターだった方なんですってねぇ。)

常務3氏昇格 仙台放送

(5月29日付より)
 仙台放送仙台市)は28日の取締役会で、阿部和昭、氏家裕介、塩野智の3取締役がそれぞれ常務に昇格する役員人事を内定した。新たな取締役には篠原研司編成業務局長兼番組審議室長が就任する。
 非常勤取締役には七十七銀行の小林英文頭取が就く。福原一宏専務のほか非常勤取締役の平山準一、鎌田宏、塚越裕爾の3氏は退任する。6月28日の株主総会と取締役会で正式決定する。

日本経済新聞のwebにはもう少し詳しく書かれています。阿部氏は技術、氏家氏は編成、塩野氏は総務の担当のようです。

人事、仙台放送
2024年5月28日 17:34

(6月28日)常務技術局長(取締役)阿部和昭▽常務(同編成業務局担当)氏家裕介▽同(同総務局長兼コンプライアンス室長)塩野智▽取締役編成業務局・番組審議室担当、編成業務局長兼番組審議室長篠原研司▽取締役、七十七銀行頭取小林英文▽顧問(専務)福原一宏▽同(取締役)平山準一▽退任(同)鎌田宏▽同(同)塚越裕爾

(※鎌田氏は七十七銀行頭取や仙台商工会議所会頭を務められた方、塚越氏はフジテレビの出身。)

取締役に土田氏 東北放送

(5月30日付より)
 東北放送仙台市)は29日の取締役会で、新たな取締役に土田剛ラジオ局長が就く役員人事を内定した。監査役には井上浩二取締役が就任する。菊池睦己監査役は退任する。6月18日の株主総会と取締役会で正式決定する。
(※このあと土田氏の経歴が載っていますが省略します。剛と書いて「たかし」と読むそうです。22年4月からラジオ局長なんですね。一方、井上氏は4月1日付の異動の発表を読み返したら『テレビ局長、番組審議会事務局長の委嘱を解く』と書いてありました、テレビ局長の後任は中山真吾氏。)

取締役に安達氏 東日本放送

(5月30日付より)
 東日本放送仙台市)は29日の取締役会で、取締役に安達英雄執行役員が就任する役員人事を内定した。監査役には中村麻美取締役が就任する。非常勤取締役にはテレビ朝日の板橋順二常務、七十七銀行の井深修一常務、日本経済新聞社の佐藤理映像戦略本部長がそれぞれ就く。
 加藤東興、円尾佳則の両取締役のほか、非常勤取締役の志藤敦、下原口徹の両氏、浜尾芳朗監査役は退任する。6月21日の株主総会と取締役会で正式決定する。
(※円尾氏の円の字と浜尾氏の浜の字は新聞記事なので旧字体を使っていない。正しくは圓尾、濱尾。円尾氏はテレビ朝日、志藤氏は七十七、下原口氏は日本経済新聞の人。)


以上、人事でした。
以下、今期の決算。

決算東北 24年3月期(増減は前期比)

(※日付は発表日。基本的に翌日付の河北新報経済面に掲載されます。)

(22日)(※掲載は5月23日)
◆減収減益
 宮城テレビ放送仙台市) 売上高2.2%減の71億3800万円▽経常利益21.1%減の3億8300万円▽純利益22.5%減の2億5300万円
 テレビCMの出稿量が減り、減収減益となった。

(24日)
◆経常益57%減
 エフエム仙台仙台市) 売上高0.5%減の7億1500万円▽経常利益57.5%減の1500万円▽純利益62.1%減の1200万円
 イベント関連の収入が伸びた一方、ラジオCMの出稿量が減り、減益となった。

(28日)
◆純損失を計上
 仙台放送仙台市) 売上高3.7%増の71億8000万円▽経常損益2億5800万円の黒字から4000万円の赤字▽純損益1億9900万円の黒字から4700万円の赤字
 イベント開催などの事業が好調で増収。一方で利益率の高いCM収入が減り、2009年3月期以来の純損失を計上した。

(31日)
◆黒字に転換
 東北放送仙台市) 売上高2.3%増の66億5700万円▽経常損益3億8200万円の赤字から1億1500万円の黒字▽純損益3億8800万円の赤字から1億2800万円の黒字
 イベント開催など事業関連が好調で増収。有価証券の配当益などが寄与し、黒字転換を果たした。

◆赤字幅が縮小
 東日本放送仙台市) 売上高3.4%減の61億9100万円▽経常損失6600万円から2500万円に赤字幅が縮小▽純損失4800万円から1200万円に赤字幅が縮小
 テレビCM収入が伸びず減収、経費の減少で赤字幅が縮小した。

(※記事の金額表記がXX百万円から数字4桁のXX00万円に変わったようです。記事は縦書きなので文字数が増えるのだけど、読者には優しいのだろうか。)
(※よく拙blogコメント欄に某AMラジオ局のCMガーという嘆きの声が寄せられますが、どの局もCM出稿が減っているようで。放送からネットへ広告費のシフトが加速しているのかな。イベントを開拓して稼いでいかなければやってられないようです。)
最後に昨年との比較を表にまとめておきましょう。(金額の単位は百万円)

  売上高 経常損益 純損益
東北放送 6502→6657(2.3%増) ▲382→115(黒字転換) ▲388→128(黒字転換)
仙台放送 6921→7180(3.7%増) 258→ ▲40(赤字化) 199→ ▲47(赤字化)
ミヤギテレビ 7296→7138(2.2%減) 486→383(21.1%減) 326→253(22.5%減)
東日本放送 6408→6191(3.4%減) ▲66→ ▲25(赤字縮小) ▲48 → ▲12(赤字縮小)
エフエム仙台 719→ 715(0.5%減) 35→ 15(57.5%減) 32→ 12(62.1%減)