絶好の行楽日和だった大型連休が終わります。こんないい天気に全国的に外出自粛が求められる倒錯したご時世。私はパソコンに向かってシコシコと・・・
まぁ何やってるんだかというお話なのですが、その辺のところをダラダラと書いてみます。
総務省電波利用ホームページというサイトの無線局等情報検索を使うと日本中の放送局の一覧を比較的容易に調べることができます。たとえば東北放送のFM補完放送の無線局免許状等情報は
https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?pageID=4&IT=I&DFCD=0001207448&DD=1&styleNumber=01
で知ることができます。このページでは*印表記な伏せ字の部分(免許番号とか中継局の住所の大字以下など)を除いて、免許人(放送会社の社名)とか周波数と出力とかそういう程度の内容なら公表されているのです。
このURLの?の後の部分は、たぶんpageID=4は詳細情報の画面であること、styleNumber=01はそれが基幹放送局に関するものであること。アマチュア無線局だとstyleNumber=50なんだそうです。何でそんなことがわかるのかというと、そういうことを調べている方のブログを見つけてしまったからです。順序が前後しますが、IT=Iは東北総合通信局の管轄であるということ。そしてDFCD=0001207448は・・・これが何だか分からないのです。免許番号なのかなと思ったのですが、免許番号を公表しているコミュニティFM局で突き合わせてみるとどうやら違う。でもこの番号が各無線局(放送局だって無線局である)に付けられた番号であることは間違いないところだと思われます。ところが、この番号はweb-API機能を用いたデータの一括ダウンロードでは表示されないのです。
これまで面倒なことになりそうな予感があったのでこのDFCDという「謎のコード」(たぶんCDはコード(code)の略、DFが何なのかが分からない)に立ち入って来なかったのですが、せっかくの大型連休だし、この「謎のコード」を一つ一つ書き留めてみようと思い立ったのでした。冒頭述べたパソコンに向かってシコシコと・・・ってそういう事です。
- AM・短波は625局
- FMは2204局!
これだけの数が検索で引っかかってきます。私は「ラジオ番組表」(三才ブックス刊)巻末の周波数一覧と照合する目的で使っているのでVICSの分は見なかったことにして、それでも2000以上あります。何日掛かったんだろう。気の遠くなる作業でした。で書き写し終わったらEXCELの並べ替えを使ってその謎のコードの順に並べ替えます。1番は東京かな・・・違います。一番小さい数字は1523(正確には0000001523、10ケタの番号です)。どこでしょう。豊見城市、沖縄のNHKラジオ第一です。
はじめは沖縄のAM,FMが並びますが、その次は3800番台に飛び、北陸地方になります。そのあとは信越地方、四国地方、あれっ四国の間に時々信越が戻ってくる。そのうち四国と信越が交互に現れ、中国地方、北海道地方と移っていきます。そして破綻が生じます。
- 広島県三次市のNHK-FMと北海道松前町のNHKラジオ第一が同じ8720.
- 広島県大崎上島町のNHK-FMと北海道広尾町のNHKラジオ第一が同じ8723.
- 山口県下関市(豊田町)のNHK-FMと北海道遠別町のNHKラジオ第一が同じ8731.
- 山口県岩国市のNHK-FMと北海道遠別町のNHKラジオ第二が同じ8732.
- 山口県長門市のNHK-FMと北海道今金町(北檜山)のNHKラジオ第二が同じ8733.
これらはFMとAMでした。この後NHK-FMどうしでダブりが出てきます。
- 北海道岩内町と広島県北広島町(大朝町)が同じ8953.
- 北海道留萌市と島根県雲南市(旧・木次市)が同じ8958.
- 北海道遠軽町と岡山県倉敷市(児島)が同じ8967.が同じ8968.
- 北海道平取町(振内)と鳥取県日野町が同じ9052.
そのうちNHK-FMと民放FMとのダブりも出てきます。
もちろん民放AMとのダブりもあります。
そしたらコミュニティFMとのダブりだってあります。
まだ出ていないパターンは民放FMと民放AM。
民放FM同士の例もあります。
まぁナンダカンダで25通りの謎のコードの重複が見つかりました。何でこんなことになったのか私には分からないのだけど、同一の地方総合通信局管内であれば謎のコードの重複は無いようなので、総合通信局のコードと謎のコードの2つをセットで使えばすべての無線局を一意に指定できるのだと思われます。
ところで、「謎のコード」の元ネタは
CIC
というアマチュア無線家の方のブログです。この方は無線局等情報検索を利用していろいろなデータをまとめていらっしゃるのですが、その中に東北地方のアマチュア無線局一覧がありまして、ちょっとダウンロードしてみたら、ちょっとでは済みませんでした。だって4万件以上あるんだもん。それでもパソコンは一瞬で謎のコード順に並べ変えてくれます。
最も小さい数字は300676.福島県の個人の方に充てられています。たぶんその方が特別な人というわけでは無いかと思います。大まかに言ってJA7なにがしのコールサインの方、団体が並び、次いでJH7なにがしの方が並びます。コールサインは基本的にJなんとか7のあとにアルファベット3文字というのが基本です。例外はあります。7というのは東北地方で電波を出しているアマチュア無線局につけられる数字です。
ところが、JH7なにがしというアマチュア無線局の並びの中に放送局が入ってくることがあります。謎のコード30万台(正確には0000303805のような10ケタの文字列)はアマチュア無線局にも放送局にも割り振られているのです。ちなみに303805は富山県のコミュニティFM、ラジオ・ミュー(親局は富山県黒部市)の富山県朝日町にある中継局に充てられた番号です。ほかにも北陸や北海道のFM局やコミュニティFM局がいくつかあります。そうこうしているうちにここでも矛盾、はじめました。
- 山形県のとあるアマチュア無線局と北海道北広島市のコミュニティFM局・FMメイプルが同じ328233.
- 宮城県のとあるアマチュア無線局と岡山市のコミュニティFM局・レディオモモの親局が同じ345005.
いつしか紛れ込んでくるのが中国地方の局になりました。これが民放FM、コミュニティFM、AM局のFM補完放送と種類もいろいろになります。そのあとは北陸地方のFM補完放送が紛れ込んできます。そしてその時は来ました。
謎のコード42万台、主にJN7なにがしの無線局が多くなってきたところで謎のコード43万台、ここに福島県のコミュニティFM、FM ポコ(福島市)、FM愛’s(会津若松市)、FMいわき(いわき市)に始まり、FM局、コミュニティFM、FM補完放送、AMラジオ放送の別なく26局、その後に四国地方と北海道地方の放送局が56局が並ぶのです。
それらが終わるとアマチュア無線局が謎のコード54万台から再開されます。ここでは九州、信越、東海、信越の順に放送局が紛れ込んできます。謎のコード58万台の途中からアマチュア無線局が無くなり信越、近畿、北海道、中国の放送局が固まって並びます。それらが終わるとアマチュア無線局が謎のコード94万台から再開。そして95万台に入ると、新しい局面が登場します。東北にコミュニティFM局が紛れ込んでくるのです。つまり、この辺まで来ると、アマチュア無線もコミュニティFMも関係無く番号を割り振っているようなのです。
しばらく考えてひねり出した仮説は、免許日が近かったから連続した番号を割り振ったのではないか、つまり総合通信局が決裁した順序なのではないかというものです。検証してみましょう。まず最初に出てくる例は
喜多方シティエフエムの開局日は平成15年8月5日。免許交付日は8月4日。
その直前に並んでいるアマチュア無線局は免許日が平成30年8月7日。直後に並んでいるアマチュア無線局は免許日が平成30年8月19日。無線局の有効期限は5年なので、平成15年8月に免許を取得もしくは更新した局であるである可能性が高い。しかし日付の順序が違う。仮説破れたり。
Wikipediaによると運用開始日は平成16年12月1日。
その直前に並んでいるアマチュア無線局は免許日が令和元年11月19日、26日。直後に並んでいるアマチュア無線局は免許日が令和元年12月3日。これらの局が15年前から継続的に免許を更新しているとすれば15年前にこれらのアマチュア無線局に並んで番号をつけられた可能性が高い。
ところで、令和元年11月19日、16日、12月3日。いずれも火曜日です。東北総合通信局はアマチュア無線局の免許更新を毎週火曜日付で行っているのだろうか。
開局日は平成17年12月19日、免許交付は12月15日。予備免許交付は10月18日。
その直前に並んでいるアマチュア無線局は免許日が平成27年10月17日、18日。直後に並んでいるアマチュア無線局は免許日が20日、21日。今回は本免許ではなく予備免許の時に謎のコードが付いたことになる? 10月17日、18日は土日なんだけど、この当時は曜日に関係無く交付(たぶん新規ではなく更新)されていたのだろうか。
中継局は3局あり平成26年4月1日に3局同時に開局、免許付与も同時で3月24日なのだけど、これについては後述します。
なお、カシオペアFMは局のサイトで免許番号が「東放第6709号」であると公表しています。免許番号と謎のコードが同じ番号ではないということがこれで分かります。
これらのことから予備免許時に謎のコードが付いたのだろうと推測することにします。実際、カシオペアFMの後に開局しているコミュニティFM局や秋田放送東成瀬局(秋田県東成瀬村)はそうなっています。以下、ちょっと例外的かなと思うものだけを取り上げます。
ここは平成29年8月7日が免許日であるアマチュア無線局に囲まれているのです。同時期ではあるのだけど日付順ではありません。
でも直前が平成28年2月18日、直後が22日で、同時期ではあるのだけど日付順ではありません。
これらのことを利用すると、ハーバーRADIO(山形県酒田市)の親局や3つの中継局、FM One(岩手県花巻市)の中継局は予備免許日が分からないのですが、たぶん謎のコードの並び順からその近辺のアマチュア無線局の免許日の近辺なのだろうなと推測できます。
この局はWikipediaを見てもらえば開局の経緯が特殊であることが分かります。イベント放送局→いったん閉局→臨時災害放送局(雪害対策用)→東日本大震災(臨時災害放送局は終了していたが免許期間は残っていたので放送再開)→コミュニティFM。だから予備免許はたぶんありません。謎のコードの並びは直前が平成28年3月17日、直後が28日、30日。なのでコミュニティFMの免許をもらったときにコード番号が付いたことになります。中継局が8局ありますがこれらは予備免許付与時にコード番号が付いたものと思われます。
この局が特殊なのは、開局当時親局と花泉、室根山の中継局2局が同時に免許されたのだけど、後にその中継局2局は免許人が一関市に変更され免許のカテゴリーもコミュニティ放送局から受信障害対策中継放送に変更されたという点です。
変更になる前に一関市が免許人となった中継局が1局あり、謎のコードは1139064.、その後変更になったものと新たに設置されたもの計5局は謎のコードが1141806,07,09,10,11. 2局の連番が変更になった局で3局の連番が新たに設置された局ではないかと推測するのですが、それがどの中継局なのかが分かりません。この検索制度は市区町村より下の地名は公表する必要が無いとして載せないことにしているからです。私が知りたいのはその下の部分なのですが。コードの並びから平成25年3月ごろのことと思われます(Wikipediaでは平成25年4月9日に2局が変更、9月1日に3局設置)。FMあすもの局のサイトでは石蔵山送信所(親局)、花泉、室根山、東山、千厩、津谷川、大籠の順に並んでいますが。また、検索では6つの中継局のうち1局だけ出力が10Wだとあるのですが、局のサイトではすべての中継局で出力20Wとしているのも謎なのです。謎のコードと局のサイトで並び順が同一なのであれば千厩局が10Wということになるのですが。
本免許の付与日、開局日は同一なのだけど、謎のコードの並びは違っています。
1局は宮古ハーバーラジオ(岩手県宮古市)の3中継局と同時で謎のコードも4局連番。前後は平成30年11月29日付のアマチュア無線局→カシオペアFM→宮古ハーバーラジオ→12月3日付のアマチュア無線局なので、平成25年11月末か12月初めに予備免許が付与されたと推測されます。
他の2局は平成31年2月13日付のアマチュア無線局と2月18日、14日付のアマチュア無線局にはさまれているので平成26年2月に予備免許が付与されたと推測されます。
親局は臨時災害放送局からの転換で、親局と2つの中継局が平成25年8月26日に開局します。中継局がそのほかに5局あり、最初の3局は上述の通り平成25年11月末か12月初めに予備免許が付与されたと推測されます。同様の推測で送信場所が岩手県山田町になる中継局1局が平成26年1月、宮古市にもう1局中継局が平成26年2月に予備免許が付与されたと推測されます。
しかし、中継局のうちの1局は宮古市田老地区で臨時災害放送局「みやこたろうさいがいエフエム」として平成26年3月末までみやこさいがいエフエム→宮古ハーバーラジオの再送信をしていたはずなのです。そんなに早く予備免許を出すかなという疑問は残ります。
謎のコードの並び順でこの次に現れる放送局は、やはり臨時災害放送局からの転換となる「なとらじ」(宮城県名取市)なのですが、予備免許の付与は平成26年12月18日、コミュニティFM化されるのは平成27年3月1日とかなり早めに予備免許が出ています。
そんなこんなありましたが、令和元年12月に予備免許が出た奥州エフエム米里局(岩手県奥州市)までが東北地方のアマチュア無線局の並びの中に出てきます。
もちろん他地方の放送局もちらちらと登場します。そして他地方の放送局と東北地方のアマチュア無線局とで謎のコードが同一番号になる例が15通り見つけられました。もしかしたら数え間違いがあるかもしれませんが、まぁ4万もあれば10や20のダブりはあるということです。ただ救いは東北地方内でのダブりは無いということです。
謎のコード125万5千番台の途中で東北地方のアマチュア無線局の並びは終わり、以後は放送局の並びになります。新しめの局が多いようです。もしかすると他地方のアマチュア無線局や業務用無線局が合間合間に並んでいるのかもしれませんが、面倒なので調べません。特に関東地方の新しめの局には200万、300万、400万という大きな数字が割り振られています。
連休の終わりに書き始めたのに書き終わったのが連休後の週末になってしまった。余計なことを調べ始めるとどうしても遅くなる。手早く情報を処理する能力を身に着けないといかんな。
*1:法律上は再送信ではなく「再放送」と呼ぶことになったのだけど、なんかややこしい感じがするので勝手に言い換えています