今年放送を止めた放送局について 2022春

今年に入って放送を止めた放送局がいくつかあります。大した内容は無いのだけど3つほど記しておきます。

ひとつめは、昨秋に閉局が公表されていた大阪府枚方市の「FMひらかた」。
予定通り2月28日にその歴史を閉じました。MBSテレビが密着取材をしていたようで、ドキュメンタリー番組「映像'22」で放送されたそうなので、ぜひ東北放送はネットしていただきたいと願います。閉局後、中の人はTwitterを継続し今年の3月11日前後にこちらを訪ねた話とか防災情報をつぶやき続けているようです。ことしの3.11に向けて制作した番組がギャラクシー賞に入賞したそうです。
さて、3月のうちに紹介したかったのですが、今年の3月11日にMBSテレビのニュースで放送されたものがアップされています。
大勢のリスナーに惜しまれ『FMひらかた』が25年の歴史に幕 東日本大震災の被災地と相互放送し防災など情報発信 最後の2か月間を取材 | 特集 | MBSニュース
何故か宮城県岩沼市の「FMいわぬま」が登場します。何故? 周波数が同じ77.9MHzだったのです。その縁で2局をつなぐ番組が放送されていたのです。4月からも毎週第1金曜日の夕方5時台にその番組は継続されることになりました。次回は5月6日になります。

ふたつめはニュースにもなっていますが、北海道北見市の「FMオホーツク」。
無線資格を持っていた社長の死により放送が継続できなくなったとして2月12日から放送を休止しているのだそうです。
FMオホーツク、11日で休止 社長死去で継続困難 生放送「楽しく終わる」:北海道新聞 どうしん電子版 (※会員登録しないと全文は読めません)
経営のことを考えればできるだけ少ない人数でやることが必要なのでしょうが、一人いなくなっただけで放送が継続できないというのはいくらなんでも切り詰めすぎに思います。14年近く続いてきたコミュニティFMが無くなるのはもったいない話なので誰か跡を継いでくれる人が現れてくれればよいのですが。

みっつめは放送局ではなく中継局の閉局です。
静岡県島田市の「FM島田」(g-sky76.5)は島田市や南隣の榛原郡吉田町などを放送区域に持つコミュニティFM局です。これまで親局のほかに島田市内に6局、吉田町に1局の中継局がありました。その島田市内の6局のうち5局を3月末で休止しました。調べると昨年8月のうちにニュースになっていました。
FM島田、中継局5カ所休止へ 通信インフラ普及で|あなたの静岡新聞
中継局を休止する理由はインターネットラジオで聴けるから。
FM島田 中継局の休止のお知らせ / g-sky FM島田76.5
ええぇー?!って私は思うのですが、コミュニティFMの中継局レベルの施設ですら維持するお金が出せないということなのでしょう。静岡新聞の記事によれば『休止するのは市が設置する伊久美、北五和、初倉南とFM島田が設置する金谷、笹間の中継局。家山中継局は存続する。』ということで自ら設置した局と市に建ててもらった公設民営の局があったようです。島田市大井川鉄道が走っている町なのですね。金谷、北五和、家山は大井川鉄道の沿線(駅名としては新金谷、福用、家山)ですが、伊久美、笹間は東に外れた山の中。中継局を廃止して大丈夫なの? とよその町のことながら心配になります。(初倉南(南原)は吉田町に近いところにある)。
マスメディア集中排除原則の制限緩和について話し合っている総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」には「小規模中継局等のブロードバンド等による代替に関する作業チーム」があります。地デジの話ではあるのですが、大規模中継局にはお金がかからないが小規模中継局にはお金がかかるんだそうですって。だから特に規模の小さいミニサテライト局や共聴組合の設備をブロードバンド回線に代替できないかと企てているようです。放送と通信の融合って、送信アンテナに金掛けれてらんねえからフレッツ光でテレビ見てスマホでラジオ聴いてくれ、ってことだったんだっけ? なんか違うような気がするんだけど。私が石頭なだけなのか?