エフエムなとり、株式会社化?

月末になると市の広報紙「広報なとり」やもろもろの広報紙がポスティングされます。以前は行政区長さんが一軒一軒配って回っていたのですが、行政区長のなり手不足解消のためなのか何なのか分かりませんが何年か前からポスティング業者に配達を委託するようになりました。
今回の配布物の中には3か月に一度発行される「なとり市議会だより」もあるのですが、それを読んでいたら妙な記述がありました。7ページ、「議員協議会(1月12日)」という項の中に

○(仮称)株式会社エフエムなとり設立に係る出資等について
 現在、市の行政情報や災害時における緊急情報の発信など防災行政の一翼を担っているコミュニティエフエム「なとらじ801」を運営する、特定非営利活動法人エフエムなとりが株式会社設立に向け準備を進めており、市に出資等を要請されていることの説明がありました。

名取市コミュニティFM局エフエムなとり(なとらじ801)は局のサイトの法人概要のページに書いてある通り法人名としては「特定非営利活動法人エフエムなとり」。わざわざ「資本金 0円」と明記してあり、株式会社ではなくNPO法人であることを表しています。「設立日 2012年7月20日」。これは開局日(臨時災害放送局としては2011年4月10日)の後で、NPO法人格を取ることで臨時災害放送局を立ち上げたメンバーから臨時災害放送局の運営を引き継いだことになります。このとき何があったのかは興味のあるところですが今のところ闇の中です。2015年3月1日にコミュニティ放送局となり、7年が経ったのですね。
NPO法人としての決算報告書もアップされているので眺めてみると、NPO法人の会員の会費収入は552,000円。たしか個人の正会員は1万円、賛助会員は3千円だったかと思うのだけど、そんなに会員の数は多くなさそうだなという気はします。私は会員にはなっていません。名取市からの補助金名取市の予算の項目としては「行政情報放送委託料」)となる「受託事業収益」が2千万円弱あって、これが最も金額の多い費目。経常利益に当たるであろう「当期正味財産増減額」は984,448円(数字はいずれも第9期、令和2年4月から令和3年3月までのもの)。名取市からの補助金で黒字を維持できているという感じのようです。
もちろんコミュニティFMは無いよりあったほうがいいわけだしある以上は赤字にあえぐより黒字のほうがよいわけです。コミュニティFMの大先輩、お隣岩沼市のエフエムいわぬまは第三セクター、なとりと同じ臨時災害放送局をルーツに持つ亘理町のFMあおぞらは県内唯一の「きらら方式」を採用する株式会社。局によって運営会社の中味はまちまちです
議員協議会で話があったというのは正式な議案にはまだ至っていないということなのでしょう。市がどれくらい出資してどれくらいの放送委託料を支出するのが適正なのかというのが分からないので私に良し悪しは判断できません。しばらく成り行きを見守ることになります。