「ONE-J」とは何だったのか

この春スタートしたJRN系列の大型ワイド番組「地方創生プログラムONE-J」。

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地方創生プログラムONE-J

その番組名から政府広報に違いない、いや電気事業連合会がバックについてるのかもしれない、JはジャパネットのJじゃないの、といった声が5ちゃんねる内に渦巻き、東京のTBSラジオ*1に先駆けて改編発表した北海道のHBCラジオが一旦この番組の紹介を非表示にしたこともスポンサーの圧力説を裏付けるものと捉えられ*2、また全国でただ一局だけネットしないのが青森放送であることも謎を呼びました。
4月4日朝8時にスタートしたわけですが、1か月聴いていて毎週入るCMは(TBCラジオだけかな?)番組最初のCM枠で「着る岩盤浴」を作っている加茂繊維のCMがひとつ入るのと、9:20-9:50の部分の冠スポンサーになっている共立メンテナンスのCMがその時間帯に入る程度。特定の提供企業はアナウンスされないし、政府広報の時間も無いし、共立枠以外の放送内容がどこかの企業のステマな感じもしません。
基本的には各地方のラジオのリポーターさんだったり本当に素人さんだったりにその地元ならではの話題を紹介してもらうというものです。9:20-9:50頃の「共立リゾートpresents 〜新たな発見を綴る〜旅ノオト」は共立リゾートの施設が建つあるひとつの土地を1か月掛けていろんな角度から紹介するもので、これも生放送です。このコーナーのみradikoタイムフリーとは別にSpotifyポッドキャストサービスAnchorで聴けるようです。そんなこと番組で言ってたっけ?
ONE-J「共立リゾートpresents 〜新たな発見を綴る〜旅ノオト」 • A podcast on Anchor
有村昆(アリコン)さんの映画コーナーはコーナー名こそ「ア○○ンプライム」のパクリですが、単に映画を紹介するのではなく「るろうに剣心」は滋賀県がロケ地となっているという点を紹介したり、そうかと思えば伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」を例に名所旧跡ではない生活の一部がロケ地として使われていることを紹介したり、地方創生を観点にした紹介になっています。
本仮屋ユイカちゃんはハイテンションかと思えば言いまつがいの指摘を受けて落ち込んだり、とにかく全力全開で臨んでいる感じ。こんな人なんだなと印象を新たにするのでした。一方オープニングテーマやサウンドステッカーはレゲエ調の脱力的な日曜の朝にちょうどいい感じ(番組ホームページにようつべのリンクがあります)。ユイカちゃんとアリコンさんのコンビネーションも悪くないし、番組内容も2時間ラジオをつけっぱなしにして聴いていられるいい感じだと私は受け取っています。
フリーペーパー「TBSラジオPRESS」改め「オトビヨリ」4月号に掲載されているであろう(表紙の顔でもある)ユイカちゃんとアリコンさんのインタビューがwebに上がっているのですが、ユイカちゃんはマネージャーさんが「この番組のオファーの話を伝えたら彼女の頭の中がラジオ一色になってしまう」と伝えるのをためらったという程のラジオ好きなのだそうで。
「テレビではひろえない情報を」本仮屋ユイカ&有村昆が全国をつなぐ新番組「ONE-J」

去年から東京電力中部電力の合弁で火力発電をする会社JERAがプロ野球セントラルリーグ公式戦の冠スポンサーについている例はありますが、どうやら電気事業連合会が何かのスポンサーになっている例はなさそうです。何故青森放送だけが「ONE-J」のネットを受けなかったのかも結局分かりません。「ラジオ番組表」2021春号が発売されたあとで本稿を書き始めているので例の本の青森放送のページを見るのですが、これらのテープネットの番組がそれほど大事なのか、青森放送は土日もラジオのワイド番組があるのでこれらのテープネットの番組を移動させる余裕はないのだろうな、と妄想を膨らませているところです。
政府広報ですが3月で文化放送制作の「柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0」が終わり、さて4月からはどこの局がやるのだろうというのは謎としてありました。その答えが見つからないままTBCラジオDate fmのタイムテーブルのpdfをダウンロードしプリントアウトして眺めていますと、まさか、というところに見つけてしまいました。Date fmの日曜の朝7:30に『青木源太足立梨花 Sunday Collection』という番組名が書いてあり、その脇にスポンサー名が『(内閣府)』。
青木源太さんはジャニーズオタク、足立梨花ちゃんはアニメオタク、この2人がやるなら普通はヲタ活の番組です。だからこの番組が政府広報だとは思いもよりませんでした。しかし番組ホームページを見ると間違いなく政府広報で、番組紹介として『毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。』と書かれていて、推しってそういう使い方なのか、と向きの違いに驚きました。
FMOH!もといFM大阪だけが日曜の夜、他のJFN計37局は日曜の朝に放送されています。「ジャパン5.0」と違って全国フルネットです。
青木源太・足立梨花 Sunday Collection - TOKYO FM / JFN -
第1回のアーカイブを聴いてみると、ゲストが「送別会」でおなじみ厚労省老健局の職員の方で、おおぉっと思ったり(この職員の方が問題の送別会に出たかどうかは分かりません、出たのは幹部だろうとは思いますが。送別会とは無関係にこの企画が立ち上がり番組の収録が行われていたことでしょうし)。
こんなところで話を終りにしようと思ったのですが、それから1か月、久しぶりに番組ホームページを見るとあだっちぃが髪をバッサリ切っていてびっくり。これはこれでかわいいからいいけど。今週の放送もホームページから聞けますがradikoタイムフリーで聴きました。曲が掛かる時間の分だけホームページのアーカイブは再生時間が短くなっていることがわかります。

とっとと「ONE-J」の感想をアップしないでいたら、4月25日に新たな情報を知りました。「ONE-J」は経済産業省がバックについているというのです。TBSラジオの「ONE-J」の番組ホームページを見てみると、・・・ほんまや。番組が始まった頃にはなかったはずの、『後援:経済産業省』という経済産業省のバナーが。クリックしてもリンクはされていません。
経済産業省と言えば言わずと知れた原子力を含むエネルギー政策の元締めではないですか。省のサイトの検索窓にONE-Jとかラジオとか入れても関係ありそうな情報は見つけられませんでした。具体的にどのようにつながっているのかはちょっとわかりません。ただ、省のサイトで「政策一覧」というところに6つのタイルがあるのですが、そのうちのひとつに「中小企業・地域経済産業」というものがあって、政策と関連性がありそうなんだろうなという気はします。
まぁ番組は聴けて楽しいことが第一で、それはクリアできていると思うのでしばらく聴き続けるつもりです。

*1:この番組のキー局ではない(あくまで32社共同制作である)と自称している

*2:過去に他局ですが『三菱電機プレゼンツ 鈴木亮平 Going Up』が一部地方局で改編情報として一旦アップされたあと取り下げられ、制作局のニッポン放送で公表されてから改めてアップされるという事態がありました。