2019夏ドラマレビュー第一章

拙blogはドラマレビューブログとして開設したはずなのですが、いまや(東日本放送じゃない方の)5ちゃんねるの東北放送スレでコメント欄にコメントを下さる人たちについて論じられる異常者のブログ扱いになっているようです。これはイグナイ。さらっとでもドラマについて書かねば。と今季見ているドラマの感想を頭の中でまとめつつ、溜まりに溜まった放送関係のコメントのお返事を書くのに気を取られずるずる・・・お盆休みが終わってしまった。


TBS小林豊アナがアナウンサー廃業だって? - みむめもーど
でも触れましたが、今季は洋ちゃんと小林豊アナを見るために『東京フレンドパーク』を見たこともあってTBS系の連ドラ3本の第1話は見ました。
『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』。
「諦観」という言葉を覚えました。諦めの境地というか悟りを開くというかすると自然と微笑みの表情になるのですね。
このオーナーのパーソナリティはどのように培われたのかを考えるミステリーと割り切れば見続けられるはずだと思うの(石原さとみさまのご尊顔を3か月間見続けられる歓びを思えば見続けられるはず)だけど、ごめんなさい。
たぶん今ごろはお店のスタッフ一人一人のエピソードが終わってそこまで頑張って見続けた人はお店への愛着が出てきて最後まで完走できるようになっていると思うんですけどね。なんだか石原さとみちゃんのドラマをちゃんと見られないな。去年は『アンナチュラル』を見ないという大失態を犯してしまったし『高嶺の花』も途中から見なくなっちゃったし。
ノーサイド・ゲーム』。
第1話の録画を見る前に父がザッピングしていて偶然チャンネルを合わせた第2話のエンディングを先に見てしまいまして、ラグビードラマである前にビジネスというか企業内の権力闘争のドラマだったんだなと気を引き締めるのでした。
第5話、トップリーグもといプラチナリーグの最終戦で惜しくも優勝を逸したところまで見ました。ラグビーと会社の話と家庭の話がちょうどいい塩梅で楽しく観られます。松さんが鬼嫁で(笑)息子さんたちがいい子で洋ちゃんは鬼嫁に尻を叩かれながらもいいお父さんになってる。ラグビー部の監督に招いた大谷亮平さんと洋ちゃんとの学生時代のぎくしゃくしたエピソードとか優勝という目標に向かって進んでいく姿とか見ていて楽しくて仕方ありません。最終戦直前のロッカールームでの円陣では私も泣きそうになりました。低迷していたチームをここまで持ってきたのはすごいと思います。それと常にGM洋ちゃんの傍らにいるアナリストのメガネっ娘笹本玲奈さんがかわいい。会社では社長の西郷輝彦さんの存在感、さすがスター。もちろん常務の上川隆也さんのやり手っぷりもさすが。この点は『半沢直樹』以来の伝統芸が遺憾なく発揮されています。そういえば、伝統芸の主、福澤克雄さんって慶応でラグビー部だったんだっけ。
『凪のお暇』。
新聞のラテ欄では「(なぎのおいとま)」と読みが書かれています。黒木華さん演じる凪ちゃんという女性がお暇をもらうのです。あっ黒木華(くろき・はる)さんもふりがなが必要な名前ですね。空気を読み過ぎる女性が心が折れて人生をリセットする話。
女性の同僚との付き合いって気疲れするんでしょうね。「女子アナみたい」と言われるのも実はディスられているのだ*1と頭をフル回転させて返事を考えなければならないマウンティングの日々。他人の心が分からない私でもあんな日常は針のムシロになりそうで嫌だ。そして結婚を考えていた彼氏が同僚に、あいつはセフレだ、的なことを言っているのを見てしまったらそりゃ傷つかない訳がない。
新居のボロアパート。確固たる自身を持っている小学生の女の子、たくましく生きているおひとりさまのおばあさん、そしてパリピなお隣さん。私が信頼する日刊スポーツ梅田恵子記者のコラム『梅ちゃんねる』のドラマ評で『「すいか」(03年、日テレ)っぽい傑作の予感』と持ち上げられていて驚いたのですが、『すいか』との違いは恋愛要素が入っていること。
(『すいか』といえば、『すいか』にも出ていた市川実日子ちゃんがリセット後の凪ちゃんの最初の友達という役どころで出ていますが、彼女だけ話のベクトルが『悪魔のKISS』(1993年、フジ)になっているような気が・・・。)
追いかけてくる彼氏を振りほどいて空っぽになっているところに目の前の女性には極めて誠実なお隣さんに優しくされたら、そりゃ堕ちますよ。俺だって堕ちる。「メンヘラ製造機」とはよく名付けたものだ。容量用法を守って正しく服用しないとダメになる。22時台のドラマだから深く追及しないけど、凪ちゃんってセックス好きなのかな。「青春」(甘くただれた日々を女子小学生なりにオブラートに包んだ言い回し)を謳歌していたわけだし。逆によくゾンビから真人間に戻れたなと感心してしまいました。
第1話の最後で号泣しながらオカマバーのママに凪ちゃんの良さを力説する高橋一生さんの姿に、これ第1話で見せちゃっていいのかなと戸惑ったのですが、二人の心と言葉のすれ違いが人間ドラマに深みを出しているのかな。ただ、一生さん演じる河相もとい我聞さんも空気を読むことに関しては相当の能力者だと思います。そんな彼にも凪ちゃんの面影もある「圧倒的に顔が可愛い」後輩が現れて新しいオフィスラブの予感。
というわけで第5話まで見終えました。番組タイトルの出し方、凪ちゃんが迷ったときに選択肢のセリフが周囲のものに浮かび上がってくるテロップの出し方、スタッフロールが一枚板に凝縮されていることといった演出にも目を引くものがありますが、再リセットされた凪ちゃんのこれからも楽しみです。たぶん天然パーマを毛嫌いする母親との「タイトルマッチ」がひとつの到達点になるのでしょう。片平なぎさ怖そう。


さて、そんな『凪のお暇』の裏にとんでもないものをぶつけてきた局があります。3週連続ジブリ? じゃなくて民業圧迫NHKです。
『これは経費で落ちません!』。
『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜』以来2年ぶりにNHK金曜ドラマ「ドラマ10」枠に多部未華子さまが登場しているではありませんか。気が付かなくて第1話を見ていません(ゲストでチコちゃん(5さい)が出ていたらしいですね)。第2話から見始めました。幸い本作には再放送があるので私の不規則な勤務シフトと相談しながら『凪のお暇』と本作のどちらかを録画予約して過ごしています。まさに二兎を追う生活。
多部ちゃんの役どころは会社で使うお金が経費で落ちるかどうかを審査する経理課のOL。他の部署から持ち込まれる請求書などの書類から不審な点を見つけてしまい、自身のポリシー「ウサギを追うな」に背いて深く追及してしまうのでした。しかし一方を否定するわけでは無く「イーブン」な結論を導くので経費で落ちなくても悪く思われるわけではありません。私はサラリーマン生活をしたことが無いので実感としては分からない世界ですが、サラリーマンの皆さんにとっては週の終わりに、あぁわかるぅ、と思いながら見ることができるのではないでしょうか(・・・って近頃拙blogのコメント欄に寄って来るような人たちって真っ当な生活をしている人たちなのだろうか・・・?)
余談ですが、制服マジックか多部ちゃんのみならず同僚役の伊藤沙莉さんまで可愛く見えてしまいます。第4話では総務のお局様の役で平岩紙さんも出ていましたが、さすがにそれなりの歳なんだなと思ってしまいました。多部ちゃんや紙ちゃんのかわいらしさについては私が力説せずとも、たとえば「はてなアンテナ」の中に入れているブログ『投げヤリズム』を読んでいただければと思います。多部ちゃんの表情を愛でるだけでも楽しい時間を過ごせます。いちおう恋愛要素もあり多部ちゃんのことを好きになってしまった男性社員に猛アタックされているのだけど多部ちゃんはあまり乗り気ではありません。
スタッフロールを見ていて、演出:中島悟と書いてあって驚きました。だって中島さんって今や日テレの・・・と思っていると案の定、制作:NHK AX-ONと表示されるのでした。AX-ON日テレアックスオン)はちょいちょいNHKでドラマを作っているんですよね。本作は初めからNHKで放送するつもりで作ったのかな、それとも日テレ水曜ドラマで放送できなくてNHKに持ってったのかな(日テレでやるなら土曜より水曜向けな気がする、日曜は無いな)。

今季見ているドラマはもう1作。
『監察医 朝顔』。
月9にとっては2期連続の医療モノ。法医学教室が舞台になるのは『ヴォイス〜命なき者の声〜』以来およそ10年ぶりだと思います(『ヴォイス』は法医学の学生たちの推理モノって感じの印象が残っているけど実際はどんなんだったっけ。石原さとみさまが学生役で出ていて教授役が時任三郎さんでした)。
とはいえ、朝顔という珍しい名前の女の子(上野樹里さん)が勤める法医学教室、その父親(時任三郎さん)と彼氏(風間俊介さん)が勤める警察、そして家庭と舞台は3つあるので、法医学のお仕事モノというよりは父と娘のドラマという比重の方が大きいかもしれません。
そのことを思い知らされることになったのは第1話。御多分に漏れず初回放送時間拡大のはずなのに普通の時間で事件は解決してしまいました。事件が解決したし休暇を取っておじいちゃんの家へ遊びに行くことになり、高速バスに乗って・・・これって三陸鉄道じゃねぇ? とある架空の地名の駅に着きました。「・・・無理。」。
体を震わせ降りられないことを訴え、父親だけが降り娘は汽車から降りず東京に戻っていくのでした。そしてそれが2011年のあの津波のトラウマであることを知り、私は衝撃を受けるのでした。あの日、母親と娘とで当地に居て地震に遭い、その後母親は行方不明に。抜け殻になっていたところに遺体安置所で現在の勤め先の上司である法医学の先生と出会うことになるという重要なシーンでした。父親は? 今でも独りで見つからない妻の捜索を続け妻の父から疎んじられているのでした。
原作では母親は阪神・淡路大震災の時にクラッシュ・シンドロームで亡くなっているとネットニュースで知りました(例によって原作は読んでいません)。しかし同じ震災でも津波で行方不明と設定が変わったことが何となく家庭に影を落としているような気がします。あの教授、山口智子さんとの出会いや関係性など(原作を知っている人には違和感があるのかもしれませんが)何の違和感も持たずに素直に受け入れて見ています。まぁぶっ飛んだ教授だなと思うところもありますが。ちなみに行方不明の母親の役は石田ひかりさん。「あまちゃん」では宮城県に住んでいる設定でしたっけ。本作とは関係無いけど被災地の人のイメージなのかな。
第3話って放送されたんだっけ、されたんですよね。その回だけ見ないでしまったのですが、第5話まで見ました。無事(?)結婚して第一章完結ということだそうで、第6話は5年後のお話になるのだそうです。てことは2024年の話か。それともこれまでの話が2014年の話だったのか。
余談ですが、平岩紙さんが法歯学者という役で出ています。法医学でも歯に特化しているのね。で法医学者の夫、板尾創路さんと夫婦で同じ法医学教室に勤めている設定です。時給につられてやってきたアルバイトの学生という役で志田未来ちゃんも出ていて、私には眼福でもあります。


ということで見続けている連ドラが4本もあるなんていつ以来だろう。幸せなことです。去年の夏なんて『高嶺の花』も『遺留捜査』も『ハゲタカ』も『dele』もみんな途中でフェードアウトしてしまって『この世界の片隅に』も録りっぱなしだから完走した連ドラはゼロという惨状だったのに(逆に途中から『ぎぼむす』を見始めたり、阿川佐和子さんが出ていた『チアダン』を見たり見なかったりはしていたのですが)。
去年の夏は『この世界の片隅に』の脚本を担当していた岡田恵和さんは今年の夏は『セミオトコ』を書いているんですね。ヒロインが木南晴夏ちゃんと知って見ようかどうか迷ったのだけど、セミ役の男の子(山田涼介さん)をキャー、イケメン。カワイイ!って言えるようじゃないと難しいかな。じゃあてめー、セミ役が玉木宏だったら見るのかよ、と聞かれるとそれはそれで困るのだが。主演が山田さんだし日テレ土曜ドラマでやりそうな感じのあらすじかなって気もするのですがテレ朝の金曜ナイトドラマなのね。何話だったかのオープニングをちらっと見てみたのだけど、阿川佐和子さんと檀ふみさんのコンビがセットで出てるのね。
最後に一つだけ。『ルパンの娘』は怪盗と刑事の恋物語というので『怪盗セイントテール』かと思ったら『ロメオとジュリエット』で『翔んで埼玉』なんだそうな。しかもきちんと原作の小説があるそうで。深キョンドロンジョ様姿だけ見られればいいかなって気はしていたのだけど、第1話を寝落ちしてしまってそのまま見ていない。ごめんなさい、深キョン

*1:そういえば紺野ぶるまさんの漫談で「「AKBに居そう」だなんて、もはや悪口」というネタを聞いて、凄えぇ、と思ったことがあります。