ラジオ番組表2019春号レビュー

平成も押し迫った4月27日、今年も三才ブックスから「ラジオ番組表」誌が発売されました。
三才ブックス・ラジオ班のTwitterアカウントでもつぶやかれていますが、10連休を本書と共に旅するのがおすすめの使い道だと思います。そういう点では時機を逸してしまった感もあるのですが、5月6日に放送されたNHK・民放ラジオ特別番組「今夜は一日民放ラジオ番組三昧 #このラジオがヤバい」をradikoタイムフリーで聴き返す際に、この番組は通常どの局で何時からやってるんだろうと調べる参考にもなるでしょうから、まだまだ使える本であります。


拙blogでは通常48,46グループに対するヘイトスピーチを許容していますが、このエントリに限り自粛をお願いします。
というのも、今号の表紙はAKB48 Team8のメンバーだからです。しかも通常版とAmazon限定版の2種類の表紙が企画されました。



都道府県から1名ずつ供出する形で結成されたTeam8が表紙というのは10連休、全国を旅するというコンセプトに合致した人選なのかもしれません。彼女たちの特集は巻末カラーページにあります。
余談ですが、昨春号の表紙は「レコメン!」月曜24時台パートナーの菅井友香さん(欅坂46)、一昨春号の表紙は「レコメン!」水曜24時台パートナーの堀未央奈さん(乃木坂46)と2年連続で坂道グループのメンバーが務めていました。まだ通販で手に入ると思います。AKB48メンバーの表紙は最近だと2014秋号で当時メンバーだった木崎ゆりあさんが務めています。


では1枚ずつページをめくっていきましょう。
表紙裏はMBSラジオの広告、その右のページはMBSラジオに出演している方のインタビューが載るのが恒例です。今号のMBSラジオの広告はradikoの番組バナーの数々。インタビューは「クリス松村のザ・ヒットスタジオ」の新しいパートナーに就任した向井地美音さんです。三代目J・・・ちがった三代目AKB48グループ総監督にも就任されました。レギュラーとして初めての出演を終えた後に、今後の抱負などを伺っています。
1枚めくると、この春の改編のうちキー局や全国ネットの番組についてまとめた「番組改編トピックス」。「オールナイトニッポン0(ZERO)」のラインナップが大きく変更されたのがトップ。お次は、TBSラジオで24年続いた報道番組「荒川強啓デイ・キャッチ!」に替わる新しい情報番組「ACTION」(関東ローカルの番組が大きく取り上げられるのは珍しいことです)。そのあとTOKYO FMJFNNHK第一NHK-FMのこの春の新番組が紹介され、文化放送の全国ネット番組の新出演者、ラジオNIKKEIの改編についても触れられています。番組数が多いからとはいえ、JFNNHKの枠が大きいこと。一時期このページでNHKは取り上げられなかったので個人的には感慨を覚えるものです。
もう1枚めくると「AM改編NEWS」。全国に47ある民放AM局のうち41局の改編について6ページに亘って書かれています。東北放送については日曜午前に宮田敬子さんがナビゲートしている音楽番組がリニューアルした件、「ずん」さんたちの番組が「イワイガワ」さんたちに替わった件、カラーボトル竹森マサユキさんの番組の放送時間変更、そして月曜夜のSNSバラエティ「スベル兄弟」のパーソナリティ変更と4件がコンパクトにまとめられています。もちろん全国的な話題になっているSTVラジオの土曜ワイド、文化放送の朝ワイド、ニッポン放送の午後ワイドなどもきちんと紹介されています。南海放送で杉作J太郎さんが全曜日にレギュラー出演するという働き方改革KBCラジオの出演者の写真の多さも目を引きます。東北放送でアナウンサー生活をスタートさせた小林徹夫アナがホークス戦実況を卒業して朝ワイドを担当することになったのですね。
お次のページは特別企画「#この○○がヤバい!」。ここ最近のラジオ界の話題が10件紹介されています。TBSラジオ安住紳一郎の日曜天国」が遂にradikoタイムフリーに対応したという本当にヤバい(危険な)ニュースから、ラジオ受信機やラジオに関するアプリなどのヤバい(有用な)ものまでいろいろあるので、何か役に立つかと思います。
カラーページの最後は好きなDJランキングの中間発表です。10月末に発売される秋号に最終結果が載りますので奥付のページにある投票券を切り取ってハガキに貼って送ると順位はいくらでも変わります。なぜなら、AM部門の1位が3月に終了した「日高晤郎ショーフォーエバー」のメンバー、2位が4月以降放送休止中の「NGT48のガチ!ガチ?カウントダウン」のメンバーなので、これ以上投票ができません(NGT48の番組は再開されたなら投票が可能になります)。投票できるのは放送中の番組の出演者に限られます。FM部門の1位は昨年3位だった、ふくしまFMの加藤漢太さんです。このままだと1位になってしまいます。コミュニティFM部門1位は昨年1位だった中田ちさとさんという方です。どんな方だったかと思って昨秋号のインタビューを読み返してみたら、AKB48出身のタレントさんなんですね。


ここからはモノクロページになります。
目次。「日本全国106局最新タイムテーブル」と書いてあるのだけど、昨秋より1局増えているということに気が付きませんでした。新規開局した放送局は無いはずなのに。AM局は全国に47、FM局は53あります(コミュニティFMは除く)。それにNHKラジオNIKKEIとi-dioAFN東京の今春のタイムテーブルが掲載されています。昨秋に関東地区での地上波FM放送を止めた放送大学は昨秋号から掲載されていません。
AM局(本書ではNBCラジオ佐賀も含め48のタイムテーブルを掲載している)のページが終わってその次のページを開き、私は絶句しました。NHKラジオ第1の番組表が載っているのです。
私が何に動揺しているか誰も分からないと思います。本書では長年にわたってNHKの番組表を独自に表組みして作成してきました。そのことはWikipediaにも説明されていて『NHKではタイムテーブルを発行していない〈毎年春の年1回に基本番組表を発行するのみ〉ため、独自の番組表が掲載される)』と書かれています。ここ数年はNHK経営情報のサイトで放送番組編成計画→国内放送番組のページを見ると春、秋ごとに「放送番組時刻表」のpdfファイルがダウンロードできるようになっていたのですが、それでも独自作成は続いていました。それがところどころ間違っていて困ったものだなと思い続けていました。そんなNHKの番組表が、今号、遂に、まるで民放のような出演者の写真入りのタイムテーブルとなって掲載されました。文化放送のタイムテーブルでは何を忖度し続けているのか顔写真が削除されているジャニーズメンバーの写真もNHK第1のタイムテーブルにはバッチリ載っています。これは独自作成ではないでしょう。NHKがこのようなタイムテーブルを製作していたとは知りませんでした。
次のページにはNHKラジオ第2とNHK-FMの番組表が載っています。これも昨秋号までの独自作成ではない、NHKで製作したものでしょう。
さて、昨秋号まではNHKの番組表は見開きの左側のページにラジオ第一と第二、右側のページにFMの番組表が独自作成で載っていました。これが今春号ではラジオ第1だけで他のAM/FM局並みの2ページ、ラジオ第2とFMは合わせて2ページ(細長い番組表が2つあります)。NHKのページが増えたことでそのあとのページに何か変化はあるのでしょうか。
気を取り直して、NHKの後はFM局のタイムテーブルになります。
余談なのですが、FM福岡のページを見ると「やまだひさしのラジアンリミテッドF」がJFN系列局で唯一ネットされておらず月曜から金曜の深夜2時台から4時台が「FM名曲コレクション」となっています。朝5時台と6時台は「よりぬき○○」という番組が並び、どうやら日中の番組の総集編らしいです。福岡にはFM局が3局ありますが、2局目のcross fmは24時台から(曜日によっては23時台から)朝5時台まで「music forest」というノンストップミュージックタイム。3局目のLOVE FMはは23時台から朝5時台まで「After Dark」「The Journey」「Sunrise」という3本のノンストップミュージックの番組が並びます。3局とも深夜はひたすら音楽を流しまくっているらしいことが伺えます。cross fmは訳あって経営権がDHCに移っており、田母神俊雄さんがDJの番組があったり「虎ノ門ニュース」というテレビ番組のようなタイトルの番組があったりします。LOVE FMも本来は外国語放送のFM局ですが西鉄が大株主のコミュニティFM局が免許を継承するという歴史があり、2018年4月以降RKB毎日ホールディングスも大株主の仲間入りをしたようです。今年1月以降福岡での中央競馬実況中継のネット局がKBCラジオからRKBラジオに移行しましたが、RKBラジオにはホークス戦中継というものがあるので4月よりLOVE FMに競馬中継がネットされています。各局の番組表を眺めているとそんなことも見えてきたりします。
FM局の後はラジオNIKKEI。第二放送の月曜から金曜の番組が「RaNi Music♪」に模様替えし、これまで放送されていた一般の番組は第一放送に移動になりました。
その次はV-lowマルチメディア放送のi-dio。今号では「TS ONE」に替わって「i-dio HQ Selection」の番組表が掲載されています。高音質ハイレゾ級放送というのが楽しめるらしいです。もうひとつ、前号に引き続き「アニソン★HOLIC」の番組表も載っています。また、全国展開を開始したので「地域別放送チャンネル」の一覧も出ています。北海道、東北、中国・四国の3地域では「i-dio HQ Selection」ではなく「i-dio Masterpiece Selection」となっているようです。と書いてはみたものの、実質的にはスマホアプリで聴くしかないんですよね。スマホを持っていない私には無理。また、一覧に名を連ねていたチャンネルの一つ「Amanekチャンネル」が4月21日をもって放送を休止したそうです。これは本誌の印刷には間に合わないですね。


AFN Tokyo(eagle810)のざっくりしたタイムテーブルでタイムテーブルはおしまいです。このあとはいろいろなデータのページになります。まずはAFNの下段に「海外日本語放送スケジュール」。放送時間と周波数の一覧が載っています。
コミュニティFMリスト」。開局予定を含めて328局になりました。福島県のこぷろ須賀川(ULTRA FM)が2019年1月開局予定と書かれていますが、きちんと1月に開局済みです。エフエムしながわは原稿の締め切りに間に合わなかったようで載っていません。
コミュニティFMリスト」の5ページ目の下段から「全国放送局周波数リスト」が始まります。AMが2ページちょっと、足掛け4ページ。FMがおよそ6ページ。これでも掲載漏れがあるはずなのでひとつ残らず網羅しようとすれば余白はすべて埋まるはずです。これはおいおい調べていくことにします。
「50音別タレントINDEX」。前号までは4ページあったのですが、今号では2ページに縮小されました。これ、編集スタッフが手作業でやっているそうなので2ページだけでも作成するのは大変な手間だと思います。私のオキニのアーティストが載ってないとか不平不満は言わないようにしましょう。106局のタイムテーブルを1枚1枚めくって調べるのも乙なものですよ。
「全国AM番組ネット局一覧表」。これについては稿を改めて論じます。一覧表下段の「番組INFORMATION」に「岡村孝子 あの頃ミュージック」の紹介が載っていて、これはこれはと思うのでした。5月からは平松愛理さんが留守を引き継ぐそうです。
モノクロページの最後、奥付のページには「リスナーの主張」という読者投稿のページがあります。私なんかよりよっぽどラジオを愛している人たちがこんなにいるのだなということが伝わってくる文章が並んでいます。立ち読みでもいいから読んでみてもらいたいです。もちろん本誌を買えば、冒頭に書いた通りDJ人気投票の投票券10枚分が付いてきます。ソニーやTECSUNのラジオ受信機が当たるプレゼントもあります。


巻末のカラーページ。まずは「FM改編NEWS」。37のFM局の情報が5ページに凝縮されています。Date fmを見ると、月-木午後の新ワイド番組と金曜昼にできたチャート番組の紹介、なんだけどね、ここに載っている人がもふもふ肉球とか(ry. 恨み節は止めましょう、5月から別の方が担当されています。FM FUJI佐藤千晶さんが金曜に長時間ワイドを持つとかいう記事を見て個人的にはほっこりします。
そのあとはお待ちかねの総力特集「AKB48 Team8ラジオ完全ガイド」。AM、FM、インターネット配信と7ページ9番組が取り上げられています。CBCラジオ「今夜は帰らない…」は一時期東北放送でもネットされていましたが、Team8メンバーの東西対抗番組に模様替えしていたのですね。通常版表紙の顔、倉野尾成美さんと小栗有以さんをはじめ、出演者のインタビューが大きく載っています。
秋田放送が「宮川賢のまつぼっくり王国」のネットを打ち切って立ち上げた「AKB48チーム8谷川聖の谷あり川ありラジオあり」も紹介されているのですが、この谷川さん、この5月いっぱいでTeam8から卒業することを発表したそうで、番組も5月いっぱいで終了することになったようです。東北関連ではIBC岩手放送が全国で唯一「オールナイトニッポンGOLD」を23時飛び乗りにしている原因の番組「松原友希のアフタースクールらじお」に月イチ出演されている佐藤七海さんのインタビューもあります。
裏表紙裏と裏表紙は、このところラジオを聴いているとももクロちゃんたちの歌で流れてくる「ラジスマ」、radikoとFM放送が聴けるスマホの紹介になっています。なにも2機種に限定せずにスマホに標準搭載にしてしまえばいいのにね、とかガラケー持ちの私が無理なことを言ってみる。でも普及したほうはいいですよね。これは民放連のラジオ委員会が出稿しているのかな。今号は真面目な裏表紙です。