ラジオ番組表2018秋号レビュー

今年は10月29日に三才ブックスから「ラジオ番組表」誌が発売されました。
三才ブックスラジオ班のtwitterによると、例年の10月27日が土曜日のため月曜日である29日の発売になったということで、編集締め切りが延びるわけでは無く秋号恒例の「好きなDJランキング」の投票はがきがの集計作業が大変だったようです。


後で紹介しますが、3年連続で秋号の表紙の顔は「好きなDJランキング」1位に輝いた女性となりました。
表紙をめくると恒例のMBSラジオの広告を兼ねたインタビュー記事。広告のほうはラジコでMBSラジオを開いたときに出る番組バナーの数々。インタビューは尼神インターのお二人。土曜深夜のトーク番組「ちょこっとやってまーす!」の聴きどころについて。今春に出演者が大きく入れ替わったみたいです。
お次のページは恒例の「番組改編トピックス」。トップ記事はこれまた恒例の「オールナイトニッポン」。今季もナイターオフ枠に「オールナイトニッポンPremium」を放送するのでその紹介。今季の目玉は金曜の担当がKis-My-Ft2であることのはずなのですが写真は無し。本書は他の4曜日の人気芸人たちに焦点を当てています。そのあとTOKYO FM文化放送JFNTBSラジオラジオNIKKEINHK第一の順にそれぞれの改編情報が載っています。NHK第一ナイターオフ枠に増田明美さんのスポーツ番組「増田明美のキキスギ?」がスタート。6年続いた「香山リカのココロの美容液」が終了してネトウヨ大勝利? 本書は基本的に新しく始まるものにだけ光を当て終わった物には触れないのですが、今号のトピックスは最後に終わる話、『ラジオNIKKEIの9MHzが休止&放送大学が停波』。本書がこの件をどう扱うのかを最大の楽しみにしていたのですが、10月以降ラジオNIKKEIが6MHz帯を中心に運用し、時間帯によっては3MHz帯も使用するものの9MHz帯を基本的に休止すること、放送大学がFMラジオ放送を終了させたがBSでのラジオ放送は継続されていること、の事実を簡潔にまとめています。
お次のページからは「AM改編NEWS」が6ページ。『全国38局のローカル番組をピックアップ!』と書いてあり、たとえば青森放送では東北放送で言うところの安田立和さんのような存在(偉くなった後も絶大な人気を誇る局アナOB)である大友寿郎さんが早朝に新番組を持つこと。IBC岩手放送は全国で唯一「オールナイトニッポンGOLD」が23時飛び乗りである原因の自社番組「アフタースクールらじお」が18時台にも「予習タイム」として放送されること。山形放送では山形出身の歌手、朝倉さやさんが新たに番組を持ち、同じく山形出身の歌手、工藤あやのさんの番組の放送時間が拡大すること(ロケット団三浦さんの番組が6月で終わり、7月から工藤さんの番組が始まっていたのね)。栃木放送ではこれまでネット配信だったご当地アイドル「まろに☆えーる」の番組が苦節五年ついに地上波ラジオでも放送されるようになったこと。それぞれいかにもローカルらしい番組がピックアップされています。東北放送は新午前ワイド「en∞Voyage(えん・ぼやーじゅ)」が紹介されています。宮城県関連ではミヤギテレビ「OH!バンデス」の月イチ企画“バンミンショー”でおなじみ村上美香さんが「テレビタミン」も「くまもと県民テレビ」も辞めてフリーになって初めて他局である熊本放送で自分の番組を持つことが紹介されています。
地方局の改編で最大の話題はあの宮地佑紀生さんがいろいろあった東海ラジオではなくCBCラジオで番組を持つこと(河原龍夫さんと二人で2時間の番組)でしょう。ラジオ沖縄ではナレーターの岩井証夫さん(沖縄出身)と沖縄在住の矢島晶子さんが週替わりで担当する番組が始まるそうなんだけど、矢島さんって沖縄在住なのか。
お次のページは特別企画『ラジオ好きのためのマスト・アプリ集』。スマホの世の中ですからね。radikoのほかにもぜひインストールしておきたいアプリが紹介されています。興味のある人はぜひ書店でこのページを立ち読みしてみてください。
巻頭カラーページの最後は新刊のご案内。5月に出た「決定版! BCLバイブル」(私は買っていません、海外短波放送が中心の書物のようです)と8月に出た「ラジオマニア2018」。巻頭グラビアで紹介されていた2017年の「ABCお笑いグランプリ」チャンピオン、霜降り明星M-1グランプリも獲ったそうですね(録画はしてあるけどまだ観ていない…)。土曜の深夜3時にラジオ番組を持っていますよ。「ラジオマニア2018」を読むと彼らの番組について詳しく書いてありますよ。(よし、これで三才ブックスへのヨイショはしたぞ。)


カラーページが終わって目次。『日本全国105局最新タイムテーブル』。
さっきもちょこっと書きましたが私が今号で最も気になっていたのは、9月で地上波での放送を終了したもののradikoでは引き続きラジオ放送を聴くことができる放送大学の番組表は載っているのかどうか。目次に放送大学はありま・・・せん。前号までは『日本全国106局最新タイムテーブル』だったのが今号では1局減りました。もし今号にも引き続き放送大学が載っていれば本書はradikoで聴ける局のガイドブック的な使い方ができると言えるかなと思っていたのですが、載っていないということで自ら電波を出していない局はダメという編集方針なんだなということが分かりました。
本文である番組表については、毎号書いていますが文化放送の番組表でジャニーズ事務所所属のタレントの顔写真(以下ジャニーズと略します)が非掲載になっていてボコボコ穴あきになっているのが気になります。地方局ではお構いなしに写真を出しているんですけどね。と思いきや、今号からラジオ沖縄もジャニーズが非掲載になりました。どうもwebに写真を上げていけない規制は今でも続いているようで、ニッポン放送のタイムテーブルの12月号の表紙は「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」パーソナリティのKis-My-Ft2らしいのですが、局のサイトからダウンロードできません。10月号(表紙は大橋未歩さん)はダウンロード可能ですが、ジャニーズは伏せられています。「大倉くんと高橋くん」の高橋優さん(アミューズ所属)まで巻き添えを食っています。本誌には写真が出ているんですけどね。
もう一つ毎号書いているのがNHKの番組表の不体裁ですが、ラジオ第一月曜から金曜の大相撲中継の放送枠が正されるなど改善は一歩一歩進んではいます。がラジオ第一「ごごラジ!」の午後4時台が無くなってもなお4時台にあったコーナー「ごごヨジ好奇心」が書かれているおマヌケっぷりは健在です(Wikipediaもタイムテーブルは午後4時台があったときのまま。今春のリニューアルで曜日別の3時間1テーマになったので、13:30の「列島リレーニュース」以外にコーナー名として書けるものは無くなっていると言っていいかもしれません。それでも毎時55分のローカルニュース枠があることの注釈はつけてほしい)。
番組内容については別稿で「AM40番組ネット局一覧表」の正誤確認のついでにあれやこれや言うつもりですが、北陸放送の番組表がネット番組のキー局を表記していて番組の見本市みたいになっているのが壮観です。「レコメン!」出演者の顔写真で全国で唯一小池美由ちゃんの顔写真も載せているのがまた愛おしい(ふつうは菅井友香さんと堀未央奈さんの写真ぐらいしか載せない)。信越放送とか山口放送とか何処から番組を受けているか書いてくれている番組表はマニアにとっては勉強になります(←何の勉強だ?)。
局データ部分について気になっていたのは、ラジオ関西山陰放送のFM補完放送の扱い。AM放送の「親局」を補完する「親局の主たる補完中継局」は「基幹放送用周波数使用計画」で公示されているので実際に電波が出ているかどうかはさておき周波数は決まっています。それで前号でまだ電波が出ていないラジオ関西の周波数を掲載し、三才ブックスのサイトでお詫びを出したのでした。たぶんまだ電波が出ていないと思いますが8月22日付で神戸局、姫路局の予備免許が出ているので今号で(※平成31年2月開始予定)と注釈を付けて掲載することは可能かと思っていました。しかし載っていません。ただし巻末の周波数リストには注釈付きで載っています。
山陰放送については「基幹放送用周波数使用計画」で公示されている周波数を鳥取の補完中継局に使用しているのですが、これまで本誌ではこれを「親局の主たる補完中継局」と認めず「その他の補完中継局」として親局を除く中継局の欄に掲載していました。主たる補完中継局の欄は空欄だったのです。山陰放送は本社が鳥取県米子市にあり主送信所も米子市にあるので、補完中継局も米子市に建てなければ主たる補完中継局でないと判断するのは一つの見識です。さて10月1日に松江補完中継局が本放送を開始しました。「基幹放送用周波数使用計画」で公示されている周波数ではないので「その他の補完中継局」に分類されますが親局のある米子市を放送区域に含んでいます。これを今号ではどう扱うのか。結果は主たる補完中継局の欄に鳥取補完中継局の周波数、出力を表示することにしたようです。松江補完中継局は親局を除く中継局の欄に掲載しています。ちなみにWikipediaでは松江補完中継局を米子市の親局に対応するものとみなしています。

能書きが過ぎました。AM48局(NBCラジオ佐賀を1局と数えている)、NHK(第一、第二、FM)、FM53局の番組表の次にはこれまで放送大学が載っていたのですが、地上波の放送が無くなったのですぐにラジオNIKKEIの番組表です。9MHz帯が基本的に休止になったので、局データから削除されています。局のサイトに書いてある何時台に何MHz帯を使うかの図があると短波ラジオで聴く人には便利だと思うんだけどな。radikoで聴く人のほうが多いんだっけ? アイドル系の音楽を掛ける番組も増えたし。
次のページは…V-lowマルチメディア放送「i-dio」の番組表が2ページに増えている! TS ONEとアニソン★HOLICの2つのチャンネルの番組表が載っています。地方別の周波数も載っていますが、普通のラジオでダイヤルをこの周波数に合わせても何も聞こえないはず。専用受信機は市販されていないし(防災ラジオとして活用している自治体でも地域住民以外には売らないはずだし)インターネットで受信するしか無いのだけど、インターネットで受信って日本語として正しいのか?
番組表の最後はAFN東京(横田基地)の番組表。表示がありませんがAFNもインターネットでサイマル放送「AFN360」をしています。AFNのざっくりした番組表の下には「海外日本語放送スケジュール」が載っています(周波数と放送時間のみ)。この秋イランからの短波放送が閉局したことがBCL界隈では話題になっているみたいです。この辺の状況は「ラジオライフ」本誌に出ているのかな?

巻末の諸々。まず「コミュニティFMリスト」。開局予定のものまで含めて323局になりました。実際は今号が出た後に予備免許が出て開局した宮城県亘理町の「FMあおぞら」が載っていない(これは編集スタッフに非はありません)とかあるので、2018年12月現在放送中の局は322局、予備免許が出ているのは3局(横浜市にもう1局できることになった)という状況だと思います。この点は別稿にする予定です。それにしても、札幌市厚別区の「ドラマシティFM新さっぽろ」が「ラジオT×T(ティーバイティー)FMドラマシティ」に局名変更していたことに対応できたり札幌市白石区の「FM白石With-S」の運営会社が北海道綜合放送からNoBodyHurts inc.に変更されていることに対応できていなかったりラジバンダリ。少なくともJCBAあたりが音頭を取って善処を要求するぐらいの事をしてもいいと思います。
「最新版全国放送局周波数リスト」。昨秋号でコミュニティFMの中継局の掲載を止め、親局の周波数ひとつだけを載せるという変更をしたのですが、放送大学の番組表を載せるのを止めて紙幅に余裕ができたせいか今号ではコミュニティFMの中継局の掲載が復活しました。76.1の欄はFMくしろの中継局が載っていて、FMはまなすジャパンの中継局が載ってい・・・ない。気を取り直して、エフエムわっぴ〜の中継局が載っていて(以下略)。AMFM合わせてぴったり8ページ。もちろん各地方の総合通信局からプレスリリースが出ないままに本放送を開始した中継局など掲載漏れがあるので実際はもっと中継局は多く、8ページで間に合いません。来春号では「コミュニティFMリスト」の無駄な余白を潰すかまたコミュニティFMの中継局の掲載を止めるかしなければなりません。なお、いつものことながら熊本地震、福岡水害を受けて設置されている臨時災害放送局は掲載されていません(西日本の水害を受けての広島県の2町3局は10月末までに放送終了、胆振東部地震を受けての2町2局も厚真町は継続中なのかな? むかわ町は放送終了)。
「50音別タレントINDEX」はたぶんお目当てのタレントさんの名前を探せば担当番組が載っているはずです。以前「三才ブックス・ラジオ班」のtwitterに上がっていましたが基本的にこのリストは手作業で作成しているので、作業する人は本当に大変だなと思います。そして4ページしか無いので誰を入れて誰を外すかの取捨選択も大変なんだろうと思います。例えば「わ行」では、ガチャガチャコレクターとしても知られる宮城のローカルタレントワッキー貝山さんは都度入ったり入らなかったりしていますが今回は外れてしまいました。代わりに入ったのがSUPER☆GiRLSの渡邉幸愛ちゃん。TBCラジオ「スベル兄弟」での活躍が認められました。おめでとうございます。来春号ではDate fm「SOUND GENIC」の「CROSS GENIC」(毎週月曜)も載るといいですね。なお、青森放送「ニチヨル!ラジオ」は月イチの番組で本誌掲載の番組表には載っていないのでたぶん取り上げられないと思います。ラジオ石巻「はぴらぶラジオ」は対象外のコミュニティFMなので載りません。
「全国AM番組ネット局一覧表」とその下段の「番組INFORMATION」については別稿で語ります。
白黒ページの最後は読者投稿「リスナーの主張」。様々な観点からの意見が載っていますが、いずれもラジオへの愛を感じられます。みむめも、お前にラジオへの愛は、あるんか?(←某サラ金のCM風に) ラジオが5名様に当たるプレゼントもあります、ラジオと言っても聴くほう(ラジオ受信機2種2台)と読むほう(上柳昌彦著「定年ラジオ」3冊)があります。そして人気DJランキングの投票券(10票分)があります。裏面は吉田照美さんの写真だから切り刻んでもいいか。DJランキングは来年秋まで応募が可能です。


巻末カラーページ。まずは「FM改編NEWS」。AMよりFMのほうが放送局が多いのですが『全国37局のローカル番組をピックアップ!』と取り上げられる局数はAMより少なく、ページ数も少ないのです。Date fmからは昨年12月1日の開局35周年記念日に登場したイメージキャラクター七井響ちゃんの初レギュラー「hibikuradio」。そういえば七井響ちゃんの声を当てる女子高生を募集していたんでしたっけ。たぶん設定と同じ仙台市内の高校に通う17歳の誰かが喋っているんだろうな(声優さんやフリーアナウンサーぽい感じの声では無いので)。
さて、お次はお待ちかね、秋号恒例の「読者が選ぶ好きなDJランキング」結果発表です。表紙の女の子、相沢梨紗さん。過去最多の得票数だそうです。でんぱ組.incのメンバーで、ということは昨年(古川未鈴さんと藤咲彩音さん)に続いて2年連続で同じアイドルユニットのメンバーがFM部門を制したことになるのですね。2ページのインタビューが載っています。ラジオ好きな方のようでそれが今の仕事に活かされてるのかな。FM FUJIの番組なのでauのケータイのLISMO WAVEかradikoプレミアムに入らないと聴けませんね。
このほか、FM部門の2位、3位、AM部門の1位から3位、コミュニティ部門の1位の方のインタビューが載っているわけですが、FM部門の3位に加藤漢太さん! 遂にインタビューを受ける順位まで到達してしまいました。Date fmFM山形でも番組を持っていたことがありますが今はふくしまFMで番組を持っています。プロフィールに手相セラピストって書いてあります。そんな一面もあったんだ。震災でしゃべりのスタイルが変化していったというお話です。この場合は良いほうへの変化ですが震災が人の心に与えた影響って大変なものがあるのだなと改めて思います。

裏表紙裏は三才ブックスから出ている上柳昌彦著「定年ラジオ」の紹介。本の帯は笑福亭鶴瓶師匠です。
本を閉じると、裏表紙は…あれっ、表紙だ? 今春号に続いての表紙風の体裁でこちらは男女コンビ。本当の表紙はDJランキングFM部門1位の相沢梨紗さんでしたが、裏表紙はAM部門1位のCBCテレビ永岡歩アナウンサーとTEAM SHACHIの坂本遥奈さん(この10月にチームしゃちほこはTEAM SHACHIに改名したんですね)。永岡アナの番組「ナガオカ×スクランブル」の木曜日のコンビなのだそうです。ひょっとしたら名古屋では表裏反対にして売られてたりするのかな? 表紙の表と裏がFMとAMのそれぞれの1位というのは面白い企画(たぶん初めて)だと思います。いいぞ、もっとやれ! って大きな放送局の番組でないと難しいかな。番組名が入っているのでたぶんCBCラジオの広告という扱いかもしれません。そうだとすると2012年春号以来かなり久しぶりの出稿になります。おかえりなさい。