FMあおぞら開局

きょう11月27日の正午、亘理町コミュニティFM局「FMあおぞら」が開局しました。

今日開局ということはそれまでに試験電波を送出していたのだろうと思うのですが、名取市のわが家では受信できずにいました。
実は11月12日(新聞休刊日)のラテ欄東日本放送スーパーJチャンネルみやぎ」でFMあおぞらの特集があるというので録画を録って見ました。震災後に関する特集枠で、他市町に先駆けて仮設住宅を畳み復興公営住宅で暮らすようになったものの新しいコミュニティが確立できずにいる、コミュニティFM局を開局することでコミュニティづくりの一助になれればという話だったかと思います。それでFMあおぞらのホームページを見ると既に試験電波を発射していると書いてありました。それで仕事のシフト上都合がよかった11月16日の午後、スタジオがあるみやぎ生協亘理店(送信アンテナもここにある)まで車を走らせてみたのですが、何も受信できませんでした。ラジオ福島みたいに*1常時音楽を流すような試験電波では無いのかなと思いつつ帰宅したのでした。
今日私は仕事が休みだったので開局に合わせて午前11時に家を出て南へ向かいました。わが家ではというか名取市内では79.2はカーラジオでも受信できません。県道塩釜亘理線に出て、岩沼市下野郷(矢ノ目)付近では何か音楽が流れてるぽいけど何だか分からないレベル。岩沼市押分付近までくると音楽が流れているのが分かるようになりますがまだ雑音が多めです。岩沼市寺島付近までくれば雑音も無くなってきます。
阿武隈川を越えて亘理町荒浜から県道亘理相馬線に寄り道してみました。亘理町から山元町に入るとだんだん音楽が認識できなくなってきます。ちなみになとらじ801はギリギリ聞こえます。なぜだ? この付近は堤防なんだかかさ上げ道路なんだか分からんけど絶賛工事中です。そしてかつて坂元駅があった辺りの工事現場まで来るともう何も聞こえません。なとらじ801は調子のいいところだとギリギリ聞こえることもあります。
何でなとらじよりFMあおぞらが弱いんだ? 同じ出力20Wなのでたぶん送信アンテナの高さのせいなんじゃないかなと思うのですがどうなんでしょう。なとらじは名取市役所(6階建て)の屋上、FMあおぞらはみやぎ生協亘理店(平屋)の屋上。たぶん20mぐらい高さが違うと思うのです。
正午が近づいてきました。急いで国道6号に出ましたが、山元町役場のある高台まで来たところでタイムアップ。開局記念特番が始まってしまいました。第一声が雑音まみれ。山元インターチェンジぐらいまで来ると雑音交じりながら聞き取れるようになってきます。町境をまたいで亘理町内に戻ると雑音は無くなってきます。
帰宅途中の国道6号では問題無く聴けていたのですが、阿武隈橋を越え岩沼市に入ると急に聞こえなくなってしまいました。国道4号岩沼バイパスでは調子が良い時だけ聞こえるレベルです。
帰宅後googleマップを眺めてみると、南北方向にはだいたい同じくらい離れたところで同じくらいの聞こえ具合になるので南北同じ強さに電波が出ているのだと思われます。東西方向は西は山、東は海で南北方向ほどには広くないので南北方向ほど気を遣わなくてもよいかな。結論としてはカーラジオで聴ける範囲はみやぎ生協亘理店から半径6kmの円内、要するに亘理町内だけだと思われます。
町内で電波が弱いという方には「FM++」(エフエムプラプラ)のアプリを使うとスマホで聴けると番組内で説明していました(もちろん町外でもアプリを入れれば聴くことができます、アプリから番組にメールを送る機能とかあるんだそうです)。


さて、肝心の番組。正午から1時間開局記念番組を放送していました。臨時災害放送局としてのFMあおぞらの中心メンバーだった二人がそのまま社長と局長になったんですね。その二人と男性のゲスト、レギュラー的に出ているような人らしいですが、合わせて3人で臨時災害放送局が無くなってから週に一度のインターネット放送の期間を経て再び電波が出せるようになるまでを振り返るお話など。
臨時災害放送局の電波を止め悠里館(スタジオがあった亘理駅の隣にある公共施設)から立ち退くときに出た大量の段ボール。放送で読み上げたおしらせの大量の紙。普通の人からすればただの紙切れだけど放送した人からしたら棄てられない大切な思い出だというのは分かる気がします。空き家を倉庫として提供してくれる人がいたりインターネット放送を手伝ってくれる人がいたそうで、支援者がいて第二のスタートラインまでたどり着けたということのようです。
臨時災害放送局やインターネット放送との違いのひとつ。CMが流れる。このCMもスタッフが自ら原稿を書いて収録して、やったことの無い作業なので出来上がるまで大変だったみたいです。制作会社みたいなところで作ってもらってすでに出来上がっているものを流すわけでは無いのですね。コミュニティFMでは何から何まで自分たちで作ってやるんだな。
せっかく生放送をしているのでスタジオを見に行きました。何度も書いていますが逢隈高屋(おおくまこうや。逢隈は広いせいか基本的に逢隈どこそこという大字になっている)にある(正確には亘理ショッピングセンターですがそのメインテナントである)みやぎ生協亘理店の中にあります。衣料品売り場の奥のほう、ゲームコーナーの隣に間仕切りされてFMあおぞらのロゴマークが貼ってあります。報道陣(どこの局なのかチェックするのを忘れた…)や支援者と思われる方々で人だかりになっていました。スタジオの前に番組表が置いてあったのでそれを1部取ってそそくさと退散しました。
夕方のニュース、NHK仙台「てれまさむね」と東日本放送スーパーJチャンネルみやぎ」で伝えられているのは確認しましたがたぶん私は映ってなかったかと思います(映ってたら困る)。どちらのニュースもスタジオの中に入って生放送をしていた3人を映していました。
送信アンテナはどこなんだろうと思って敷地外周を車で一周してみたのですが…わかんない。私にアンテナの知識が無いというのももちろんですが、屋根には太陽電池ぐらいしか見当たらないのです。田んぼの真ん中の平地の平屋の建物に取り付けるのだから屋根の上に高い棒が伸びててというイメージがそもそも見当はずれなのかな。


それで番組表なのですが…「CLUBあおぞらマガジン」という16ページのフリーペーパー、いや16ページあったら小冊子か。町内のお店の紹介とかが載っていて「clubあおぞらカード」というメンバーズカードを発行しているようです。そう言われれば番組表が置いてあった横にカードみたいなのが置いてあった、あれだったか。このカードをこの小冊子に載っているお店で見せると何かしらの特典がもらえるようです。カードの会員に抽選でプレゼントが当たるとも書いてあります。こういうのって他県のコミュニティFMではやっているやに聞いていますが宮城県では12局目にして初めての試みだと思います。よく協賛店舗を集められたなぁ、なとらじ801で同じことをやろうとしたらできるだろうか(←失礼?)とか思ったり。
ほかには社長が町長へのインタビュー。臨時災害放送局を閉局した時の町長は引退して新しい町長になったんだっけ。今般開局する局ですからもちろん町とは災害協定を結んでいます。東北大の先生がコミュニティFMの意義について書いていたり、番組表もありました。1時間単位で極めてざっくり。FMあおぞららしいのは完全自社制作。テープネットの番組らしきものがひとつも書いていない。全時間帯中心メンバーを中心にやるのでしょう。基本的に生放送だそうです。スタッフ全員(?)の紹介も載っています。放送時間は朝9時から午後6時まで、土日は午後4時までかな。それ以外の時間帯は書いてないけど電波を止めるのかな?(コミュニティFMには24時間電波を出し続ける義務はありません)。
JCBAからお祝い電報が来ていたと紹介していましたがJCBAに加盟するのかな? 入らないような気はするけど。宮城県内では太白区大崎市の局は入っていないようですし、これも義務ではありませんから。


最後に。いちおう新しい放送局ができたことはおめでたいというスタンスで私は書いています。しかし良いことと思わない人は居ます。臨時災害放送局が閉局した時に拙blogで紹介しました、中心メンバーに嫌な思いをした、中心メンバーにひどい目に遭わされている人を見たという方のblogを覗いてみましたら、今回の開局について直接触れてはいませんでしたが、中心メンバーに対する恨み辛みは相変わらず綴られていました。怒りは今も続いているようです。

*1:私の部屋にある防災ラジオで原町補完局の試験放送が受信できます。この件は後日何か書くつもりです。