7月の水害についてあれこれ思うこと (2)西予市野村町編

Jリーグが創設されたぐらいから長く私が愛読している日刊スポーツには「政界地獄耳」という、自由民主党労働組合の「連合」を糾弾するコラムがあります。ちがうか。今日血祭りにあげられたのは国土交通省のダム政策の在り方です。
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201808020000292.html
私が住む名取市もその昔集中豪雨によるダムの緊急放流のせいで水害が起こったことがあります。私の家はあいにく被害に遭わずに済んだので、あれはいつのことだったかググってみたら1994年9月のことだったらしいです。24年も前のこと。あれから増田川の改修は進み樽水ダムはそれ以来ヘマは起こしていません。かつて私の家があった近くを流れていた川内沢川は、下流は単なる用水路に姿を変え上流にはダムを作る計画になっています。
ダムは一旦決壊すれば先日ラオスで起きたみたいに大規模な被害を与えます。だから水が溜まりすぎると決壊しないように水を流します。しかしそれだけでも充分な被害を与え人が死ぬこともあります。ラオスではなく愛媛県でそんな悲劇が起きてしまいました。
拙blogでは愛媛県知事ガーとか加計学園ガーとかは言いません。そういう方面からのコメントを寄せられても応対しません。
じゃじゃ何が言いたいのか。5ちゃんねる情報でそんな被災地の西予市野村町に臨時災害放送局ができたというのです。
南海放送のプレスリリースより

西予市野村町で明日からFM補完局放送開始〜被災地にラジオを!〜 平成30年7月31日

 南海放送株式会社(代表取締役社長:田中和彦)は、本日(7月31日)臨機の措置により野村FM補完局の免許交付を受け、明日(8月1日)から放送を開始します。西日本豪雨で甚大な被害を受けた西予市野村町は、地形的に南海放送ラジオの難聴地域です。厳しい被災環境の中で暮らす方に必要な情報を迅速に伝達すると共に、音楽や娯楽番組で気分転換の一助となればと考えます。

 南海放送では、年内に野村FM補完局を開局する予定で免許申請や放送設備の準備を進めていました。今回の被害を受けて、総務省四国総合通信局に早期の開局を要請したところ、災害地域向けの臨機の措置により免許が交付されました。送信所は南海放送野村テレビ中継局(西予市野村町金剛岩)に併設し、番組は南海放送本社(松山市)から大洲市壺神山の固定局を経由して伝送します。

 本日付で免許が交付された野村FM補完局は、周波数91.7MHzで出力20W、放送エリアは西予市野村町、城川町の一部、大洲市の一部の4,145世帯です。番組は南海放送のAMラジオと同じ内容をサイマル(同時)放送します。

 被災地向けの放送として、臨機の措置によりFM補完局に免許が交付されるのは全国で初めてです。野村FM補完局は、被災地向けの放送局としての使命を果たした後は、同地域における難聴を解消するためのFM補完局として引き続き放送を続けます。

 ―『西予市野村町で明日からFM補完局放送開始~被災地にラジオを!~ | プレスリリース | RNB 南海放送』より

IBC岩手放送が震災後に山田町にFM中継局を設置したのはこれとは違うんだっけ? あの時期東北総合通信局はいちいち臨時災害放送局設置のプレスリリースを発していられなかったので、今更ググって出てきた「盛岡経済新聞」の過去記事より。

IBCラジオが山田町に臨時FM局を開局−難聴エリアに災害情報届ける 
2011.03.19

 IBC岩手放送盛岡市志家町)は3月17日、東日本大震災の被災地のひとつである岩手県山田町に臨時FM放送局「IBCやまださいがいエフエム」を開局した。
 送信場所は同局の山田町にある局舎で、聴取エリアは同町と隣の大槌町の一部。放送時間は現在のところ6時30分〜18時で、放送内容はIBCラジオの再送信となる。基本的には同局の災害放送情報番組が終わった時点で終了する。
 放送に必要な電源は燃料を使った発電機から供給している。
 元々、同地域は難聴エリアだった上、他に主だった情報を伝える方法がないことから、震災後、同局が同町や総務省総合通信局らと連携し、異例のスピードで開局した。
 周波数は76.7MHz(FMチャンネル)で、放送出力は10W。
 また、同社ウェブサイトによると、今月21日〜25日の10時から約1時間、「災害情報いわて−ふるさとは負けない!」をラジオとテレビ、Ustreamで同時生放送する予定。

 ―『IBCラジオが山田町に臨時FM局を開局-難聴エリアに災害情報届ける - 盛岡経済新聞』より

たしかに“臨機の措置”という単語は出てこないし、この時期には“FM補完局”という概念は存在しない。だから南海放送が言う『被災地向けの放送として、臨機の措置によりFM補完局に免許が交付されるのは全国で初めて』の触れ込みは間違っていません。
四国総合通信局から出ているプレスリリースに関して、5ちゃんねるに『鬼北市の爆誕』って書いてあって鬼界カルデラが爆発したのかと誤解してしまいました。鬼北町を間違って鬼北市と書いているのね。『※精査の結果、放送区域内世帯数を修正しました。』と赤字で書いてあるのですが、放送区域図の市町村名までは精査しなかったようです。放送区域は野村町の西部というか中心部、城川町(現・西予市)の西部、肱川町(現・大洲市)の南部といったところでしょうか。野村ダムと鹿野川ダムの間の流域が放送区域なので、被災者に寄り添っていると言えるかもしれません。放送区域の南の限界が鬼北市(鬼北町だってばさ)の境界線に沿っているのが地デジっぽいです。アナログラジオなのに。従来のFM補完放送では大洲局でも宇和島局でも補完されない地域だったので補完局ができたのは喜ばしいことです。
そういえば…
南海放送では、年内に野村FM補完局を開局する予定で免許申請や放送設備の準備を進めていました。』
拙blogのバックナンバーを探すと、去年のうちに補助金が出ているのね。(参考:ここ最近のFM局予備免許のプレスリリース 2017年11月分 - みむめもーど)そこに寄せられていたBYNGOさんのコメントで、この補助金の降りた中継局は『野村である可能性が』というのがありました。ご明察です。