スターリングラードの敗戦で改めて2018FIFAワールドカップのテレビ放送権を振り返る

サッカーのワールドカップのおかげでテレビラジオ関係のネタができるのはありがたいことです。
テレビに関しては初戦のコロンビア戦はNHK総合が放送権を獲ったのでこれといった話は無いのですが、第2戦のセネガル戦では日テレ系が獲ったので、日テレ系が無い沖縄県佐賀県ではミヤネ屋サンデーのあとのスポーツニュース(S-PARK)を差し換えたことは前回書きましたね。日テレ系は21時から事前番組をやっていたのですが、沖縄テレビサガテレビが飛び乗る22:15.、枡さんとてごにゃんだったかが喋っているのをぶった切って今大会のアイキャッチのクリップが流れ提供ベースになりました。
第3戦のポーランド戦の放送権を獲ったのはフジ系。直前のアンビリバボーから引き続いて剛力さんと設楽さんが…あれっ、日村さんはいずこに? あっ、仙台放送ニュースで中断している間に顔が日の丸になってる。フジテレビはこの春20:54の定時ニュースを廃止して21時までバラエティ番組を続けているんでしたね。21:48ぐらいかな、剛力さんと設楽さんから三宅アナと宮司アナに画面が少しずつ変わっていきました。
フジ系が無い県と言えば青森県山口県。ですが、もうひとつ徳島県があります。四国放送はケンミンショーと21:54のローカルニュースまでは通常通りやってダウンタウンDXはやらず22時に事前番組飛び乗り。これは気が付きませんでした。徳島向けの飛び乗りポイントが設定してあったのかどうか私には確認できませんでした。
TBCラジオは今夜「オールナイトニッポンMUSIC10」をネットせず、デーゲーム中継が延びたときに穴埋めに使う自社番組「ベースボールストーリー」を22:00-22:30、通常は23:50-24:00にやっている「スポーツ伝説」と「河北新報ニュース」を22:30-22:40に放送しました。
そんなラジオを聴きながらちらちらと仙台放送とTBCテレビを確認する時間。フジ系が無い青森県山口県はいずれもTBS系の青森テレビテレビ山口が22:40からの試合本編を中継します。そのためにTBS系局で20:00から放送されていたCDTVSPはどうするんだろうというのが見どころでした。たしか番組の冒頭、なぜか司会のあずみーがスポーツ中継が始まるまで時間があるので今年の音楽でお楽しみくださいと言う感じの挨拶をしていたと思います。
TBCテレビを見ていて22:39ぐらいにやっていたのは今年結婚式で使われた曲の特集をしますというVTR。その途中ぐらいで22:40になったのだと思います。青森と山口のためだけの特番終了の挨拶とかあったのかどうか、それとも青森と山口の人はVTRの途中でバキッとVTRが切られてサッカー中継になったのか。どうなんでしょうね。
念のために青森テレビテレビ山口のサイトを覗いてみたのですが、テレビ山口のサイトの番組表はきちんと表示されませんでした。私のPCの都合かテレビ山口の都合か分かりません。それで、各都道府県の過去のラテ欄が見られるサイトを見てみました。そこで私は2つ感心することに出会うのでした。

20:00[文字多重放送]CDTV' 18上半期SP エンタメまとめ総決算
【おことわり】番組途中22:40からサッカー中継を放送します。
◆2018年上半期の人気者、大ヒット曲、話題の出来事を分かりやすくお届けする新感覚音楽番組

これ、実際に山口県内に配達される新聞のラテ欄に書かれていたのかな。だとしたら素晴らしい配慮。青森テレビのほうには【おことわり】はありません。
で、22:40からサッカー中継があって引き続き25:10からデイリーハイライトがあったのだけど、そのあと。

26:00[文字多重放送]NEWS23 星浩 雨宮塔子
23:10に放送されたものを録画してお送りします。

山口県青森県ではこの夜「NEWS23」が録画放送になっていたのですね。

余談にはなりますが、山口県のテレビ欄で私が感心したもうひとつは、山口県の民放テレビ3社が山口県議会の代表質問を中継しているということです。

  • KRY 09:30 〜 10:25 (55分)山口県議会 代表質問 6月定例会の模様をお伝えします。
  • tysテレビ山口 10:25 〜 11:20 (55分)定例県議会 代表質問
  • yab山口朝日 13:58 〜 14:53 (55分)6月定例県議会代表質問中継

どうも内容は3局とも同じ人の代表質問だったみたいです。山口県議会のサイトを眺めてみたら、実際には6月25日に行われたのですが、3会派3名の内容を26-28日の3日間に分けて放送したようです。たぶん山口県のことだから山口放送が開局したころからの伝統になっていたりするのかな(余談なのでこれは調べません)。

ところで徳島県でもサッカー中継とデイリーハイライトは放送されました。では四国放送は深夜2時から何をやったのか? 

26:00ダイレクトショッピング ショッピン・オン お買い物情報満載!
26:30NEWS24
26:40[文字多重放送][データ放送]2018FIFAワールドカップ「パナマ×チュニジア

NEWS ZERO」ではありませんでした。日テレ系が「パナマ×チュニジア」の放送権を持っていたので地方局が自由にできるのは26:40までの40分間。「ZERO」は現在23:00-24:09の69分番組なので遅れネットにすることができませんでした。10分間だけ「日テレNEWS24」の夜中のニュースを流すことでそれに代えたのだろうと思われます。


ところで、今大会では日テレ系に深夜2:40からの中継が多いような気がします。
実はこの裏事情については、日刊スポーツの紙面でコラムとして掲載されていました。webにも上がっていることを知ったのでリンクを貼っておきます。
W杯カード争奪で日テレ強運 日本戦以外は全て深夜 - フットボールの真実 - サッカーコラム : 日刊スポーツ
これは私には驚愕の内容でした。

  • テレビ東京は「編成上の理由」として中継から撤退
  • 午後9時、午後11時キックオフの試合を放送すると、通常のレギュラー番組の収入を捨てなくてはいけない。

(もちろんサッカー中継のスポンサーがつくがご存じの通り放送権高騰のあおりで放送局は赤字になる。)

  • しかも午後9時、午後11時開始の試合は、試合前後の1時間、合計2時間のハイライト番組をつけるルールが設けられている
  • 他局は「日曜午後9時の試合は最後まで残して、何としても日テレに取らせないと」と思い描いた

(日テレは1番くじを引いたのでセネガル戦の放送権を獲ったが、日本戦を取れなかったテレ朝、TBSが他国の試合を優先的に選べるルールだったらしい。日テレに日曜9時の試合を押し付ければ「行列のできる法律相談所」が放送できず、事前番組義務付けのために「世界の果てまでイッテQ!」も放送できなくなる。実際には日曜夜が空いているフジが獲った。)

  • 「日本戦以外、深夜を選んだ日テレは収入的に正しい。好調なレギュラー番組の収入を捨てずに済んだわけですから、やはり(運を)持ってるとしか言いようがない」(※関係者談)

ラジオについても調べたかったのですが、今回は調べていません。たぶんTBSラジオ(Session-22)、文化放送(レコメン!)、ニッポン放送オールナイトニッポンMUSIC10)はサッカー中継が始まる22:40以降サッカー中継しない局向けの裏送りになったはずで、たぶんTBSラジオおぎやはぎのメガネびいき)、文化放送(ユニゾン!)、ニッポン放送岡村隆史オールナイトニッポン)はサッカー中継が終わる25:10までサッカー中継しない局向けの裏送りになったはずです。
J-WAVEをネットする地方のコミュニティFMはどうしたんだろう。セネガル戦の時は23時からの番組「JUMP OVER」が福岡CROSS FMとの2局ネットなので23:40以降福岡向けに放送。仙台Radio3もこれを放送したのを76.2MHzを聴いて確認しました。24時からの「GROWING REED」はネット局が無いので放送されず、地方のコミュニティFM向けの裏送り番組「MUSIC HYPER MARKET」が24時から放送されました。寝落ちしたのでその番組が何時まで放送されていたのかは分かりません。ポーランド戦の始まる時はRadio3は自社制作だし他のJ-WAVEネットの局(エフエムいずみとか塩釜BAYWAVEとかラジオ石巻)は部屋のラジオでは聞えないので確認できません。ポーランド戦の終わった後は「岡村隆史オールナイトニッポン」を聞きながら寝たので、J-WAVEネットの時間帯になっているRadio3の確認をしていないのでこれまたわかりません。

肝心の試合ですが見事なセットプレーからの失点で。日本にも惜しいシュートはあったし見事なシュートセーブもありましたが。
決戦の地ヴォルゴグラードがかつてスターリングラードと呼ばれていたことを知り、Wikipediaで調べると、スターリングラードナチスの陣営とソ連軍の攻防が始まった日が1942年6月28日と知ってびっくり。そんな6月28日にナチス(とソ連)に国家を蹂躙されたポーランドナチスと同盟を結んでいた日本の対戦が催されるというのは何かの因縁だろうか。そんな「スターリングラード攻防戦」という記述を読みながら過ごしました。
試合終盤の時間稼ぎは何と言ったらいいのか。セネガルが同点に追いついてコロンビアと引き分けると1次リーグ敗退になってしまうのだから、同点を目指してほしかった。しかし、目の前の試合で負けているにもかかわらず決勝トーナメント進出のためだけにあんなことをするというのは、ある意味サッカー強国への階段を一段上ったのだ、と自分自身を無理やり納得させるのでした。