ここ最近のFM局予備免許のプレスリリース 2018年4月分

例の本が発売になっていていつもなら例の作業をしているはずなのですが、今季はいろいろあってやっていません。楽しみにしている人がいるのかどうか知りませんが、コメント欄に『ラジオ受信バイブル2018は完璧で誤りの面白み無し?』という情報も寄せられていることですし、まぁやることも無いでしょう。後日一人でひっそりやります。
4月の平日が終わったので、毎月月末にやっていることをここでやっておきます。あまり数も多くないし4月分は4月27日発売の本に間に合いませんからこれといった影響は無いとは思いますが。


今月の予備免許は1件だけでした。

  • 株式会社エフエム秋田のFMラジオ中継局に予備免許 − 秋田県羽後町などでFMラジオの受信状況が改善 − (4月19日)

 今回予備免許を付与した中継局は、秋田県羽後町が総務省の「民放ラジオ難聴解消支援事業」を活用して整備した中継局設備を利用して、株式会社エフエム秋田が免許を受けて放送する公設民営型のFMラジオ中継局です。
 本日予備免許を付与した中継局により、秋田県羽後町などでFMラジオの受信環境が改善することとなります。

    • 予備免許の概要
申請者 株式会社エフエム秋田
代表取締役社長 佐藤 誠一
秋田市八橋本町3−7−10
基幹放送局の名称 エフエム秋田羽後FM
電波の型式、周波数及び空中線電力 F8E 89.0MHz 10W (実効輻射電力 16.5W)
設置場所 秋田県羽後町
運用開始予定 平成30年11月
放送区域内世帯数 羽後町の一部区域 約700世帯(カバー率 14.9%)
由利本荘市の一部区域 約40世帯(カバー率 0.1%)
合計 約740世帯

というわけで県域FM局には珍しく公設民営型の中継局であることを明言しています。AMラジオ局のFM補完中継局だと福島県金山町や和歌山県が同様のことをしていますが。
エフエム秋田のwebサイトを見てみたら、私の部屋にある緊急告知ラジオの写真が入ったバナーがありました。クリックするとまさしくComfis-W67でして、秋田県小坂町、美郷町では各町からの要請があればエフエム秋田から各町向けに緊急告知ラジオの起動信号入り音声を流すことでスイッチを入れることができるのだそうです。もしかしたら羽後町でも・・・?(←これは憶測です。) 羽後町のwebサイト覗いてみると「避難情報はどこから入手するの?」というページで隣町である湯沢市のAM、FM、cFMの周波数を列記しています(秋田放送については横手市の浅舞局)。が山の中の町なので電波が届かない場所もあるのでしょう。


「民放ラジオ難聴解消支援事業」は「無線システム普及支援事業費等補助金」というものをもらって中継局を整備するものですが、後述のプレスリリースでは『この補助金は、国民生活に密着した情報や災害時における生命・財産の確保に必要な情報を確保するため、地方公共団体等が行うラジオの難聴解消のための中継局整備費用の一部を補助するものです。』とあります。
平成30年度予算成立に伴う補助金交付決定のプレスリリースが東北と北陸から計5件発表されています。こちらにも青森県深浦町という自治体が登場します。

  • 「無線システム普及支援事業費等補助金(民放ラジオ難聴解消支援事業)」の交付決定について (4月25日)

これは東北でのタイトルでサブタイトル無しですが、北陸ではメインタイトルが『北陸放送福井放送のAMラジオの難聴を解消』でサブタイトルとして 〜 「民放ラジオ難聴解消支援事業」補助金の交付を決定 〜 とあります。

私がいつも気にしているのは補助金額ではなく補助割合です。金額だけ言えば珠洲市だけ格安です。あまり費用が掛からずに設置できるのでしょう。それで補助割合ですが、福井放送の2件が事業費の2分の1、他の3件は3分の2です。この違いは中継局整備の目的で、地形的・地理的要因や外国波混信だと3分の2、都市型難聴だと2分の1となっています。


予備免許が公表されていないのに本免許が出た例がひとつあります。

  • 宇部市及びその周辺でFM補完放送が始まります <山口放送株式会社のFM放送補完中継局に免許> (4月11日)
    • 免許した中継局の概要
申 請 者 山口放送株式会社
送信所設置場所 山口県宇部市
局 名 KRY宇部FM
周 波 数 92.3MHz
空 中 線 電 力 100W (最大実効輻射電力110W)
放送区域概略図 別紙のとおり
放送区域内世帯数 約6万世帯
本放送開始予定 平成30年4月11日

別紙を見ると宇部市の瀬戸内海沿いの部分で山口局の範囲に覆われていないか? という気がしないでもありません。工業地帯だから電波が届きにくい都市型難聴なんだろうか。と思って補助金交付決定の時のプレスリリース(昨年11月29日付)で答え合わせしてみると、『FM方式によるAMラジオの補完中継局を整備(都市型難聴対策、外国波混信対策)』だそうです。外国波混信対策とは書いてありますが、補助率は2分の1なので都市型難聴対策が主目的と判断されたのでしょう。
山口放送のFM補完中継局はこれで10局。宇部局は瀬戸内海側なので山口局と同じ周波数です。同期放送については先日コメント欄に情報が寄せられていましたね。


本免許に関してはもうひとつ、V-Lowマルチメディア放送の東北地方での本免許が4月27日付で出ました。プレスリリース中『北日本マルチメディア放送株式会社は、5月1日からの放送開始を予定しており』とあるので、5月1日になったらそちらから何らかの発表があると思いますので、その時に何か書くつもりです。