ここ最近のFM局予備免許のプレスリリース 2018年3月分

3月31日の河北新報経済面に山形放送のFM補完放送に予備免許が下りた記事が出ていました。これによって東北のAM放送6社はすべてFM補完放送に踏み切ったことになります。

  • 山形放送株式会社のFM補完中継局に予備免許 − 山形県内陸部でAMラジオ放送の難聴が大幅に改善 − (3月30日)

 今回、予備免許を付与したFM補完中継局は、AM放送の親局を補完する「主たるFM補完中継局」と呼ばれ、山形県内では初めての設置となります。
 これにより、AMラジオが、地理的・地形的な原因による難聴や建築物の影響による都市型難聴となっていた地域でも、FMラジオを使って聴くことができるようになります。
 なお、本日予備免許を付与したFM補完中継局は、総務省の「民放ラジオ難聴解消支援事業」を活用して整備しています。

    • 予備免許の概要
申 請 者 山形放送株式会社
代表取締役社長 本間 和夫
山形市旅篭町2−5−12
基幹放送局の名称 YBC山形FM
電波の型式、周波数及び空中線電力 F8E 92.4MHz 1kW (実効輻射電力 2.6kW)
設 置 場 所 山形県山形市
運用開始予定 平成30年秋頃
放送区域内世帯数 寒河江市上山市天童市山辺町、中山町、河北町の全部
山形市村山市東根市尾花沢市南陽市、西川町、朝日町、大江町大石田町舟形町高畠町、川西町、白鷹町の一部
205,257世帯(カバー率 91.3%)

※ カバー率は、放送区域内世帯数/対象自治体世帯数で計算

民放AM局のFM補完放送に関して3月に地方総合通信局からあった発表はこのほかには

  • 関東地域におけるラジオの強靱化 《民放ラジオ難聴解消支援事業の交付を決定》 (3月16日)

 総務省は、平成30年3月13日付けにて、平成29年度予算による「無線システム普及支援事業費等補助金(民放ラジオ難聴解消支援事業)」の交付決定をしました。
 これを受けて、関東総合通信局管内では、以下の放送事業者1社が、免許手続き等を経た後、FM方式によるAMラジオ放送の補完を行うこととなります。

この1社というのが株式会社山梨放送で、FM方式によるAMラジオの補完中継局(三ッ峠)を整備/FM方式によるAMラジオの補完中継局(身延)を整備の2件、ともに補助率は3分の2です。三ッ峠と言えばFM FUJIが東京向けに(と大っぴらに言ってはまずいのかな)電波を飛ばしているわけですが、山梨放送FM FUJIのように東京に向けて電波を飛ばすのかNHK-FMのようにあくまで県内向けにするのか、そこが焦点になると思います。
他地方からは類似のお知らせは出ていないはずです。これでまだ補助金が下りていない局はRFラジオ日本西日本放送高知放送の3局となりました(ラジオ関西四国放送には補助金は下りています)。

NHKに対しては予備免許がいくつか出ています。

 四国総合通信局(局長:吉武 久(よしたけ ひさし))は、日本放送協会NHK)(会長:上田 良一(うえだ りょういち))から免許申請のあった高知県内のFM補完中継局3局について、本日付けで予備免許を付与しました。
 これらの中継局はAM放送の難聴を解消するために開設するものであり、仁淀川町須崎市中土佐町佐川町及び津野町の5地域(約6千4百世帯対象)において、AM放送の聴取が困難な場所でも同内容の放送をFM放送で聴くことができるようになります。

    • 【予備免許を付与したFM補完中継局の概要】
放送局の名称 NHK仁淀補完R1
(によど)
NHK蟠蛇ヶ森補完R1
(ばんだがもり)
NHK東津野補完R1
(ひがしつの)
送信所設置場所 高知県吾川郡仁淀川町 高知県須崎市 高知県高岡郡津野町
放送区域及び放送区域内世帯数
(別図参照)
仁淀川町の一部 937世帯
(全世帯数の30.5%)
須崎市の一部 2,533世帯
(全世帯数の27.2%)
中土佐町の一部  13世帯
(全世帯数の0.4%)
佐川町の一部 822世帯
(全世帯数の15.4%)
津野町の一部 1,564世帯
(全世帯数の65.0%)
津野町の一部 534世帯
(全世帯数の22.2%)
電波の型式、周波数 F3E 78.1MHz F3E 77.4MHz F3E 76.5MHz
空中線電力 1W(最大実効輻射電力1W) 30W(最大実効輻射電力155W) 10W(最大実効輻射電力11.5W)
本放送開始予定 平成30年12月頃 平成31年2月頃 平成31年2月頃

別図ですが、仁淀は仁淀川町の旧仁淀村の東部。蟠蛇ヶ森は須崎市の西部、佐川町の南部、津野町の旧葉山村。中土佐町は北端がほんのちょっとかすっている。東津野は津野町の旧東津野村の中部。という感じです。海沿いの須崎市を含めいずこも山がちな地形です。真面目に地形的難聴を解消しようとしたら大変なんだろうなと思います。

 これにより、地形的な原因でAMラジオ放送(NHK第1放送)の聴きづらかった地域では、FMラジオを使って聴くことができるようになります。

    • 予備免許の概要
申請者 日本放送協会
基幹放送局の名称 NHK岩泉小本R1
電波の型式、周波数及び空中線電力 F3E 88.3MHz 10W(実効輻射電力10.5W)
設置場所 岩手県下閉伊郡岩泉町
運用開始の予定 平成30年度
放送区域内世帯数 岩泉町 480世帯 (カバー率 11%)

だそうです。IBCラジオの補完中継局は既にできているのでそんなに時間がかからずに開始するのでしょうけど、いちおう岩泉町と境を接している旧川井村(現宮古市)のNHK-FM陸中川井局(10W)と同一周波数なのは問題無いのでしょうか(昭和の大合併前の旧小本村は沿岸部にあるので山の中の川井村とはかなり離れている)。

コミュニティFMの中継局の予備免許が1件。

 信越総合通信局(局長 清水 智之)は、本日、魚沼市(市長 佐藤 雅一)から免許申請のあった超短波(FM)放送局1局に対して予備免許を付与しました。
 本放送局は、エフエム魚沼株式会社のコミュニティ放送の地形的な影響による難聴地域の解消を図ることを目的として開設するものです。


 エフエム魚沼株式会社は、平成27年12月から新潟県魚沼市の一部地域において、コミュニティ放送を実施しています。これまでに、親局のほか、折立中継局(旧湯之谷村)及び入広瀬中継局(旧入広瀬村)を開設していますが、一部地域において地形的な影響による難聴が生じておりました。
 今般の予備免許は、魚沼市十日町地区の難聴地域の解消を図るために魚沼市が免許人となり受信障害対策中継局を開設するものです。

(参考)受信障害対策中継局
地理的条件等により放送の受信障害が発生している地域において、放送事業者以外の者が、当該受信の障害を解消する目的で開設する放送局です。

    • 【予備免許した受信障害対策中継局の概要】
放送区域 別紙のとおり
放送区域内世帯数 約630世帯
送信所設置場所 新潟県魚沼市十日町
周波数及び空中線電力 81.4MHz 0.2W
放送開始予定 平成30年4月

一瞬なぜ魚沼市でなく十日町市と思ったのですが、新潟県内至る所に十日町という地名があるようで。しかしながらgoogleマップででてきた魚沼市十日町という場所は、南魚沼市上越新幹線浦佐駅を擁する旧大和町から続く平坦な市街地で、なぜここが地形的な難聴なのか見た目ではわかりません。空中線電力が0.2Wというかなりの小電力なのも気になります。受信障害対策中継局ということはたぶん局ではなく市が設置するのでしょうから、現地の人にしか分からない事情があるのでしょうね。

V-Lowマルチメディア放送の予備免許も1件。

 北海道総合通信局(局長 藤本 昌彦(ふじもと まさひこ))は、本日、株式会社VIP(代表取締役社長 仁平 成彦(にひら なるひこ))から免許申請のあった99MHzを超え108MHz以下の周波数を使用する移動受信用地上基幹放送を行う基幹放送局(V-Lowマルチメディア放送)に対して、予備免許を交付しました。

    • <予備免許の概要>
申請者 株式会社VIP 東京都千代田区麹町1-7
局名(呼出符号) V−Low札幌(JOLZ−MM1)
電波の型式、周波数及び空中線電力 3M90 X7W 105.428571MHz 5kW (最大実効輻射電力 29kW)
設置場所 北海道札幌市西区
放送区域内世帯数 札幌市及び周辺市町村の一部 1,227,677世帯

何日から電波が出るかは書いていません。ところで、仙台局の電波はもう出ているのだろうか。だとしたらどうすれば聴けるのだろう(ネットではなくラジオ受信機で)。


予備免許ではなく本免許のお知らせが4件。

  中国総合通信局(局長:元岡 透)は、株式会社FMみはらから提出されたコミュニティ放送局の開設申請に対して、本日、免許を付与しました。
  本放送局の開局により、三原市内において、行政情報、タウン情報など、地域に密着した情報や、災害時には、避難所情報等を受信することが可能となります。

    • 免許した放送局の概要
申 請 者 株式会社FMみはら
送信所設置場所 広島県三原市登町(のぼりちょう) 広島県三原市久井町(くいちょう)
周 波 数 87.4MHz
空 中 線 電 力 20W 5W
運用開始予定時期 平成30年3月19日
放送区域概略図 別紙のとおり

親局(竜王山)が三原市の南半分、久井町(宇根山)が三原市の北半分と世羅町の南側と尾道市の旧御調町の西側という感じで2局でほぼ市域をカバーしているようです。
局のサイトに出ているお知らせの「無線局免許状の交付」を読むと

・3月19日より運用開始(試験放送からの切り替え、防災対応の開始)、
・5月1日に開局(生放送の開始)

とあり、愛媛県新居浜市の「Hello! NEW 新居浜 FM」が昨年のうちに本免許をもらって開局しているはずなのにそれは『総務省の実証実験のための事前放送中』と称し今年4月1日が『本格放送スタート』と称しているのと同様に2段階でスタートするつもりのようです。JCBAのサイトの開局情報に「FMみはら」は載っていません。試験電波は1月24日から出ているものと思いますが、局のサイトの番組表を見ると現在自主制作番組は月曜から金曜13時台にリクエスト番組を置いているだけでほぼ全日ミュージックバードをそのまま流しているようです。5月になれば自主制作番組がスタートするのかもしれません。

  • 株式会社京都放送のFM補完中継局に免許 −京都のワイドFMは比叡から− (3月16日)

本放送開始予定は平成30年4月2日。局のサイトの特設ページによれば朝9時とのことです。それによると聴ける範囲は京都市より東、大津市より北、琵琶湖南岸辺りが色濃く、琵琶湖の北半分が薄く塗られています。

  • 信越放送株式会社のFM補完中継局に免許 〜長野県内におけるFM補完中継局が3月26日に開局〜 (3月19日)

発表通り3月26日に開局したようです。次は高ボッチ&飯田の6月になります。

3月12日に沖縄県南城市合同会社南笑事の「ハートFMなんじょう」が開局し、その南城市から与那原町に移った株式会社FMしまじりの「FMよなばる」が3月25日に開局したというわけです。ググった感じだと2月28日にFMしまじりの「FMなんじょう」が閉局した翌3月1日に「ハートFMなんじょう」が試験電波の送出を開始したらしく、南城市民にとっては毎日電波は出ていたという事になるみたいです。

地方総合通信局からのお知らせが出ていない本免許も2件あります。いずれも予備免許の時のお知らせは出ていました。

  • さくらFM「生瀬中継局開局について」 (3月2日)

兵庫県西宮市のコミュニティFM局さくらFMのサイトの「インフォメーション」から。

開局以来課題であった西宮市生瀬地域での難聴対策のため、平成30年3月26日に「生瀬中継局」が開局します。
西宮市生瀬地域ではこれまで以上に、さくらFMの電波を受信しやすくなり、普段の放送や緊急時の災害放送でも活用されます。また緊急告知ラジオにより緊急情報の伝達もします。

これまで以上にリスナーの皆様に愛され、信頼される放送局としてより充実した情報を発信し続けていきます。

ということです。

  • FM補完中継局(今治・久万・御荘)開局 〜 南海放送ラジオ 〜  (3月27日)

3局とも3月27日に開局したそうです。
先日コメント欄に情報をいただきましたが、御荘は同じ場所なのに局によって南宇和(NHK、愛媛朝日、あいテレビ)だったり愛南(FM愛媛)だったり御荘(南海、テレビ愛媛)だったりと呼び名が異なるようですね。それで御荘のAM中継局はFM・地デジの中継局の場所に移転したのですか? そういえば大洲もAMと地デジの共用でした。これもテレビ中継局にAM中継局が引っ越してきたということのようですね。
それよりも南海放送では「歌のない歌謡曲」の担当者が3月30日まで33年3か月間同じ女性アナウンサーが担当していたという事に驚いております。たぶん全国最長では?