昨日の分の続きとでも思ってください。昨日の分も元ネタは毎日新聞のニュースサイト、毎日.jpの記事でしたが、こちらは他の全国紙のサイトと比べてラジオに関する記事が多いような気がします。たぶん気のせいですが、ほかにも3つぐらい見つけたので紹介しておきます。
防災放送は、コミュニティーFMが普段使う周波数の電波に割り込む形で、震度などの情報を伝える仕組み。緊急時は市内各地に設置されたスピーカー243基、各家庭に配布した防災ラジオ約2万7000台が自動的に起動し、大音量で情報を伝える。
市によると、19日午前3時半ごろの地震発生直後、システムが起動。しかし、震度情報などの音声ではなく、コミュニティーFMでその時に流れていた音楽がそのまま放送された。市庁舎内にある自動制御機器のトラブルが原因とみられるという。
笑えるのはその時流れていたのがNHKの平昌冬季五輪テーマソング「サザンカ」であり、それを歌っているバンドの名前が「SEKAI NO OWARI」という名前だったという事でしょう。そういう名前を付けるに至った事情は決して笑えない深刻なものですが。まぁ震度4程度の地震の時にトラブルが見つかって不幸中の幸いだったねというところでしょうか。
うちのコメント欄には愛媛県の放送についてやたら詳しい人がいるので何らかのアクションがあるかもしれませんが、いちおう基本情報として宇和島市のサイトに載っている「FM告知放送システム」の説明のリンクを貼っておきます。コミュニティFMの定時番組に1日3回行政情報の時間があり、その時間に勝手に防災ラジオのスイッチが入る仕掛けになっているの?
FM告知放送システムについて - 宇和島市ホームページ
- 情報伝達シンポジウム 災害時のラジオ活用、震災から学ぶ 海南 /和歌山 (2月20日)
南海トラフ巨大地震など、大規模な災害が発生した際のラジオを通じた情報伝達について考えるシンポジウムが、2月10日に海南市で開かれたそうです。
NHK放送文化研究所の村上圭子主任研究員は東日本大震災後、臨時災害FMが東北地方で多数開設され、情報伝達に大きく貢献した一方、開設には最短でも1週間以上かかったと指摘。「自治体が震災後に申請すれば災害FMの設置が認められるといった、制度の周知も必要だ」と訴えた。
えっ、そうなの? と思ってWikipediaの臨時災害放送局の項にまとめられている臨時災害放送局の開設日を眺めてみると、震災後1週間以内に開局しているのは既存のコミュニティFM局が母体となっている局ばかり。(具体的には開局順に花巻市、奥州市、横手市*1、鹿嶋市、つくば市、大崎市*2、登米市、石巻市*3、福島市、塩竃市*4)
震災1週間後からの1カ月では、宮古市(みやこ)(イベントFM開局計画があった)、岩沼市(既存局を活用)、山元町(長岡移動電話システム(FMながおか)が協力)、気仙沼市(けせんぬま)(登米コミュニティエフエムが協力)、亘理町(FMながおかが協力)、大船渡市(奥州エフエム放送が協力)、いわき市(既存局を活用しつつ混信防止のため別周波数で送信)、相馬市、釜石市(エフエム岩手が協力)、須賀川市、名取市、それと大船渡市の局の陸前高田市向けの中継局。
震災1カ月後からは南相馬市、女川町、気仙沼市(けせんぬまもとよし)、南三陸町(ラジオ関西、FMながおか、流通科学大学などが支援)、宮古市(みやこたろう)、高萩市(市川エフエム放送とFMながおか、茨城放送が協力)、陸前高田市、富岡町*5、大槌町、取手市の順です。
震災から7年近く経ち、集中豪雨や火山の噴火、そして熊本地震と各地に臨時災害放送局の設置経験が増え、制度の周知は進んでいるものと思います。しかし7年前、そういう制度があることを知っている人はほとんどいなかった。岩手県にはそれを知っている人がいたらしく震災当日、翌日に臨時災害放送局の免許が下りています。しかし宮城では? いや、例えば山元町に「りんごラジオ」を立ち上げることになる高橋厚さんは知っていました。しかし前もって機材が準備されているわけでもなく町全体が被災しているのです。FMながおかの人が機材を持ってきてくれて電波を出すときには既に震災の10日後だったのです。
記事中にある『開設には最短でも1週間以上かかった』というのは総合通信局がいわゆるお役所仕事をしているという意味では無く、何の設備の無いところから放送局を一から立ち上げるにはこれくらいの時間がかかってしまう、という意味であることに注意が必要だと思います。震災に備えて無線機や送信アンテナを常備しておくわけにはいかないのですから。
もちろん『シンポジウムに先立ち、海南市役所に臨時災害FM局を設置し、実際に放送する訓練も行った。』と記事にあるように、機材を触っておく経験をしておくことは必要です。
- ラジオパーソナリティー 全国で人気!東海のDJ AKB抑えトップ3 3年連続、雑誌の投票で (2017年5月10日 中部夕刊)
最後はおまけです。毎日のサイト内検索で引っかかりました。この表題の“雑誌”とはもちろん三才ブックスの「ラジオ番組表」誌です。FM三重や@FM(エフエム愛知)のパーソナリティが読者投票で上位に入っているのです。1冊買うと投票券が10票分ついてくるのですが、『組織票や個人の大量投票は多くない』のだそうです。また『放送エリア外からも多くの票が入っている』そうで、radikoで他の地域の放送を聴いたうえで投票している人が各地にいるということなのでしょうね。今年もたぶん4月27日ごろに発売されるでしょうから、興味を持たれた方は投票してみてはいかがでしょうか。