声優アイドル化進む

あけおめ的なことを書こうと思っていたのですが、ちょっと気になる新聞記事があったので。
1月3日付の河北新報。ラジオ・BS欄の隣、30面に「声優アイドル化進む」「歌手や舞台に進出」「有名人起用相次ぐ」という見出しの出ている1ページの特集記事がありました。
いま何年だっけ? もしかして3年前にタイムスリップしたのか、いやもっと前から言い尽くされてきたことではないのか。そんな疑念を抱きつつ記事を読みました。こんな特集の読物はwebには上がりませんし、全文書き写しも面倒です。かいつまんで書きます。
まずは「歌手や舞台に進出」のほう。真ん中に大きく「P's Live!05 GO! Love&Passion!!」というライブの写真。何十人もがステージに並んでいます。その右下にはそのライブに出演した内田真礼(まあや)さんという方の写真。一見アイドルみたいです。記事によると、『昨年11月、横浜市港北区横浜アリーナで開かれた、声優やアニソン歌手が出演するライブ』だそうでして、『会場は超満員。内田真礼三森すずこら人気声優が登場するたびに、ペンライトを手にしたファンから大歓声が巻き起こった』そうです。さっとググった感じだと「P's」のPはポニーキャニオンのPなのかな? 記事に戻って、雑誌「声優グランプリ」の編集長さんによると『最近はアニメのキャラクターと声優が一体化したイベントが人気を呼ぶ』のだそうです。記事には一例として「ラブライブ!」だの「けものフレンズ」だのいう単語が出てきます。声優関連雑誌に関して、ムック類とかを指して書いているのかな、『グラビア中心の構成はアイドル誌さながら』なのだそうです。「声優アワード」の投票数は2016年に過去最高の票数を記録したそうで、『併せて実施される新人発掘オーディションの応募者は1000人を超える』のだそうです。その志望動機は事務局の方の話によると『アニメが好きな子からアイドル的なことをやりたいという子までさまざま』だそうです。『声優の枠を超えた活躍も増える。』として、水樹奈々さん、宮野真守さん、平野綾さん、小野賢章さんといった名前が踊ります。前出の編集長さんの言を借りれば声優は『今やマルチタレント化している』。記事の地の文では水樹さんの話が出ていますが、これとは別に小野さんのインタビューの枠が作ってあります。写真付きです。
次に「有名人起用相次ぐ」のほう。見覚えのある女の子の写真だなと思ったら、ももクロ百田夏菜子さんでした。「かいけつゾロリ」の映画版で声優に挑戦されたそうで。「プリキュア」の映画に尾上松也さんがゲスト出演されたりもしたそうですね。記事に書かれている順序と前後していますが、『声優が表舞台に出る一方で、俳優やタレントがアニメや大作映画を吹き替えるケースも増えている。』という書き出して始まる章です。私からしたら、何をいまさら、と思わずにはいられませんが、記事では『2016年にメガヒットしたアニメ映画「君の名は。」は俳優の神木隆之介上白石萌音が主人公の声を担当、ともに声優アワードの主演男優、同女優賞を獲得。「この世界の片隅で」で、のんが特別賞を受賞した。』
この章では『本職顔負け 境界薄まる』『「実力」業界で評価』という見出しが出ているのですが、本文の最後の段落ぐらいは書き写しましょう。

 有名人の声優起用は「安直」との批判も受けるが、声優アワード事務局の目賀田織武さんは「神木さんと上白石さんは作品や話題ありきではなく、最終的に演技としてどうかを検証し、特別なキャラクター感や声の動きが評価された」と実力本位だったことを強調する。同賞は「声優の地位向上」を目的に創設されており、「今後そういった方々(非声優)の名前が挙がってくるのは難しいだろう」と話す。

そんなわけで、見ました。地上波初放送「君の名は。」。
TBCラジオ「ラジオな気分」で毎週火曜に生島淳さんと粟津ちひろアナが二人で盛り上がっていたのを(つい最近まで「陸王」で盛り上がっていたのも同様に)冷ややかに聴いていた私は何て食わず嫌いなことをしていたんだろうと思いました。面白いじゃないですか。
三葉ちゃんが乗り移って女子力高めになっている神木きゅんがふつうに女の子と思える。上白石さんは私はよく知らない(姉妹で長澤まさみさまと同じ東宝シンデレラ出身の女優さんだという程度の知識しか持っていない)のですが、あっ女優さんが声優に挑戦しているんだな、という違和感は全くありませんでした。まぁ私に演技力を評価できる能力なんて無いのですが。見終わった後でWikipediaで配役を確認すると、谷花音ちゃんとか主要な役で本職の声優さんはあんまりいないんですね。
Wikipediaついでにちょっと脇道にそれますが、Z会のコラボCMに衝撃を受けました。「君の名は。」地上波初放送のために「君の名は。」的なストーリーのCMを作ったのかと思いきや、このCMは2014年に作られ放送されたものでありこのCMから「君の名は。」の着想を得たと知ってさらに衝撃を受けました。ソフトバンク白戸家のコラボCMもよくやるなと思いました。
楽しい入れ替わり生活が突然終わり、その後衝撃の事実を知ることになるわけですが(今更ネタバレしても問題無いはずですが一応伏せます)、お酒で酔っ払って実は夢でしたなんてことは無いのかなとか、黄昏時にパラレルワールドに入り込んでもう一つの結末がとか、ふと「あの花」が頭をよぎったりとかいろいろ思ったりしたのですが、実際に歴史を変えてしまったのですね。しかし互いの名前を忘れてしまい日々は過ぎて行ったのですね。
たぶん二人は最後の最後に再会を果たしたのでしょうが、お互い当時のことは思い出したのだろうか、そしてその後付き合ったりとか何とかすることになるのだろうか。そんな下衆の勘繰りは無粋なのは分かってはいるのだけど。

報知のwebに「君の名は。」の視聴率は『「シン・ゴジラ」を2・2ポイント上回る』という見出しの記事が出ていました。他局のことは分からないけどまぁ正月だし好視聴率ってことでいいんですよね。年末年始の番組についてはどこかに語るスペースをあとで作ることにしましょう。